「外壁の塗装が浮いてきたけれど、そのままにしても大丈夫?」
「塗装の浮きを補修する方法があれば知りたい」
住宅の外壁に浮きを発見した際に、どのように対処すべきか迷われることはありませんか。
本記事では外壁塗装の浮きが発生する原因や補修方法、放置するリスクについて解説します。
具体的に解説する内容は、下記のとおりです。
・外壁塗装の浮きを補修すべき理由
・外壁塗装の浮きを補修する方法
・外壁塗装の浮きを補修する際にかかる費用
・外壁塗装の浮きが発生する原因
外壁塗装の浮きは保護機能が低下しているサインであり、放置すると建物自体を劣化させる原因になり得ます。
本記事を読めば外壁塗装の浮きが起こる原因を理解でき、状態に合わせた補修を依頼できるようになります。
もくじ
外壁塗装の浮きを放置せずに補修すべき理由

外壁塗装の浮きを放置せずに補修すべきなのは、下記が理由です。
・保護機能が低下する
・建物の構造が腐食する
・メンテナンス費用が高額になる
浮きの段階で適切なメンテナンスを行えば、さらなる劣化や費用負担を抑えられます。
保護機能が低下する
塗装に浮きが発生したままにすると、本来の保護機能が維持できなくなります。
浮きを放置すると、塗料の膜が破れやすくなるためです。
もし破れてしまうと紫外線や雨風から外壁を守れなくなり、雨水が浸入しやすくなります。
塗装の浮きをそのままにしていると、外壁を保護する機能が発揮できなくなります。
建物の構造が腐食する
建物の構造に悪影響を及ぼすリスクがあるのも、浮きを補修すべき理由です。
浮いている箇所から雨水が浸入すると、外壁材だけではなく建物の構造自体を傷めてしまいます。
特に木造の場合、湿気を吸収すると腐食が進みやすいため要注意です。
建物の構造が腐食してしまうと、安全性や耐久性にも影響を及ぼしかねません。
メンテナンス費用が高額になる
外壁の浮きを放置する期間が長くなると、メンテナンス費用も高額になります。
雨漏りや建物内部の腐食を起こしてしまうと、塗装では修理できなくなるためです。
大掛かりなメンテナンスになると、費用負担が増すだけではなく工事期間も長くなります。
外壁の浮きを早めにメンテナンスすることで、トータルでかかるコストを抑えられるでしょう。
外壁塗装の浮きを補修する方法

外壁塗装の浮きは、範囲によって補修方法が異なります。
一部に限定している場合と広範囲に及ぶ場合、それぞれの補修方法を解説します。
【浮きが一部の場合】浮いている箇所だけ塗装する
一部のみ浮きがある場合に用いられるのは、部分的に再塗装する方法です。
浮いている箇所に残った古い塗料の膜を除去した後で、再塗装を行います。
ただし、再塗装した箇所は、綺麗で目立ってしまうという問題点があります。
境目が分からないように、他の箇所と馴染むよう調整する作業も必要です。
【浮きが広範囲に及ぶ場合】外壁全体を塗装する
浮きが広範囲に及んでいれば、外壁全体の塗装を行います。
高圧洗浄や下地処理で古い塗料の膜を除去し、下塗り材を塗った上で中塗り、上塗りと塗り重ねます。
下地処理とは汚れや古い塗料の膜を除去したり、ひび割れを補修したりする作業です。
施工不良による浮きの場合も、外壁全体を塗装するケースが多いです。
外壁塗装の浮きを補修する際にかかる費用

外壁塗装の浮きを補修する際に、費用が気になる方は少なくありません。
部分的に補修する場合と外壁全体を補修する場合、それぞれの費用相場を紹介します。
浮いている箇所だけを補修する場合の費用
浮いている箇所だけを補修する場合、使用する塗料によって費用は異なります。
1平方メートルあたりにかかる費用相場は、下記のとおりです。
・シリコン塗料:1,800円~3,500円/平方メートル
・フッ素塗料:3,000円~5,000円/平方メートル
・無機塗料:3,500円~6,000円/平方メートル
上記の費用に加えて、下塗り塗料:600円〜1,000円/平方メートルが必要です。
また、使用する塗料以外にも、外壁の状態や立地条件などによって費用は変化します。
外壁全体を塗装する場合の費用
外壁全体を塗装する場合は、坪数で相場を判断するのが一般的です。
外壁塗装における、坪数別費用相場は下記のとおりです。
・20坪:約40万円~120万円
・30坪:約60万円~120万円
・40坪:約70万円~130万円
・50坪:約90万円~160万円
・60坪:約100万円~200万円
浮いている箇所のみ補修する場合と同じく、外壁の状態や立地条件でかかる費用は異なります。
具体的な費用を知りたい場合は、業者に確認すると良いでしょう。
外壁塗装の浮きが発生する8つの原因

外壁塗装の浮きが発生する原因は、多岐にわたります。
具体的な原因は、下記の8つです。
・塗装して10年以上経過している
・汚れの除去が不十分だった
・下地処理が丁寧でなかった
・下塗り作業が不十分だった
・塗料の希釈量を誤っていた
・乾燥時間が適切でなかった
・外壁材と塗料が合わない
・気候が適していなかった
8つの原因について、くわしく解説します。
前回の塗装から10年以上経過している
塗装して10年以上経過した外壁の浮きは、経年劣化による可能性が高いです。
参考として、各塗料の耐用年数は下記になります。
・シリコン塗料:7〜15年
・フッ素塗料:12〜20年
・無機塗料:18〜20年
使用した塗料によって変化しますが、塗装後10年以上経過していれば経年劣化を疑ってください。
汚れの除去が不十分であった
浮きが発生している場合、前回の塗装時に高圧洗浄で汚れを落としきれていない可能性もあります。
外壁の汚れによって塗料がうまく密着せず、浮いてしまうためです。
外壁に汚れが残っていると、塗装面の浮きや剥がれといった不具合を起こしてしまいます。
下地処理が丁寧でなかった
外壁塗装の浮きを予防するために、下地処理は重要な工程です。
下地処理では高圧洗浄で落としきれない汚れやサビなどを落としたり、ひび割れの補修を行ったりします。
下地処理を丁寧に行わないと塗料が密着せず、浮きを発生させる原因になります。
下塗り作業が不十分であった
不十分な下塗り作業も、浮きを発生させる原因の1つです。
下塗りを行う理由は、表面を滑らかに整え、塗料が外壁に吸い込まれるのを防ぐためです。
下塗りが不十分のまま塗装してしまうと、外壁とうまく密着せず浮いてしまいます。
塗料の希釈量を誤っていた
塗料を使用する際は、希釈量を守ることが大切です。
希釈しすぎるとムラになったり塗料の厚みが付かなかったりして、浮きを起こしやすくなります。
中にはわざと塗料を水増しして安く済まそうとする悪徳業者も存在するため、注意しましょう。
乾燥時間が適切でなかった
塗料には規定の乾燥時間があり、守らないと浮きや色ムラなどの原因になります。
塗料は水や溶剤を混ぜて使用し、水分が蒸発することで密着します。
浮きを起こさないためには水や溶剤が十分に蒸発するまで待ってから、次の塗料を塗らなくてはなりません。
また、高圧洗浄後に乾燥させないまま塗装すると、内部の水分が蒸発して浮きを起こす場合もあります。
外壁材と塗料が合っていなかった
外壁材と塗料が合っていないと、塗料の膜が剥がれたり浮いたりします。
材質によっては塗装の仕上がりに影響を及ぼしたり、使用できない塗料があったりするためです。
特に金属や特殊な外壁材を使用している場合、塗料との相性には要注意です。
塗装に適した気候ではなかった
塗装に適した気候でないと、塗装の浮きを起こしやすくなります。
塗装に適さない気候は、下記の条件です。
・気温:5度未満
・湿度:85%以上
上記条件で塗装すると、塗料の膜がうまく乾燥しなかったり、浮きやひび割れを起こしたりします。
塗装してから数年後に浮きが発生した場合は施工不良の可能性あり

通常の外壁塗装では、経年劣化によって浮きが発生します。
しかし、塗装してから数年程度の浅い年数で浮きが発生した場合、施工不良を疑ってください。
施工不良による浮きが考えられる場合、業者に連絡して確認してもらった上で再塗装するのをおすすめします。
中にはわざと手抜き作業をする悪質業者もおり、連絡しても対応してくれないケースもあります。
業者が対応してくれない場合、消費者センターや住まいダイヤルに相談すると良いでしょう。
消費者センターは、商品やサービスにトラブルがあった場合に相談できる窓口です。
住まいるダイヤルは、国土交通省によって運営されている住宅専門の相談窓口になります。
施工不良が考えられる場合はまず業者に相談し、困ったら消費者センターや住まいダイヤルに相談しましょう。
外壁塗装の浮きを見つけたら塗装業者に相談しよう

外壁塗装の浮きは、経年劣化や施工不良によって発生します。
塗料の膜による保護機能が失われているサインで、放置すると建物内部まで劣化してしまいます。
塗装を行う職人の知識や技術が不足していることで、浮きや剥がれなど不具合を起こすケースも少なくありません。
浮きを発見したら、外壁や塗料の知識や施工経験が豊富な業者に相談するのをおすすめします。