外壁塗装は、塗装面積によって費用が異なります。
予算を立てるために塗装面積を知りたくても、計算が面倒と思われる方は多いです。
本記事では外壁の塗装面積を計算する方法について、難易度別に解説します。
具体的に解説するのは、下記の内容です。
・延べ床面積から計算する方法
・外周から計算する方法
・図面から計算する方法
・坪数別の塗装面積
・同じ坪数でも塗装面積が違う理由
自分で塗装面積を計算しておくと、見積もりが適正か判断しやすくなります。
正確な塗装面積を計算するのは難易度も高いため、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
本記事を読めば塗装面積の計算方法を理解でき、予算や見積もりが適切か判断しやすくなります。
もくじ
【外壁の塗装面積を計算する方法①】延べ床面積から求める【難易度★】

延べ床面積をもとに、塗装面積を計算するのがもっとも簡単な方法です。
今回は30坪の住宅において、延べ床面積から塗装面積を計算する方法を解説します。
1.延床面積を求める
延床面積とは、建物各階の面積を合計したものです。
住宅の延床面積を求めるには、延べ床面積に3.3平方メートルをかけます。
例として延べ床面積が30坪の場合、延床面積は30坪×3.3平方メートル=99平方メートルです。
2.外壁の塗装面積を求める
一般的に延床面積を1.2倍したものが、外壁の面積とされています。
住宅の延べ床面積が30坪であれば、延床面積は99平方メートルです。
塗装面積は、延床面積99平方メートル×1.2=118.8平方メートルという計算になります。
延べ床面積から計算する方法は簡単ですが、あくまで目安程度に考えておくのをおすすめします。
【外壁の塗装面積を計算する方法②】外周から求める【難易度★★】

実際に住宅の外周を計測した上で、塗装面積を計算することも可能です。
外周が40メートルかつ2階建ての住宅を例に、くわしい計算方法について解説します。
1.外周を測る
メジャーやアプリなどを使用して、外周を測定します。
アプリで測定すると簡単ですが、より正確なのはメジャーを使う方法です。
メジャーは、なるべく長めのものを使用すると便利です。
住宅の外周に凸凹がある場合は、沿うように測定します。
2.外壁の塗装面積を求める
外壁の塗装面積は、外周×高さ×0.85で求められます。
0.85をかける理由は、窓やドアなど塗装が不要な部分の面積を引くためです。
高さは、2階建ての場合は6~6.25メートル、3階建ては9~9.5メートルが平均です。
外周が40メートルで2階建ての場合、40×6~6.25×0.85=204〜212.5平方メートルとなります。
外周を測る手間はかかりますが、延べ床面積から求めるよりは正確な数値を出しやすいです。
【外壁の塗装面積を計算する方法③】図面から求める【難易度★★★】

図面から求めるのは、自分で計算する方法でもっとも正確性が高いです。
しかし計算方法が難しく手間もかかるため、面倒に思う方もいるかもしれません。
具体例をもとに、図面から求める方法をくわしく解説します。
1.各階の外壁面積を求める
まず図面を使用し、各階の外周と高さを測定します。
各階の外周と高さが分かったら、外周×高さで外壁面積を求めます。
階ごとで計算した外壁面積を合計したのが、住宅全体の外壁面積です。
今回例として、以下のケースで外壁面積を計算します。
・1階の外周40メートル×高さ3.25メートル
・2階の外周43メートル×高さ3メートル
外壁面積は1階が130平方メートル、2階は129平方メートルとなり、住宅全体の外壁面積は259平方メートルとなります。
注意点として外壁面積を計算する際に、ベランダやバルコニーの外壁は含めずに計算してください。
2.塗装しない箇所の面積を求める
正確に塗装面積を計算するには、ドアや窓など塗装しない箇所の面積も必要です。
4面ある図面をすべて確認し、それぞれ塗装しない箇所の面積を求めます。
今回は、以下の場合を例として計算します。
・幅2メートル×高さ2メートルの窓が4つ
・幅2メートル×高さ1メートルの窓が6つ
・幅1.2メートル×高さ2.5メートルの玄関ドアが1つ
・幅1メートル×高さ2メートルの勝手口が2つ
箇所ごとに面積を算出した数値は、以下のとおりです。
・2メートル×2メートル×4=16平方メートル
・2メートル×1メートル×6=12平方メートル
・1.2メートル×2.5メートル×1=3平方メートル
・1メートル×2メートル×2=4平方メートル
上記を足した住宅全体の塗装しない面積は、35平方メートルになります。
3.外壁面積から塗装しない面積を差し引く
住宅全体の外壁面積から、塗装しない面積を差し引きます。
今回のケースでは、259平方メートル-35平方メートル=224平方メートルです。
4.ベランダやバルコニーの面積を求める
図面から、ベランダやバルコニーの面積を求めます。
ベランダやバルコニーは、表だけでなく裏面も塗装するため計算に注意が必要です。
今回は例として、ベランダの外周が8メートル×高さ1.3メートル×2(表と裏)の場合で計算します。
ベランダの面積は、8メートル×高さ1.3メートル×2=20.8平方メートルとなります。
5.外壁面積にベランダやバルコニーの面積を足す
3で算出した面積にベランダやバルコニーの面積を足した値が、外壁の塗装面積です。
今回の場合は、224平方メートル+20.8平方メートル=244.8平方メートルとなります。
図面を用いる方法は知識や手間を必要としますが、より正確に計算したい方におすすめします。
【坪数別】外壁の塗装面積

わざわざ塗装面積を計算するのは大変と感じる方は、坪数別の目安を参考にすると良いでしょう。
坪数別の外壁塗装面積は、下記になります。
・20坪:約79.2平方メートル
・30坪:約118.8平方メートル
・40坪:約158.4平方メートル
・50坪:約198.0平方メートル
・60坪:約237.6平方メートル
おおよその塗装面積が分かれば良いという方は、上記目安を参考にしてみてください。
同じ坪数の住宅でも外壁の塗装面積が異なる理由

実際に計算してみると、同じ坪数でも外壁の塗装面積は異なる場合があります。
塗装面積にばらつきがある理由は、下記のとおりです。
・家の形状が凸凹している
・ベランダやバルコニーが大きい
・開口部が多い
・レンガやタイルを使っている
それぞれの理由を、くわしく解説します。
家の形状が凸凹している
形状が凸凹している住宅は、同じ坪数でも外壁の塗装面積は増える傾向にあります。
シンプルな形の住宅より外周が長くなり、塗装面積も増えるためです。
具体的には「コ」の字をしていたり、特殊な形状をしていたりする住宅などが挙げられます。
同じ坪数であっても、住宅の形状によって塗装面積は変わってきます。
ベランダやバルコニーが大きい
ベランダやバルコニーの大きさによっても、塗装面積は異なってきます。
住宅によって差が大きい箇所であり、坪数だけで判断するのが困難なためです。
また、ベランダやバルコニーは表裏どちらも塗装する必要があるため、外壁の塗装面積に及ぼす影響は大きくなります。
ベランダやバルコニーが大きい場合、外壁の塗装面積は広くなると考えておきましょう。
開口部が多い
窓やドアなど開口部も、外壁の塗装面積に影響します。
開口部は、外壁の塗装面積に含まれないためです。
具体的な例としては、広い窓の多い住宅や、ドアや勝手口が複数ある住宅などです。
開口部の多い住宅は、坪数が同じ住宅より塗装面積は少なくなります。
レンガやタイルを使っている箇所がある
レンガやタイルを使っている住宅は、外壁の塗装面積が少なくなります。
基本的にレンガやタイルのある箇所は、塗装が必要ないためです。
玄関周りや外壁の一部などに、レンガやタイルを使っている住宅は多いです。
外壁の塗装面積を計算する際は、レンガやタイルを使っているかもチェックしましょう。
見積書が本当に正しいか見極めるためにも、外壁の塗装面積は自分でも計算しておこう

外壁の塗装面積が計算できると、見積書が本当に正しいか判断しやすくなります。
外壁の塗装面積は、延べ床面積や外周、図面から計算が可能です。
また、おおよその塗装面積であれば、計算しなくても坪数から確認できます。
計算した面積をもとに見積書を確認すれば、依頼した業者が信頼できるかも見極めやすくなります。