「屋根にサビがあると言われたけれど、住むのに支障はないので放置している」
「屋根のサビを取り除く方法がないか知りたい」
住宅の屋根にサビを見つけたけれど、そのままにしているという方は多いです。
本記事では屋根にサビが発生する原因や放置するリスク、除去する方法について解説します。
具体的に解説するのは、下記の内容です。
・屋根のサビを放置するリスク
・屋根にサビが発生する3つの原因
・屋根のサビが発生しやすいケース
・屋根に発生するサビの種類
・屋根にサビが発生した場合の補修方法
・屋根のサビ補修にかかる費用相場
屋根のサビは、雨漏りや建物自体を崩壊させるリスクがある危険な状態です。
屋根のサビ除去や補修は高所作業で危険をともなうため、必ず業者に依頼してください。
本記事を読めば屋根にサビが発生する原因やリスクを理解でき、適切な補修を業者に依頼できます。
もくじ
屋根に発生したサビを放置するのはNG

屋根に発生したサビを放置してはいけない理由は、雨漏りの発生や、建物や壁の崩壊を起こすリスクがあるためです。
具体的な問題点や建物に与える影響などを、くわしく解説します。
雨漏りする
屋根のサビによって内部に雨水が浸入すると、雨漏りを起こします。
サビによってもろくなった屋根は、穴があきやすくなるためです。
雨漏りを起こすと生活に支障をきたすだけではなく、内部の腐食やカビなどの原因になります。
建物や壁の崩壊につながる
内部へ浸入した雨水により構造部分にサビが発生すると、建物や壁の崩壊につながります。
コンクリート部分のサビによって、爆裂現象が起きてしまうためです。
爆裂現象とは、コンクリート内部の鉄筋がサビによって膨張し、浮いたり崩落したりする状態を指します。
爆裂現象を起こしたコンクリートは強度が著しく低下するため、住宅の寿命を縮めてしまいます。
屋根にサビが発生する3つの原因

屋根にサビが発生する原因は、下記のとおりです。
・経年劣化
・もらいサビ
・施工不良
上記3つの原因について、くわしく解説します。
経年劣化
屋根の経年劣化によって、サビが発生しやすくなります。
防錆対策を施した屋根であっても、紫外線や雨風のダメージで劣化するのは避けられません。
もともと屋根は雨や雪などの水分によって、サビが発生しやすい箇所です。
経年劣化は避けられないため、定期的なメンテナンスをおすすめします。
もらいサビ
もらいサビによって、屋根にサビが発生するケースもあります。
もらいサビとは、金属製品にできたサビが他の部分に移ってしまう現象です。
屋根周辺に発生したサビが、雨水で屋根材に流れることで発生します。
屋根材を固定している釘や太陽光パネル、アンテナなどが、もらいサビのよくある原因です。
施工不良
施工不良によって、サビ予防が不十分になっている場合もあります。
前回の塗装時に下地処理が十分でなかったり、錆止め塗料を塗装していなかったりするケースです。
施工不良によって防水効果が不十分になると、サビの原因になります。
屋根にサビが発生しやすいケース

屋根や塗装の種類によっても、サビが発生しやすくなります。
住宅が下記の条件に当てはまる場合、サビには要注意です。
・金属製の屋根材を使っている
・長持ちしにくい塗料を使っている
・海の近くに住宅が建っている
それぞれのケースについて、順に解説します。
金属製の屋根材を使っている
金属製の屋根材は、サビを起こすリスクが高いです。
具体的には、トタンやガルバリウム鋼板などが挙げられます。
ただし、スレート屋根であっても、屋根材を固定しているビスや棟金板にサビが生じる可能性はあります。
金属製の屋根材を使用している住宅は、錆止め塗料を使用すると良いでしょう。
長持ちしにくい塗料を使っている
耐用年数の短い塗料を使用していると、短期間でサビが発生しやすい場合もあります。
塗料の耐用年数は、種類によって異なるのが特徴です。
主に屋根塗装で使用される塗料の耐用年数は、下記になります。
・シリコン塗料:7〜15年
・フッ素塗料:12〜20年
・無機塗料:18〜20年
注意点として屋根は天候や紫外線など外部環境の影響を受けやすいため、上記より耐用年数は短くなります。
長持ちしにくい塗料を使用している場合、メンテナンスのスパンが短くなる点は知っておいてください。
海の近くに住宅が建っている
海が近くにある住宅は、塩害によるサビに要注意です。
塩害とは海水に含まれる塩分が、海風によって屋根に付着し劣化する現象です。
特に屋根は被害を受けやすく、塗装の剥がれやサビを起こしやすくなります。
海沿いにある住宅は、塗装や屋根材の選択などによる塩害対策が必要です。
屋根に発生するサビの種類

屋根に発生するサビの種類は、下記のとおりです。
・赤錆
・黒錆
・白錆
・青錆
サビの種類によって特徴や対策が異なるため、ぜひ参考にしてください。
赤錆
赤錆は赤褐色のサビで、鉄や銅などさまざまな金属で見られます。
鉄が水や酸素と結合し、化学反応を起こすことで発生します。
放置すると金属の腐食が進行し劣化してしまうため、対策が必要です。
例外として銅と酸素が結合し発生した赤錆に関しては、保護皮膜の役割を果たします。
黒錆
黒錆は鉄や銀に発生するサビで、表面を高温に加熱すると発生します。
硬く金属部分に密着し、赤錆による内部の腐食を防ぐ良質なサビです。
中華鍋や鋼材などは、意図的に黒錆による膜を作り活用しています。
白錆
白錆は、アルミニウムや亜鉛などに発生するサビです。
水分や空気に反応し、表面が膨れることで発生した粉状の腐食物を、白錆と呼んでいます。
白錆も、腐食から金属を守る役割を果たす良質なサビです。
青錆
青錆は緑青(ろくしょう)とも呼ばれる、青緑色のサビです。
10円玉や青銅器、古銭などの表面に、水分や塩分が付着することで発生します。
銅製品を保護し腐食を防ぐ効果以外にも、抗菌作用もあるのが特徴です。
屋根にサビが発生した場合の補修方法

屋根にサビを見つけた場合の補修方法は、状態によって異なります。
軽度であれば塗装で対処し、重度のサビは屋根材自体を補修するのが一般的です。
軽度と重度の目安や、具体的な補修方法についてくわしく解説します。
【サビが軽度な場合】屋根塗装
軽度のサビであれば、屋根塗装で補修が可能です。
具体的にはサビによって穴があいてなかったり、サビの発生が屋根材の表面に限定していたりするケースです。
高圧洗浄や下地処理でサビを除去した後、錆止め塗料で下塗りし、上塗りして仕上げます。
【サビが重度な場合】屋根材の補修
広範囲にあるサビや、穴があいている屋根は塗装で補修できません。
屋根のサビが重度であれば、葺き替えや重ね葺き(カバー工法)による補修が必要です。
葺き替えとは、既存の屋根材を撤去した後に新しい屋根材を張る工法になります。
一方で重ね葺きは、既存の屋根材はそのままにし、上から新しい屋根材を張る工法です。
どちらの工法を選択するかは状況によって異なるため、業者に相談しながら決めると良いでしょう。
屋根のサビを補修する場合にかかる費用相場

屋根のサビを補修する場合にかかる費用は、補修方法によって異なります。
塗装と屋根材の補修、それぞれにかかる費用相場を紹介しますので、参考になれば幸いです。
屋根塗装する場合
屋根塗装における、坪数別の費用相場は下記になります。
・20坪:15万円~40万円
・30坪:20万円~60万円
・40坪:25万円~80万円
・50坪:30万円~100万円
・60坪:40万円~130万円
塗装にかかる費用は、使用する塗料や住環境によって異なります。
くわしい費用が知りたい場合は、業者に見積もりを出してもらい確認してください。
屋根材を補修する場合
屋根材を補修する場合にかかる費用相場は、以下のとおりです。
・重ね葺き(カバー工法):60万円~240万円
・葺き替え:70万円~250万円
工法だけではなく、屋根の広さや使用する屋根材によっても費用は前後します。
屋根のサビを発見したら、早めに業者に見てもらおう

屋根のサビは、雨漏りや建物・壁を崩壊させるリスクがあるため放置するのは危険です。
特に金属製の屋根を使用していたり、住宅が海沿いにあったりする場合は要注意です。
経年劣化による屋根のサビは避けられません。
そのため定期的な点検やメンテナンスが重要です。
サビを放置すると劣化が進み大掛かりな補修になってしまうため、早めに業者に見てもらうのをおすすめします。