「定期的な塗装工事は、本当に必要？」
「塗装工事では、どのような作業を行うのか知りたい」
塗装工事を定期的に行う理由は何か、疑問に思われることはありませんか。
本記事では定期的な塗装工事が必要な箇所や理由、戸建てにおける塗装の作業手順を解説します。
具体的に紹介するのは、下記の内容です。

・塗装工事が定期的に必要な理由
・戸建てで塗装工事が必要な箇所
・塗装工事を行うタイミング
・戸建ての塗装工事における費用相場
・戸建ての外壁塗装工事で行う作業

定期的な塗装には住宅の劣化予防や補修、美しい外観を保つ効果があります。
本記事を読めば塗装工事の必要性や手順が理解でき、適切なタイミングで業者に依頼できます。

塗装工事が定期的に必要な理由

塗装工事が定期的に必要な理由は、以下の2点です。

・外部環境から住宅を守るため
・外観の美しさを維持するため

定期的な塗装が必要な理由や効果について、くわしく解説します。

外部環境から住宅を守るため

定期的な塗装工事は、外部環境から住宅を守る目的があります。
紫外線や雨、風、排気ガスなどにより、塗料の膜は徐々に劣化するためです。
塗料の膜は劣化すると保護機能を発揮できず、住宅を傷める原因になります。
保護機能を持続させるには、塗料の耐用年数や劣化症状に応じた定期的な再塗装を行わなくてはなりません。

外観の美しさを維持するため

外観の美しさを維持する意味でも、定期的な塗装工事は必要です。
塗装の効果は永久に持続しないため、経年により外観の色褪せや汚れが目立つようになります。
また、塗装工事を行えば、建て替えせずに外観のイメージを変えることも可能です。
定期的な塗装工事によって、古びてしまった住宅の美観を取り戻せます。

戸建てで塗装工事が必要な箇所

戸建てにおける、塗装工事が必要な箇所は下記のとおりです。

・外壁
・屋根
・付帯部

各箇所に塗装工事が必要な理由をくわしく解説します。

外壁

外壁の塗装工事には、耐久性や美観を保つ目的があります。
外部環境からの影響を受けやすい箇所であり、経年劣化が避けられないためです。
劣化の初期段階で塗装による補修ができれば、雨漏りや建物内部の腐食といったトラブルを未然に防げます。
また、外壁は外観への影響が大きい箇所であり、建物全体の印象を良くする意味でも塗装は必要です。
外壁の塗装工事には、建物を長持ちさせ美観を維持する目的があります。

屋根

建物を保護し快適な暮らしを維持するためにも、屋根の定期的な塗装は必要です。
屋根は最も紫外線や雨風の影響を受けやすく、劣化も分かりにくい箇所です。
劣化症状によって雨漏りが発生すると建物全体が傷むだけではなく、生活上の支障も大きくなります。
屋根材を紫外線や雨風などから保護し、不具合を防ぐ目的で定期的な塗装が必要です。

付帯部

外壁や屋根以外の付帯部も、定期的な塗装による保護と補修が必要です。
主な付帯部は、下記になります。

・雨戸
・雨樋(あまどい)
・軒天(のきてん)
・シャッターボックス
・破風板(はふいた)
・ベランダ
・玄関ドア　など

雨樋とは雨水や溶けた雪を排水する目的で、屋根の外側に設置される設備です。
軒天は、外壁から飛び出した屋根の天井部分を指します。
破風板とは、屋根の先端部分に設置される板のことです。
付帯部が劣化した状態を放置すると、建物の耐久性や機能性に悪影響を及ぼします。
定期的な塗装によるメンテナンスを行えば、付帯部が長持ちしやすくなります。

戸建ての塗装工事を行うタイミングの目安

戸建ての塗装工事は、どのタイミングで行えば良いか迷われることはありませんか。
塗装工事が必要になる時期の、目安について解説します。

目安は10年

戸建ての場合、外壁と屋根どちらも10年を目安に塗装工事を行います。
付帯部に関しては、外壁や屋根と同じタイミングで塗装するケースが多いです。
住宅によっては、塗装不要な外壁材や屋根材を使用していたり、早急に工事すべき状況であったりする場合もあります。
正確な塗装工事のタイミングを知りたい場合は、業者に確認してもらうようにしましょう。

使用塗料によっても異なる

使用している塗料によっても、塗装工事のタイミングは変化します。
外壁塗装における塗料別耐用年数は、下記のとおりです。

・シリコン塗料：7〜15年
・フッ素塗料：12〜20年
・無機塗料：18〜20年

屋根塗装の耐用年数は、外壁塗装より短くなります。
注意点として塗料の耐用年数は、立地条件によって変化するものです。
住宅に気になる点があれば、耐用年数に関わらず業者に相談するのをおすすめします。

戸建ての塗装工事にかかる費用相場

塗装工事を行う際に、気になるのが費用面です。
外壁や屋根、付帯部の塗装工事にかかる費用相場について解説します。
相場を知っておくと、見積もりが適正か判断しやすくなるため、ぜひ参考にしてください。

外壁

外壁を塗装工事する際にかかる費用相場は、下記のとおりです。

・30坪：約60万円～120万円
・40坪：約70万円～130万円
・50坪：約90万円～160万円

塗装工事にかかる費用は、使用する塗料や施工方法などによっても異なります。

屋根

戸建ての屋根を塗装工事する場合、費用相場は下記になります。

・30坪：20万円～60万円
・40坪：25万円～80万円
・50坪：30万円～100万円

上記は屋根の塗装工事にかかる費用であり、外壁は含まれません。

付帯部

付帯部にはさまざまな種類がありますが、代表的なのは雨樋、雨戸、ベランダの3箇所です。
雨樋、雨戸、ベランダを塗装工事する際に、かかる費用相場は下記のとおりです。

・雨樋：500円～1,500円／メートル
・雨戸：2,000円～4,000円／1枚
・ベランダ：3,000円～13,000円／平方メートル

付帯部の大きさや施工方法などによっても、費用は変動します。

【外壁塗装の場合】戸建ての塗装工事で行う作業

戸建ての塗装工事は、下記の手順で作業が行われます。

1.足場を設置する
2.養生する
3.高圧洗浄で汚れを落とす
4.下地を補修する
5.下塗りする
6. 中塗りする
7.上塗りする
8.足場を解体する

各手順について、くわしく解説します。

1.足場を設置する

塗装工事で最初に行う作業は、足場の設置です。
足場は、高所での作業を安全かつスムーズに行う目的で設置します。
足場の設置は、戸建ての塗装工事を美しく丁寧に行うには必須の作業です。

2.養生する

足場を設置した後は、飛散防止ネットやメッシュシートなどを用いて養生します。
水や塗料が飛散し、作業しない箇所が汚れるのを防ぐためです。
養生には、近隣の住宅に水や塗料が飛散しないよう、配慮する目的もあります。

3.高圧洗浄で汚れを落とす

塗装を行う前には、特殊な機械を用いた高圧洗浄が必要です。
汚れや古い塗料などを落とすことで、塗装の密着性を高め仕上がりも美しくなります。
もし高圧洗浄のみで落とせない重度の汚れがある場合は、バイオ洗浄を行います。
バイオ洗浄とは薬剤を用いた洗浄方法であり、特にカビやコケ、藻への効果が高いです。
塗装前は、汚れの状態に応じた方法による高圧洗浄を行います。

4.下地を補修する

ケレンや補修などにより、下地を塗装しやすいように整えます。
ケレンとは高圧洗浄で落としきれないサビや汚れ、古い塗膜を落とす作業です。
凸凹や汚れなどが残ったまま塗装すると、塗料の膜が浮いたり剥がれたりといった不具合の原因になります。
下地を補修すると塗料が密着しやすくなり、美しく長持ちする仕上がりにできます。

5.下塗りする

下塗りには中塗りや上塗りと下地を密着させ、塗料の吸い込みを防ぐ役割があります。
使用する下塗り材は、シーラーやプライマー、フィラーなどです。
下塗り材は外壁材の種類や劣化状況によって、使い分けられています。
塗料の吸い込みはムラや剥がれの原因になるため、下塗りでの予防が必要です。

6. 中塗りする

下塗りの後は、中塗りで塗装表面をなめらかに整えます。
中塗りには上塗りに適した下地作りと、塗料の膜に厚みを付ける目的があります。
塗料の膜に厚みを付ける理由は、塗装による保護機能を十分に発揮させるためです。
上塗りの前に中塗りを行うと厚みの確保ができ、建物を保護する効果も期待できます。

7.上塗りする

最後に上塗りを行い、見た目を美しく整えます。
上塗りは、塗装した部分の色や質感などを決める重要な工程です。
一般的には上塗りと中塗りは同じ色を使用し、塗りムラを防ぎます。

8.足場を解体する

すべての作業が終了したら点検し、問題なければ足場を解体し終了です。
塗装した箇所に傷や汚れを付けないよう、片付けや掃除は慎重に行います。

大切な住宅を守るためにも、外壁や屋根の塗装はタイミングが来たら必ず行おう

外壁や屋根の塗装工事は、建物の保護や美観を保つために行われます。
塗装の効果は永久に持続しないため、劣化したタイミングでの塗り直しが必要です。
使用した塗料や立地条件などによって、塗装が必要なタイミングは異なります。
大切な住宅を守るためにも、外壁や屋根に気になる様子があれば業者に相談し、適切なタイミングで塗装するのをおすすめします。