屋根修理には、職人が「できればやりたくない」と感じる施工があります。これは単なる好き嫌いではなく、安全性・施工の難易度・コスト・品質保持の観点からリスクが高いケースが多いためです。
本記事では、職人が敬遠しがちな屋根工事の具体例とその理由を深掘りし、トラブルを防ぐための対策を詳しく解説します。事前に知っておくことで、スムーズな屋根修理を進められるだけでなく、職人との信頼関係も築くことができます。
もくじ
1. 急勾配の屋根（5寸以上）での施工
⚠️ 敬遠される理由
- 落下の危険性が高い
勾配が急な屋根は足場の確保が難しく、職人が滑り落ちるリスクが増す。 - 安全対策のコストがかかる
専用の足場や安全帯（ハーネス）が必須になり、通常の工事より費用がかさむ。 - 作業効率が落ちる
慎重な動作が求められ、施工に時間がかかるため、通常の屋根より手間がかかる。
🏠 具体例
- 切妻屋根や寄棟屋根で勾配が45度以上
- 瓦屋根や金属屋根など滑りやすい屋根材
- 高所作業に適した足場がない場合
🛠️ 対策
✅ 事前に足場をしっかり設置（屋根足場も検討）
✅ ハーネス着用義務のある業者に依頼
✅ 作業可能な天候を見極める（風の強い日は避ける）
2. アスベストを含む古いスレート屋根
⚠️ 敬遠される理由
- 健康リスクが高い
解体時にアスベストを含む粉塵が舞い、職人が吸い込むリスクがある。 - 特別な処理が必要でコスト増
アスベストの撤去には専門の業者が必要で、通常の屋根より処分費がかさむ。 - 自治体の規制が厳しい
許可申請が必要になることもあり、工事の手続きが煩雑になる。
🏠 具体例
- 1980～1990年代に建てられたスレート屋根（カラーベスト・コロニアル）
- 古い屋根材がひび割れ、劣化している
🛠️ 対策
✅ アスベスト対応の専門業者に相談
✅ 下地が問題なければカバー工法を選択（撤去せず上から新しい屋根材を重ねる）
✅ 自治体の助成金を活用し、処分費を抑える
3. 築年数が古すぎる屋根（下地が腐食）
⚠️ 敬遠される理由
- 野地板が腐っていると施工できない
屋根材を張り替えるだけでは意味がなく、下地の補修が必要になる。 - 追加費用が発生しやすい
補修が必要な箇所が増え、最初の見積もりより大幅にコストがかさむ。 - 新しい屋根材を乗せてもすぐ劣化する
下地の状態が悪いと、新しい屋根もすぐに不具合が出る可能性が高い。
🏠 具体例
- 築40年以上の住宅の屋根
- 雨漏りを長期間放置していた屋根
- シロアリ被害で野地板がスカスカになっている
🛠️ 対策
✅ 事前にドローン点検を依頼し、劣化状況を把握
✅ 葺き替え工事を前提に予算を検討
✅ 自治体のリフォーム助成金を活用する
4. 無理なカバー工法
⚠️ 敬遠される理由
- 下地が腐っているとカバー工法は意味がない
既存の屋根が劣化していると、新しい屋根を重ねてもすぐに問題が発生する。 - 施工ミスのリスクが高い
不適切なカバー工法は雨漏りの原因になるため、慎重に判断が必要。 - 屋根が重くなりすぎる
2重構造になり、耐震性の低下を招くことも。
🏠 具体例
- 既存の屋根が大きく波打っている
- 下地が腐っていて釘が効かない状態
🛠️ 対策
✅ 屋根診断を行い、カバー工法が適切か確認
✅ カバー工法が難しい場合は葺き替えを検討
✅ 建物の耐震性を考慮し、軽量屋根材を選択
5. 施主がDIYで手を加えた屋根
⚠️ 敬遠される理由
- 施工ミスが多く、手直しが難しい
素人施工は間違いが多く、正しく修理するにはまず「やり直し」が必要になる。 - 材料の相性が悪く、修理が余計に難しくなる
例えば、不適切なシーリング材を使っていると、補修時に剥がし作業が増える。
🏠 具体例
- ホームセンターの防水テープで補修
- 間違った塗装方法で塗膜がすぐ剥がれる
🛠️ 対策
✅ DIY補修は避け、最初から専門業者に依頼する
✅ 施工履歴を業者に伝える（使用した材料がわかると修理しやすい）
6. 悪天候での施工
⚠️ 敬遠される理由
- 風が強いと足場が危険
足場が倒れるリスクがあり、作業員の安全確保が難しくなる。 - 雨の日は施工品質が低下
防水シートや塗装の乾燥が遅れ、仕上がりに影響を与える。
🏠 具体例
- 台風直後の修理
- 雪が積もった屋根での作業
🛠️ 対策
✅ 天候の良い日に施工を依頼
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