スレート屋根はセメントを薄く加工して作られる、軽量で耐久性の高い屋根材です。
機能性の高さとデザイン性を兼ね備えていることから、多くの住宅で用いられています。
設置したスレート屋根を、美しく長持ちさせたいとお考えではありませんか。
本記事では、スレート屋根の寿命や長持ちさせる方法、劣化のサインなどについて解説します。
具体的にご紹介するのは、下記の内容です。
・スレート屋根の寿命
・外部からの影響によるスレート屋根の注意点
・スレート屋根をメンテナンスすべき劣化のサイン
・スレート屋根を寿命まで長持ちさせる方法
・スレート屋根の寿命を過ぎた後の対応
スレート屋根は風や紫外線などにより劣化しやすく、本来の寿命よりもたないことが多々あります。
なるべく寿命までスレート屋根を長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
本記事を読めばスレート屋根の劣化サインが理解でき、適切なタイミングでメンテナンスを依頼できるでしょう。
もくじ
スレート屋根の寿命
一般的なスレート屋根の寿命は、15〜40年とされています。
寿命の年数に幅があるのは、スレート屋根が製造された年代によっても変化するためです。
何よりスレート屋根の寿命に影響するのは、住宅のメンテナンス状況です。
劣化をメンテナンスしないまま放置すると雨漏りの原因になり、屋根を含む建物全体の寿命も短くなってしまいます。
スレート屋根の寿命を長く保つには、メンテナンスが非常に重要です。
スレート屋根は外部からの影響を受けやすいので注意
前述した通りスレート屋根の寿命は15〜40年とされていますが、外部からの影響を考慮する必要はあります。
スレート屋根はほかの屋根材より、外部からの影響を受けやすいためです。
外部から受ける影響として代表的なのは、風や紫外線です。
具体的には、強風や台風で飛来物によって屋根が割れたり、紫外線で劣化してひび割れしやすかったりします。
外部からの影響に対して正しくメンテナンスできなければ、寿命までもたない可能性が高くなります。
これからスレート屋根を使って住宅を建てたい場合は、外部からの影響を受けやすい点について理解した上で、選択してください。
寿命前でもスレート屋根をメンテナンスすべき劣化のサイン
スレート屋根の劣化状況によっては、寿命を迎える前にメンテナンスした方が良い場合もあります。
下記に挙げた劣化のサインがある場合、早期のメンテナンスが必要です。
・ひび割れしている
・欠けている箇所がある
・反っている箇所がある
・色褪せが目立つ
・コケや藻が広範囲で発生している
それぞれの劣化症状について、順に解説します。
ひび割れしている
ひび割れを放置すると雨水の浸入のリスクが高まるため、補修を必要とします。
薄くて軽い特徴をもつスレート屋根は、ひび割れを起こしやすい屋根材です。
スレート屋根は雨天時に膨張し、晴天で乾燥することを繰り返しています。
乾燥と膨張を繰り返すことで釘で固定されている部分が歪み、ひび割れを生じるのです。
ひび割れはだんだん広がってしまうため、早めにメンテナンスしましょう。
欠けている箇所がある
ひび割れと同様に、欠けている箇所を放置することで雨漏りの原因になります。
スレート屋根のひび割れは放置するとどんどん広がってしまい、いずれ欠けてしまいます。
欠けた部分から雨水が浸入することは、建物全体の急速な劣化をまねく原因です。
また、欠けた屋根の破片が、周辺の建物や人物に当たってしまうと非常に危険です。
屋根の欠けは建物を劣化させるだけではなく、事故の原因にもなり得ます。
反っている箇所がある
反っている箇所のある場合、スレート屋根がもろくなっているサインです。
天候の影響で膨張と乾燥を繰り返すことで劣化し、反りを発生させます。
反りを起こしたスレート屋根は、浮きやすき間が目立つようになります。
一度反ってしまったスレート屋根は元に戻らないため、交換になる場合が多いです。
色褪せが目立つ
屋根表面の色褪せが目立つ時点で、さらに劣化しないためのメンテナンスを行いましょう。
塗装面の劣化により、屋根材が水を吸収しやすい状態になっているためです。
スレート屋根が水分を吸収することは、雨漏りやひび割れなどの原因になります。
また、屋根の色褪せは見た目の美しさも損ねるものです。
色褪せへの対処を早期に行えば、スレート屋根自体が劣化してしまうのを防げます。
コケや藻が広範囲で発生している
コケや藻が広範囲で発生している場合、防水機能の低下を起こしている可能性が高いです。
屋根の防水性が落ちていると、コケや藻が繁殖しやすい環境になってしまいます。
また、コケや藻によってスレート屋根が常に湿った状態となるため、さらなる劣化の原因にもなります。
とくに日陰になる部分はコケや藻が発生しやすいため、注意して観察し早めに対処しましょう。
スレート屋根を寿命まで長持ちさせる方法
スレート屋根を寿命まで長持ちさせるには、定期的な塗装や点検が大切になります。
点検によって劣化を早期に発見でき、適切なメンテナンスを行えるためです。
また、定期的な塗装により屋根材を保護し、劣化を防ぐ効果も期待できます。
具体的な点検時期や塗装にかかる費用面もご紹介しますので、参考になれば幸いです。
前回の塗装から10~15年ほどで点検してもらう
スレート屋根を塗装して10~15年ほどで、業者に点検してもらうのをおすすめします。
また、立地や住環境などによっては、10~15年を待たずに塗装が劣化してしまう可能性もあります。
心配であれば10~15年より早めのスパンで点検してもらうと、より安心できるでしょう。
屋根塗装を施す
屋根塗装を施すことで、スレート屋根を劣化から守り美観も維持できます。
塗料の膜はさまざまな原因で劣化するものであり、定期的に塗装し直すことで屋根材を保護したり防水性を高めたりできるためです。
屋根塗装における、坪数別の費用相場は下記になります。
・30坪:20万円~60万円
・40坪:25万円~80万円
・50坪:30万円~100万円
屋根は定期的に塗装でのメンテナンスを行わないと外観を損ねるほか、内部に雨水が浸入しやすくなります。
ひとたび雨漏りしてしまうと住宅の劣化が急激に進行するため、塗装による予防が非常に大切です。
スレート屋根の寿命を過ぎている場合のメンテナンス方法
もしお住まいのスレート屋根が寿命を過ぎている場合、塗装での補修は困難です。
寿命を超えている場合は、重ね葺きや葺き替え工事でメンテナンスを行います。
ここでは重ね葺き・葺き替え工事それぞれの工事内容や、かかる費用相場について解説します。
重ね葺き工事(カバー工事)
重ね葺き工事(カバー工事)は、古くなった屋根の上に、新しい屋根材を重ねて設置する工事です。
費用相場は60万円〜240万円であり、葺き替え工事よりコストが安く工期も短めです。
しかし古い屋根の損傷や劣化はそのまま残るため、耐久性に問題が出る可能性はあります。
また、屋根の重さによって、地震時に倒壊のリスクが高くなる点もデメリットです。
スレート屋根の状態によっては、重ね葺き工事が向かない場合もあります。
葺き替え工事
葺き替え工事は古い屋根を完全に除去し、新しい屋根材に置き換える工事です。
古い屋根の撤去作業が発生し、費用は70万円〜250万円となります。
屋根下地を含む構造上の問題点を発見しやすく、より長持ちする屋根にできるメリットがあります。
屋根の撤去と交換は大掛かりな工事になるため、生活への影響は大きくなりやすいです。
重ね葺き工事と葺き替え工事どちらを選ぶかは、業者と相談して決めるのをおすすめします。
スレート屋根が劣化していたら寿命前でもメンテナンスしよう
スレート屋根の寿命は、15〜40年というのが一般的です。
ただし天候や紫外線などの外的な影響によって劣化しやすいため、メンテナンス次第で寿命は大きく変化します。
もしスレート屋根のひび割れや色褪せなど劣化症状を発見したら、早急に対処することが大切です。
なるべく寿命まで屋根を長持ちさせたいなら、業者による定期的な点検とメンテナンスを行いましょう。