「自宅のトタン屋根に合った修理方法を知りたい」
「トタン屋根が古くなってきたけれど、どのくらいで修理予算を立てれば良いのだろう」
古いトタン屋根のリフォームを検討している方で、修理方法や費用面に悩まれるケースは多いです。
本記事ではトタン屋根の修理方法や、かかる費用などについて解説します。
具体的に解説するのは、下記のとおりです。
・トタン屋根を修理する5つの方法
・各修理方法が向いているケース
・具体的な工事方法
・各修理方法の費用相場
・トタン屋根を一時的に修理する方法
トタン屋根の修理方法は劣化症状によって判断され、それぞれ費用が異なります。
自分で修理するのは応急処置にとどめ、必ず業者に依頼してください。
本記事を読めばトタン屋根の修理方法が理解でき、住宅に合った工事を業者に依頼できます。
もくじ
トタン屋根の修理方法1:塗装する

塗装による修理をおすすめするのは、トタン屋根の劣化症状が比較的軽い場合です。
具体的に向いているケースや方法、費用面についてくわしく解説します。
塗装が向いているケース
トタン屋根に下記の症状があれば、塗装による修理をおすすめします。
・色あせが目立つ
・触ると白い粉が付着する
・軽いサビがある
上記に挙げた症状は、トタン屋根を雨や紫外線などから保護する効果が落ちている証拠です。
特にトタンは金属製で錆びやすいため、塗装による保護が重要になります。
塗装方法
屋根塗装を行う際は安全確保や周囲への塗料飛散を防ぐために、足場や飛散防止ネットの設置が必須です。
足場や飛散防止ネットを設置した後に、高圧洗浄や破損部分の補修・交換などにより、トタン屋根を塗装しやすい表面に整えます。
次に塗装しない部分を養生し、仕上げ前の下塗りを行います。
最後に中塗りと上塗りの2回塗りで仕上げを行い、足場や飛散防止ネットを解体したら完成です。
費用相場
屋根を塗装で修理した場合にかかる費用相場は、下記のとおりです。
・20坪:15万円~40万円
・30坪:20万円~60万円
・40坪:25万円~80万円
・50坪:30万円~100万円
・60坪:40万円~130万円
使用する塗料の価格や立地条件などによっても、費用は変動します。
トタン屋根の修理方法2:重ね葺き工事を行う

重ね葺き工事(カバー工法)とは古い屋根の上から、新しい屋根材を被せる工法です。
古い屋根を撤去する必要がないため、工期や費用を抑えられます。
重ね葺き工事に向いているケースや、工事の方法、費用相場をくわしく解説します。
重ね葺き工事が向いているケース
重ね葺き工事に向いているケースは、下記のとおりです。
・サビが広範囲にある
・サビによって穴が複数あいている
・穴が大きい
広範囲のサビや広い穴など、塗装で修理できないケースは重ね葺き工事に向いています。
重ね葺き工事の方法
重ね葺き工事は塗装工事と同様に、足場の設置が必要です。
足場の設置後に、屋根についている棟板金(むねばんきん)や雪止めなどを解体します。
棟板金は、屋根のもっとも高い部分にある金属部材です。
古い屋根の上にルーフィング(防水シート)を設置した後に、ケラバ水切りや軒先唐草を設置します。
ケラバや軒先は、どちらも屋根の先端部分を指します。
見分け方は、屋根の先端部分が斜めになっていればケラバ、水平なら軒先です。
水切りと唐草は同じ役割を持つ板金部材で、屋根を雨水から守る効果があります。
ケラバ水切りや軒先唐草を設置した後に、金属屋根を張り付けます。
最後に棟板金の設置や継ぎ目部分を防水処理で仕上げた後に、足場を解体したら工事完了です。
費用相場
重ね葺き工事にかかる費用相場は、70万円~120万円です。
費用に関しては、新しい屋根材の種類や立地条件などによっても異なってきます。
トタン屋根の修理方法3:葺き替え工事を行う

葺き替え工事とは古い屋根を取り外した後に、新しい屋根を設置する工法です。
構造部分まで補修できたり、軽い屋根材にすれば耐震効果も高められたりするのがメリットです。
葺き替え工事に向いているケースや工事内容、費用についてくわしく解説します。
葺き替え工事が向いているケース
葺き替え工事に向いているケースは、下記のとおりです。
・サビが広範囲
・サビによってあいた穴が大きい
・以前に重ね葺き工事をしたことがある
・全体的に劣化が激しい
・長期間メンテナンスしていない
劣化が激しい場合や、過去に重ね葺き工事をした住宅は葺き替え工事の適応になります。
葺き替え工事の方法
葺き替え工事はまず足場を設置した後に、既存の屋根を撤去します。
屋根を撤去した後に行うのが、野地板の増し張りやルーフィング(防水シート)を敷く作業です。
野地板は、屋根材の固定や防水目的で設置する部材を指します。
増し張りは現在の野地板をそのまま残し、上から重ねて張り付ける工法です。
次に新しい屋根材を設置し、棟板金の取り付けを行います。
最後に足場を解体したら、工事完了です。
費用相場
葺き替え工事にかかる費用相場は、60万円~250万円となります。
屋根材の撤去費や処分費が発生するため、重ね葺き工事より費用相場は高額です。
葺き替え工事にかかる費用は、新しい屋根材の種類によっても金額が異なります。
また、古い屋根材にアスベストが含まれる場合は、特別な処理にかかる費用も必要です。
トタン屋根の修理方法4:部分補修を行う

修理したい箇所が一部のみであれば、部分補修で対処します。
部分補修が向いているケースや方法、かかる費用相場などを解説します。
部分補修が向いているケース
トタン屋根を部分補修で対処できるケースは、下記のとおりです。
・小さい穴が一部のみにある場合
・トタン屋根の部分的な剥がれ
部分補修で対処できるのは、トタン屋根の耐久性が十分に残っている場合に限られます。
部分補修の方法
部分補修は、補修する箇所や症状に合った方法の選択が重要です。
小さい穴であれば周辺のサビや古い塗料を除去した後に、シーリング材や防水テープで塞ぎます。
シーリング材は、隙間や穴などに充填して使用するペースト状の材料です。
トタン屋根が一部のみ剥がれている場合は、該当箇所のみ部分的に張り替えを行います。
費用相場
部分補修の費用相場は、3万円~10万円です。
注意点として部分補修にかかる費用は、屋根材の部分張り替えやシーリング補修など、行う内容によって異なります。
具体的な費用に関しては、工事内容と合わせて業者に確認するのをおすすめします。
トタン屋根の修理方法5:棟板金を交換する

トタン屋根だけではなく、棟板金にも不具合が起こるケースは多いです。
棟板金の交換が向いているケースや方法、費用相場をくわしく解説します。
棟板金の交換が向いているケース
棟板金の交換が必要になるのは、台風や強風などによって、棟板金の剥がれや変形を起こした場合です。
もともと棟板金は屋根の頂上部分にあるため、風で飛ばされやすい箇所です。
また、棟板金の内部にある下地材が腐食しているケースも多いため、合わせて交換します。
棟板金の交換方法
棟板金を交換する際は、最初に高所で作業しやすいように足場を設置します。
足場の設置後、最初に行うのは古い棟板金や下地材を撤去する作業です。
もし撤去作業中に屋根材の割れを発見したら、シーリング材で補修します。
新しい下地材と屋根材を取り付け、最後につなぎ目にシーリング処理を施したら完成です。
費用相場
棟板金の交換にかかる費用相場は、5万円~25万円となります。
使用する棟板金や下地材の種類、交換する長さなどによって費用は変動します。
トタン屋根を一時的に修理する方法

台風や強風で屋根材が剥がれた場合に、一時的に修理する方法は下記のとおりです。
・ブルーシートで覆う
・コーキング材を塗る
上記はあくまで応急処置であり、なるべく早く業者に工事を依頼してください。
それぞれの修理方法を解説しますので、参考になれば幸いです。
ブルーシートで覆う
屋根材の剥がれた箇所が広範囲であれば、ブルーシートで覆うと良いでしょう。
ブルーシートを敷いただけでは風で飛んでしまうため、土嚢(どのう)またはテープで固定します。
ブルーシート以外に、幅広の防水テープで覆う方法もあります。
コーキング材を塗る
破損している箇所が小さくて特定できる場合は、コーキング材を塗る方法もおすすめです。
コーキング材とはシーリング材と同様に、隙間や穴に充填して塞ぐ目的で使用する材料です。
具体的な補修方法は、まず破損している箇所の水や汚れを雑巾でふき取ります。
次にコーキングの接着力を上げる目的で、プライマーという液体を塗布します。
表面が乾燥した後に、コーキング材を塗布したら完了です。
トタン屋根は劣化症状によって修理する方法を決めよう

トタン屋根の修理方法を決める際は、劣化症状によって判断するのがおすすめです。
具体的な劣化症状としては、サビや塗装の色あせなどが挙げられます。
また、行う修理内容によって費用相場や工程、工期などが異なります。
判断に迷う場合は、業者に相談して最適な修理方法を提案してもらうと良いでしょう。