多くの工場や倉庫で使われている折板屋根は、塗装してメンテナンスする方法が一般的です。
しかし、実際には
「塗装するタイミングが分からない」
「折板屋根の塗装費用を知りたい」
という方も多いでしょう。
この記事では、以下の内容について解説します。
・折板屋根に塗装が必要な理由
・折板屋根を塗装すべきタイミング
・折板屋根の塗装にかかる費用相場
・折板屋根の塗装面積を計算する方法
・折板屋根の塗装工程
・折板屋根を塗装する場合の注意点
折板屋根の塗装すべきタイミングや費用相場、注意点などが分かれば、業者を選ぶ際の参考になるでしょう。
ぜひ最後までご覧ください。
もくじ
折板屋根に塗装が必要な理由
工場や倉庫によく使われる折板屋根は、メンテナンスとして定期的に塗装する必要があります。
時が経つにつれて、重ねタイプの折板屋根はボルトに赤サビ、他のタイプの折板屋根には赤サビや穴あきなどの劣化が生じます。
ボルトが錆びると屋根材にサビが移り、サビが屋根全体に拡大する原因になるので注意してください。
また、サビを放置することで屋根に穴があき、雨漏りを起こすことも少なくありません。
工場や倉庫の場合は、中に置いてある機材が雨漏りによって故障する可能性も考えられます。
そのため、定期的に塗装を行ってメンテナンスし、折板屋根の劣化を防ぐ必要があるのです。
折板屋根を塗装すべきタイミング
折板屋根は10~15年程度で塗装した方がよい屋根材です。
しかし、以下のような劣化症状が出ている場合は放置せずに、なるべく早く塗装した方がよいでしょう。
・色褪せが目立つ
・サビで赤くなっている箇所が多い
・チョーキング現象が発生している
元の屋根の状態とは異なり、明らかに見た目の変化が起きています。
1つずつ詳しく見ていきましょう。
色褪せが目立つ
色褪せが目立っている場合は、塗料が劣化して屋根を保護する機能が低下しています。
雨風や紫外線の影響で塗装の色が薄くなったり、変色を起こしていたりする状態です。
放置すると、あっという間に劣化が進んでしまいます。
サビで赤くなっている箇所が多い
赤サビの発生が多い場合も、早めに塗装した方がよいでしょう。
赤サビが多い屋根は、塗装がはがれて金属面が露出している状態です。
金属は水や酸素に反応するとサビを発生させるため、露出しているとサビの拡大につながります。
屋根の寿命を縮めないように、早めに対処するのがベストです。
チョーキング現象が発生している
触ると手にチョークのような白い粉がつく場合も、早めに塗装をした方がよいでしょう。
白い粉の発生はチョーキング現象と言い、白亜化現象とも呼ばれます。
塗料が劣化し、分解されて粉状になっている状態であり、塗料本来の屋根を保護する役割が失われています。
屋根材の劣化が急速に進むため、早めに手を打つべきです。
折板屋根の塗装にかかる費用相場
ここでは、折板屋根の塗装にかかる費用相場について解説します。
坪数ごとの費用の目安は、以下の通りです。
・20坪:25万円~50万円
・30坪:30万円~70万円
・40坪:35万円~90万円
・50坪:40万円~110万円
・60坪:50万円~140万円
※上記は屋根の塗装のみであり、外壁の塗装は含まれないため注意してください。
以上がおおまかな費用相場となりますが、あくまでも目安です。
見積もりを取る際などの参考にし、信頼できる業者に相談してみてください。
折板屋根の塗装面積を計算する方法
折板屋根の塗装費用は、屋根の面積と塗料の単価で決まります。
費用を把握するために、塗装する屋根の面積を計算してみましょう。
ただし、塗装面積は図面で見る面積より広くなるので注意してください。
図面では平面に描かれていますが、実際の折板屋根は凹凸があるため、平面図の面積より広くなるのです。
おおまかな塗装面積を知りたい場合は、凹凸を考慮した、以下の式で求められます。
塗装面積=図面上の屋根面積×塗装係数(1.3~1.7)
上記で算出した塗装面積を使って、塗装費用を計算してみてください。
折板屋根の塗装工程
折板屋根の塗装は、以下のような工程で行われます。
1.足場と飛散防止ネットの設置
2.高圧洗浄
3.下地処理
4.塗装
5.ボルトキャップの設置
ここからは、塗装の各工程について詳しく解説していきます。
1.足場と飛散防止ネットの設置
まずは足場を組み、飛散防止ネットを設置します。
折板屋根は凸凹があって歩きにくいため、そのまま作業するのは危険です。
そのため、足場を設置して塗装作業をするケースがほとんどです。
2.高圧洗浄
次に、高圧洗浄機を使って汚れを落とします。
特に折板屋根は凹凸があって汚れが溜まりやすく、汚れが残っていると塗料の密着が不十分になりかねません。
綺麗に塗装するために、チョーキング現象による白い粉や、剥がれた塗料を念入りに落とします。
3.下地処理
次に、下地処理を行います。
下地処理は、折板屋根の塗装において非常に重要な作業です。
サビの拡大を防ぐための、サビをしっかりと削る作業をケレンと言います。
適切に行わないと腐食が起こって穴があいてしまうほか、サビごと塗料が剥がれてしまう恐れもあります。
塗料の密着度にも影響するため、下地処理は丁寧に行いましょう。
4.塗装
次に、下塗り、中塗り、上塗りの3回に分けて塗装を行います。
下塗りでは錆止め塗料を使い、サビの再発を防ぎます。
工場などの場合は、作業中に室内の温度が上がりやすいため、中塗り、上塗りの工程で遮熱塗料や断熱塗料を使うのもおすすめです。
5.ボルトキャップの設置
最後に、ボルトキャップを設置します。
重ねタイプの折板屋根の場合、ボルトが露出していて、雨風や紫外線の影響を受けやすいのが特徴です。
ボルトは屋根材としっかり固定されているので、サビや腐食があっても簡単に交換できるものではありません。
そのため、ボルトキャップを装着してボルトの劣化を防ぐのです。
ボルトキャップは、もともと取り付けられていなかったり、設置されていても経年劣化で割れが生じていたりします。
割れた隙間から雨水が浸入するのを防ぐため、しっかり状態を確認しながら設置します。
折板屋根を塗装する場合の注意点
折板屋根の塗装の際には、以下の2点に注意する必要があります。
・穴があいている場合は塗装できない
・自分でDIYしない
折板屋根の状態によっては、塗装では修繕できない場合もあります。
また、自分でDIYするのは危険です。
詳しく見ていきましょう。
穴があいている場合は塗装できない
サビによって屋根材に穴があいている場合は、塗装で直すことはできません。
屋根自体を全部交換するか、部分的な交換が必要です。
メンテナンス費用節約のために交換せずに塗装したとしても、穴を塞げず、サビが広がり続けます。
数年で寿命を迎えることになり、結果的に損をするケースもあるのです。
穴があく前に、早めの塗装が必須と心得ておくとよいでしょう。
自分でDIYしない
自分で折板屋根の塗装をDIYするのはやめましょう。
屋根の塗装は高所での作業であるため、素人が行うのは危険です。
夏場には、屋根の表面温度が高温になることもあります。
プロの業者でも熱中症などの危険を考慮して、夏場の施工を控えることもあるほどです。
また、ケレンなどは技術が必要であり、実際に行うとかなりの重労働です。
工場や倉庫の屋根となると広範囲になるため、DIYするのは難しいと念頭に置いてください。
思わぬ事故や失敗を防ぐためにも、折板屋根の塗装はプロの業者に依頼しましょう。
折板屋根の塗装は屋根に穴があく前にプロの業者にお願いしよう
折板屋根は耐久性に優れた屋根ではありますが、定期的なメンテナンスが必要です。
金属の屋根材は、一部に発生したサビや色あせを放置すると、どんどん拡大する恐れがあります。
サビは1度発生すると、自然に元に戻ることはありません。
屋根に穴があく前に早めに対処するのがおすすめです。
ただし、折板屋根の塗装をDIYするのは危険です。
ケガや事故に繋がる恐れがあるため、プロの業者に依頼しましょう。
折板屋根の塗装は、実績が豊富な「やまもとくん」にお任せいただくと安心です。
ぜひ依頼を検討してみてください。