「シーラーって何?」
「外壁塗装でシーラーは必要?」
「シーラーの効果や役割について知りたい」
このように、シーラーについて気になっている方は多いでしょう。
本記事では、外壁塗装や屋根塗装で使用されるシーラーについて、以下のように様々な角度から解説します。
・シーラーとは
・プライマーやフィラーとの違い
・シーラーが持つ5つの機能
・シーラーが必要な理由
・シーラーの種類
・シーラーの費用相場
・シーラーの塗装方法
・シーラーを使う際の注意点
本記事を読むことでシーラーについて理解が深まり、塗装依頼時に役立つでしょう。
もくじ
シーラーとは
シーラーとは、外壁や屋根の塗装に使用される下塗り用の塗料です。
モルタルや石膏ボード、コンクリートなど様々な種類の外壁に使用可能です。
シーラーには、上から塗る塗料の吸収を防いだり、塗料と塗装面の密着性を高めたりする役割があります。
外壁塗装は、基本的に下塗り、中塗り、上塗りの3回に分けて塗布していきます。
最初にシーラーを塗らずに上から塗料を塗っても、早い段階で剥がれてきてしまうのです。
これでは綺麗な塗装を長く保つことは難しいでしょう。
外壁塗装を長持ちさせるためにも、シーラーの塗布は欠かせないステップになります。
プライマーやフィラーとの違い
本章では、シーラーと、プライマーやフィラーとの違いについて解説します。
これらはいずれも下地処理の際に使用する塗料です。
シーラーとプライマーには明確な区別はなく、機能面でも似た部分が多くあります。
シーラーやプライマーは、金属系サイディングの塗装時などに使用します。
一方、フィラーは劣化した外壁などに使用するものです。
フィラーには、壁に発生したひび割れを埋めたり凹凸をなくしたりする機能があります。
シーラーやプライマー、フィラーを下塗り塗料として使用することで、塗料の密着性を高めることが可能です。
シーラーが持つ5つの機能
本章では、シーラーが持つ5つの機能について解説します。
・塗装面と塗料を密着しやすくする
・下地を補強する
・塗料が下地に吸収されるのを防ぐ
・ヤニやアクの発生を抑える
・塗料を鮮やかに発色させる
それぞれについて、以下で詳しく説明します。
塗装面と塗料を密着しやすくする
シーラーには、塗装面と塗料を密着しやすくする機能があります。
塗装面と塗料が密着していない場合、塗料の膜の剥がれなどが起き、劣化の原因になります。
中塗り塗料や上塗り塗料に密着性はありませんが、シーラーが接着剤のような役割を果たすのです。
そのため、シーラーを使用することで下地と塗料をつなげられます。
下地を補強する
シーラーには、下地を補強する機能があります。
シーラーは下地や塗装面に浸透して行き、下地を強化するのです。
シーラーを使用し、劣化した箇所を補強した上で中塗りや上塗りをすることで、塗装の仕上がりや持ちが良くなります。
塗料が下地に吸収されるのを防ぐ
シーラーには、塗料が下地に吸収されるのを防ぐ機能があります。
シーラーを塗らずに中塗り塗料や上塗り塗料を塗ると、塗装面が塗料を吸収してしまいます。
シーラーを最初に塗ることで、中塗り塗料や上塗り塗料が過度に下地に吸収されるのを防げるのです。
ヤニやアクの発生を抑える
シーラーには、ヤニやアクの発生を抑える機能があります。
ヤニは樹脂のことで、気温が上がると液体となり、木材の表面に染み出てきます。
アクとは、塗装後しばらくしてからできるシミです。
シーラーを塗ることでヤニやアクの発生を抑え、綺麗な外壁を保てるでしょう。
塗料を鮮やかに発色させる
シーラーには、塗料を鮮やかに発色させる機能があります。
シーラーは、もともと外壁に塗られていた色をしっかりと隠してくれます。
そのため、上から新たに塗装した塗料の発色が良くなるのです。
シーラーが必要な理由
本章では、シーラーが必要な理由について解説します。
シーラーを塗らないと、塗りムラや剥がれが起こりやすくなり、耐久性も低くなってしまいます。
工事費用を安く抑えるためにシーラーの工程を省くと、塗装が長持ちせず、すぐに塗り直しが必要になってしまうでしょう。
これでは逆にコストがかかってしまうため、シーラーを塗る工程は外せません。
シーラーの種類
本章では、シーラーの種類について解説します。
シーラーには、水性シーラーや油性シーラーなどの種類があります。
それぞれについて、以下で詳しく解説します。
水性シーラー
水性シーラーは主として水で構成されており、劣化の少ない下地への使用に適しています。
臭いが少なく、取り扱いやすい点も特徴です。
しかし、一般的に水性シーラーは後述の油性シーラーに比べて耐久性が低いため、雨や風にさらされるような場所には向きません。
油性シーラー
油性シーラーには有機溶剤が用いられており、塗装後に塗料に含まれる溶剤が気化することで塗料の膜が形成されます。
油性シーラーは耐久性や防水性に優れ、乾燥時間が短い点もポイントです。
また、補強効果にも優れているため、劣化の激しい箇所の塗装にも向いています。
その他
水性シーラーや油性シーラーの他には、以下のようなシーラーがあります。
・ヤニ止めシーラー
:木製の壁から発生するヤニやシミなどを抑えるシーラーです。
・カチオンシーラー
:密着性や浸透性が高く、モルタルやコンクリート壁、スレート板など適用範囲が広いシーラーです。
・コンクリート強化シーラー
:コンクリート壁やモルタルの表面を強化するシーラーで、耐久性に優れています。
外壁や屋根の劣化状況や目的に合わせて選んでみてください。
シーラーの費用相場
シーラーの1平方メートルあたりの費用相場は600円~1,000円です。
しかし、上記の費用は塗料のランクや塗装面積によって変動します。
費用相場はあくまでも目安として把握しておきましょう。
外壁塗装において、下塗りは欠かせない工程です。
外壁塗装全体の費用を試算する際には、シーラーの費用相場もぜひ参考にしてみてください。
シーラーの塗装方法
本章では、シーラーの塗装方法について解説します。
シーラーの塗装方法には、主にローラー工法や吹き付け工法があります。
それぞれについて、以下で詳しく説明します。
ローラー工法
ローラー工法とは、ローラーを使用し手作業で塗る工法です。
細かい部分にはハケも使用します。
技術が必要になるため、熟練した技術を持つ職人に依頼できれば高品質な仕上がりが期待できるでしょう。
吹き付け工法
吹き付け工法とは「スプレーガン」という塗料を噴射する機械を使用する方法です。
塗料を吹き付けて塗装するため、作業が速く進みます。
しかし、塗装時に塗料が周囲に飛び散りやすいため、無駄になってしまいやすいです。
そのため、周囲への飛び散りを見越して、少し多めに塗料を用意する場合もあります。
シーラーを使う際の注意点
本章では、シーラーを使う際の注意点を3つ紹介します。
・塗装する素材に適したシーラーを選ぶ
・塗装後の乾燥時間を省略しない
・自分でDIYしない
それぞれについて、以下で詳しく解説します。
塗装する素材に適したシーラーを選ぶ
シーラーを使う際には、塗装する素材に適したシーラーを選びましょう。
塗装する素材によって合うシーラーは異なります。
とはいえ、業者への依頼時には中塗り塗料や上塗り塗料を選べば、それらに合ったシーラーを業者が提案してくれるはずです。
塗料メーカーのサイトでも、各塗料に合うシーラーを紹介しています。
ぜひ参考にしてみてください。
塗装後の乾燥時間を省略しない
シーラーを使う際には、塗装後の乾燥時間を省略しないことも気を付けたいポイントです。
シーラーの乾燥時間は約2~3時間かかります。
乾燥時間を短縮してしまうと、補強効果が弱まる場合があります。
中塗り塗料や上塗り塗料が剥がれやすくなってしまうため、塗装後の乾燥時間は省略しないようにしましょう。
自分でDIYしない
シーラーを使う際には、自分でDIYしないようにしましょう。
シーラー塗装には技術が必要です。
そのため、無理して自分で行っても、上手く行かずムラになりやすいです。
また、高い場所を塗装する場合は危険も伴うので、プロの業者に依頼するとよいでしょう。
シーラーの工程は省略せず業者に依頼しよう
シーラーの工程は、外壁塗装を長持ちさせるために欠かせません。
下塗りを疎かにすると、塗料が剥がれてしまうなど、結果として綺麗な外壁を保ちにくくなります。
コストを抑えたいからといってシーラーの工程を省いてしまうと、後々余計な費用が発生する場合もあるのです。
シーラーを綺麗に塗るためには、足場の設置やプロの技術が必要です。
シーラーの工程は省略せず、必ず業者に依頼することをおすすめします。