「屋根の重ね葺き工事ってどんな工事?」
「屋根の重ね葺き工事にかかる費用はどのくらい?」
「屋根の重ね葺き工事のメリット、デメリットが知りたい」
上記のように、屋根の重ね葺き工事が気になっていませんか?
この記事では、屋根の重ね葺き工事に関する以下の内容をお伝えします。
・屋根の重ね葺き工事とは?
・屋根の重ね葺きにかかる費用相場
・屋根を重ね葺き工事で補修するメリット
・屋根を重ね葺き工事で補修するデメリット
・重ね葺き工事に向いている屋根材
・屋根の重ね葺き工事ができないケース
・屋根を重ね葺き工事する際の注意点
この記事を読むと、自宅の屋根を重ね葺きすべきか判断しやすくなるでしょう。
ぜひ、最後まで目を通してみてください。
もくじ
屋根の重ね葺き工事とは?

本章では、屋根の重ね葺き工事について解説します。
屋根の重ね葺き工事とは、古い屋根材を外さずに、上から新しい屋根材を取り付ける工事方法です。
重ね葺き工事と対照的な工事方法が葺き替え工事です。
葺き替え工事では、古い屋根材を外した上で、新しい屋根材を取り付けます。
重ね葺き工事では古い屋根材を外さないため工期が短く済み、費用が抑えやすいなどの利点があります。
屋根の重ね葺きにかかる費用相場

本章では、屋根の重ね葺きにかかる費用相場について解説します。
重ね葺き工事の費用相場は60万円~240万円です。
重ね葺き工事の費用は、さまざまな要素により変動します。
たとえば、屋根の面積や形状、建物の立地環境だけでなく、上から被せる新たな屋根材の種類によっても費用は変わるでしょう。
また、費用は業者によっても異なります。
そのため、屋根の重ね葺きにかかる正確な費用を知りたい場合は、業者の見積もりを取り確認すると良いでしょう。
屋根を重ね葺き工事でメンテナンスするメリット

本章では、屋根を重ね葺き工事でメンテナンスするメリットをお伝えします。
具体的には、以下のメリットが挙げられます。
・費用を抑えられる
・短い工事期間で済む
・断熱性や遮音性がアップする
それぞれについて、以下で詳しく説明します。
費用を抑えられる
屋根を重ね葺き工事でメンテナンスするメリットに、費用を抑えられる点があります。
屋根のメンテナンス方法では、重ね葺き工事の他に葺き替え工事があります。
葺き替え工事とは、既存の屋根材を取り外し、新たな屋根材を設置する方法です。
重ね葺き工事では既存の屋根を撤去したり処分したりせず、そのまま残します。
そのため、取り外した屋根材の廃棄処分や取り外しにかかる人件費などの費用を抑えられるのです。
短い工事期間で済む
屋根を重ね葺き工事でメンテナンスするメリットに、短い工事期間で済む点があります。
重ね葺き工事にかかる期間は、約1~7日です。
工事期間が短いほど、騒音や業者の往来などにより近隣住民の方に迷惑をかける期間が短くて済みます。
一方、葺き替え工事の場合、約7~10日はかかるでしょう。
屋根材の取り外しや下地の補修、交換などの作業が発生するためです。
断熱性や遮音性がアップする
屋根を重ね葺き工事でメンテナンスするメリットに、断熱性や遮音性がアップする点があります。
重ね葺き工事では、現在使っている屋根の上に新しい屋根を重ねるため、屋根が二重になります。
そのため、屋根の断熱性や遮音性が高まるのです。
また、工事の際に断熱材を入れて、断熱性を高めるケースもあります。
屋根を重ね葺き工事でメンテナンスするデメリット

本章では、屋根を重ね葺き工事でメンテナンスするデメリットをお伝えします。
具体的には、以下のデメリットが挙げられます。
・屋根が重くなる
・今後のメンテナンス費用が高くなる恐れがある
・火災保険が使えないケースが多い
それぞれについて、以下で詳しく説明します。
屋根が重くなる
屋根が重くなることは、屋根を重ね葺き工事でメンテナンスするデメリットの1つです。
屋根が重くなると地震の際に揺れやすくなったり、大地震で倒壊するリスクがやや上昇したりすると考えられます。
屋根が重くなることによるリスクが気になる場合は、葺き替え工事も検討すると良いでしょう。
今後のメンテナンス費用が高くなる恐れがある
今後のメンテナンス費用が高くなる恐れがあることも、屋根を重ね葺き工事でメンテナンスするデメリットの1つです。
重ね葺き工事後、雨漏りなどが発生した場合は一番上の屋根を一度取り外して再度設置する作業が発生します。
また、古い屋根の撤去や下地の交換には費用もかかります。
万が一、建物の構造部分にまで雨漏りによる被害が広がっていた場合は、その分の補修費用もかかるでしょう。
このように、今後のメンテナンス費用が高くなる恐れがある点はデメリットと言えるでしょう。
火災保険が使えないケースが多い
火災保険が使えないケースが多いことも、屋根を重ね葺き工事でメンテナンスする際のデメリットの1つです。
火災保険は、自然災害で破損した場合のみ適用されます。
火災保険の対象は、あくまで「元の状態に戻す工事」です。
そのため、破損した屋根の上から新しい屋根を被せる工事の重ね葺き工事の場合は、火災保険が使えないケースが多いのです。
重ね葺き工事に向いている屋根材

本章では、重ね葺き工事に向いている屋根材について解説します。
・ガルバリウム鋼板
・アスファルトシングル
・ジンカリウム鋼板
それぞれについて順番に見ていきましょう。
ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板とは、アルミニウムや亜鉛、シリコンで金属鋼板をメッキしたものです。
耐久性が高く、屋根材として広く使用されています。
また、ガルバリウム鋼板は非常に軽量なため、重ね葺き工事にも適しています。
アスファルトシングル
アスファルトシングルとは、アスファルトが主成分の屋根材です。
アスファルトシングルも比較的軽量なため、重ね葺き工事に適した屋根材の1つです。
防水性に優れていることや、屋根材の中でも安価というメリットもあります。
ジンカリウム鋼板
ジンカリウム鋼板とは、ガルバリウム鋼板と同様の特性を持つ屋根材です。
メーカーや地域によって呼び方が異なります。
ガルバリウム鋼板も、ジンカリウム鋼板と同様に耐久性が高く、軽量で費用が安価であるなどのメリットがあります。
屋根の重ね葺き工事ができないケース

本章では、屋根の重ね葺き工事ができないケースをご紹介します。
具体的には、以下の場合が挙げられます。
・瓦屋根である
・劣化が激しい
・以前に重ね葺き工事を行っている
それぞれのケースについて、順に見ていきましょう。
瓦屋根である
瓦屋根の場合、屋根の重ね葺き工事ができません。
重ね葺き工事では、既にある屋根材の上から新たな屋根を設置します。
そのため、屋根が平らでないと設置しにくくなります。
瓦屋根は波型で、平らでなく厚みもあるため新しい屋根材を固定する釘が打ちにくいのです。
劣化が激しい
劣化が激しい場合、屋根の重ね葺き工事ができません。
野地板が腐食していたり、防水シートが破れていたりする場合は交換する必要があります。
そのため、劣化が激しい場合も重ね葺き工事はできないのです。
以前に重ね葺き工事を行っている
以前に重ね葺き工事を行っている場合、屋根の重ね葺き工事ができません。
重ね葺き工事を一度行うと、屋根材が二重の状態となります。
そのため、再び重ね葺き工事を行ってしまうと、屋根が三重になってしまい重くなりすぎるので一度しか行えないのです。
屋根を重ね葺き工事する際の注意点

本章では、屋根を重ね葺き工事する際の注意点をお伝えします。
確認申請が必要なケースがある点や、屋根の勾配に合う屋根材を使う点が挙げられます。
それぞれ順番に確認しましょう。
確認申請が必要なケースがある
屋根を重ね葺き工事する際、確認申請が必要なケースがあるため注意しましょう。
建物の種類によって、大規模な修繕や模様替えを行う際の確認申請が必要かどうかは異なります。
また、屋根の重ね葺き工事が大規模な修繕や模様替えに該当するかどうかは、自治体ごとの判断となります。
具体的な要件については、お住まいの自治体に確認しましょう。
屋根の勾配に合う屋根材を使う
屋根を重ね葺き工事する際、屋根の勾配に合う屋根材を使用するよう注意しましょう。
屋根の勾配とは、屋根の傾きについて表す際の角度のことです。
屋根の勾配に合っていない屋根材を使用した場合、雨水が効率よく排水されなくなります。
そのため、雨漏りが生じる恐れがあるのです。
重ね葺き工事か葺き替え工事か判断しにくい場合はプロの業者に相談しよう

屋根の重ね葺き工事では、古い屋根の撤去や処分を行わないため費用を抑えやすく、工事期間が短いというメリットがあります。
また、屋根を重ねることで二重になるため、断熱性や遮音性も高まります。
しかし、重ね葺き工事は一度しか行えないため、今後メンテナンスの必要が生じた際には葺き替え工事を行わなければなりません。
メリット、デメリットを踏まえると、重ね葺き工事と葺き替え工事、どちらを行えば良いか悩んでしまう方も多いかもしれません。
重ね葺き工事と葺き替え工事、どちらにすべきか判断しにくい場合はプロの業者に相談しましょう。