屋根の雨漏りは建物や生活に深刻な悪影響を及ぼすため、早急な修理が必要です。
しかし雨漏り修理の必要性は理解していても、支払いが不安という方は多いです。
本記事では、屋根の雨漏りを修理する方法や費用相場、放置すると起こり得るトラブルなどについて解説します。
具体的に解説するのは、下記の内容です。
・雨漏りした屋根を修理する方法
・修理する際にかかる費用相場
・自分で修理するのはNGな理由
・雨漏りの放置リスク
屋根の雨漏りは、程度によって修理方法が異なります。
また、修理は高所作業かつ専門知識や技術が要求されるため、自分で行うのは危険です。
本記事を読むと屋根の雨漏りを放置するリスクが理解でき、適切な修理を業者に依頼できます。
もくじ
【雨漏りが激しい場合】屋根を修理する方法

雨漏りが激しい場合は、葺き替え工事または重ね葺き工事(カバー工法)を行います。
各工事の特徴や注意点について解説しますので、参考になれば幸いです。
葺き替え工事
葺き替え工事とは古い屋根を撤去した後、新しい屋根材に交換する工法です。
雨漏りの原因となっている箇所を特定し、確実に補修できるメリットがあります。
また、新しい屋根材を軽いタイプにすることは、耐震性の向上にも効果的です。
古い屋根を解体し撤去する作業が必要なため、相応の費用や時間はかかります。
重ね葺き工事(カバー工法)
重ね葺き工事(カバー工法)とは、古い屋根の上から新しい屋根材を重ねる工法です。
古い屋根をそのまま残すため、雨漏りを直しつつ工期や工事費用も抑えられます。
ただし屋根の損傷や腐食が激しい場合は、重ね葺き工事による修理は困難です。
また、重ね葺き工事は一度きりしか行えないため、次回以降は葺き替え工事となります。
【雨漏りが軽度な場合】屋根を修理する方法

雨漏りが軽度な場合に適している修理方法は、下記のとおりです。
・コーキング補修工事
・棟板金の工事
・漆喰部分の補修工事
・瓦の交換
それぞれの修理方法について、くわしく解説します。
コーキング補修工事
コーキングとは屋根材を接着したり、ひび割れや隙間を埋めたりする目的で使われる、ゴム状の修理材です。
経年劣化で弾力性が失われると隙間やひび割れを起こしやすく、雨漏りの原因となります。
新しいコーキング材を充填することで、雨水の浸入を防ぐ効果があります。
棟板金の工事
棟板金(むねばんきん)とは、屋根の頂上部分に設置する部材です。
屋根材を固定したり、防水性を高めたりする目的で設置されます。
棟板金本体や固定している釘の浮きにより、雨漏りを起こしているケースがあります。
棟板金の不具合で雨漏りしている場合、交換や釘を締め直すといった工事が必要です。
漆喰部分の補修工事
漆喰は瓦屋根の屋根土を固定し、保護する役割を持ちます。
屋根土は土台の役割があるため、劣化によって雨漏りを引き起こす可能性もあります。
瓦屋根が雨漏りしている場合は、漆喰部分の点検や補修工事も依頼すると良いでしょう。
瓦の交換
瓦は比較的長持ちする屋根材ですが、地震や台風などで破損しやすいのも特徴です。
破損している箇所から雨漏りしている場合は、瓦の交換で対応ができます。
自分で破損箇所を確認するのは危険を伴うため、業者に確認を依頼した上で交換するようにしてください。
屋根の雨漏りを修理する際にかかる費用相場

屋根の雨漏りを修理する際にかかる費用は、工事内容によって異なります。
今回紹介するのは、下記のケースです。
・雨漏りが激しい場合の費用相場
・雨漏りが軽度な場合の費用相場
・調査が必要な場合の費用相場
各ケースの費用相場をくわしく解説しますので、参考になれば幸いです。
【雨漏りが激しい場合】修理費用の相場
雨漏りが激しい場合は、葺き替え工事または重ね葺き工事(カバー工法)で屋根全体を修理します。
具体的な修理費用は、下記が相場です。
・葺き替え工事:70万円~250万円
・重ね葺き工事(カバー工法):60万円~240万円
屋根材の種類や立地条件などによっては、上記より費用がかかる可能性もあります。
【雨漏りが軽度な場合】修理費用の相場
雨漏りが軽度な場合は、原因箇所に応じた修理を行います。
修理にかかる費用相場は、下記のとおりです。
・コーキング補修工事:2,000円~6万円
・瓦の交換:1万円~6万円
・棟板金の工事:5万円~25万円/一戸
・漆喰部分の補修工事:10万円~40万円/一戸
修理に使用する物品や劣化状態などによって、金額は変動します。
調査が必要な場合の費用相場
雨漏りの原因を特定する目的で、修理前に調査を行うケースが多いです。
調査内容ごとの費用相場は、下記になります。
・目視による調査:無料~3万円
・散水調査:3万円~35万円
・発光液調査:5万円~30万円
・赤外線サーモグラフィー調査:2万円~50万円
散水調査とは、実際に水をかけて雨漏りを再現し原因を特定する方法です。
発光液調査は、雨漏りの疑いがある箇所に紫外線で光る液体を流した後、紫外線ライトを用いて調査します。
赤外線サーモグラフィー調査は、温度差を色で判断できる赤外線カメラで建物を撮影する方法です。
雨漏りしている箇所を赤外線カメラで見ると、周囲より表面温度が低くなるのを利用しています。
屋根の雨漏りを自分で修理するのはNG

屋根の雨漏りを自分で修理すれば、工事代金を節約できるのではと考える方がいます。
しかし、屋根の雨漏り修理を素人が行うのは難しく、DIYはおすすめしません。
雨漏り修理を業者に頼むべき理由について、くわしく解説します。
転落の危険がある
屋根の修理は高所作業となるため、転落するリスクがあります。
とくに雨漏りを起こしている屋根は、足元が不安定である可能性も高く危険です。
自分で行うのは防水テープを貼ったり、ブルーシートをかけたりする程度の応急処置にとどめましょう。
また、応急処置を行う際は、絶対に2人以上かつ安全ベルト着用で行ってください。
専門知識や技術が必要である
雨漏り修理は、専門知識や技術が必要な作業です。
住宅や雨漏りに関する専門知識や経験がないと、原因を正確に突き止められないためです。
たとえ室内で雨水が垂れている場所を特定できても、雨漏りの原因箇所と一致するとは限りません。
また、修理には専門の道具や材料を用いるため、正しく使える技術も必要になります。
屋根の雨漏りを修理しないと起こり得るトラブル

屋根の雨漏りを修理しないと、さまざまなトラブルが起こり得ます。
具体的に起こり得るトラブルは、下記のとおりです。
・カビが発生する
・天井や壁紙が劣化する
・電気配線がショートする
・建物の耐久性が落ちる
それぞれのトラブルや危険性について、くわしく解説します。
カビが発生する
雨漏りによって天井や壁に雨水が溜まると、カビの発生をまねきます。
カビは水気や湿気を好み、雨水が溜まったままの状態では繁殖しやすくなるためです。
カビは特有の臭いや、アレルギーなどを引き起こす原因になります。
天井や壁紙が劣化する
雨漏りによって、天井や壁紙の変色や剥がれなどが見られることも多いです。
天井や壁紙が雨水で劣化するだけではなく、見た目も悪くなります。
天井や壁紙の補修を自力で行うのは困難なため、業者に相談するのをおすすめします。
電気配線がショートする
雨漏りによって、室内の電化製品に雨水がかかってしまうと非常に危険です。
雨水が電気配線やコンセントまで到達すると、ショートや火災などの原因になります。
故障による損害や安全面を考慮して、雨漏りは早めに修理するようにしましょう。
建物の耐久性が落ちる
雨漏りを長期間放置すると、建物全体の耐久性が低下します。
木材や鉄骨に雨水が染みわたると、最終的に構造の強度を低下させてしまうためです。
建物の耐久性が低下してしまうと、安心して住み続けるのも困難になってしまいます。
雨漏りを修理しないまま放置すると、住宅の資産価値を下げてしまう可能性があります。
屋根の雨漏りを修理する場合は自分で行わず業者に依頼しよう

屋根の雨漏りは建物全体に与えるダメージが大きいため、早めに修理を依頼しましょう。
雨漏りの程度や原因、調査方法などで、修理にかかる費用や期間は変動します。
また、雨漏り修理を自身で行うのはリスクが高く困難なため、必ず業者に依頼してください。
なるべく早く適切な修理を行うことで、屋根の雨漏りによる被害を最小限にできます。