「レサスってどんな屋根材?」
「レサスにはどんな問題があるの?」
「レサスのメンテナンス方法が知りたい」
上記のように、屋根材のレサスについて気になっている方は多いでしょう。
この記事では、レサスに関する以下の内容をお伝えします。
・屋根材のレサスとは?
・レサスによく見られる劣化症状
・レサスの劣化を放置すると起こり得るトラブル
・レサスのメンテナンス方法
・レサスを葺き替え工事で補修する場合の工程
・レサスの補修に火災保険が使えるケース
・レサスに屋根塗装をおすすめしない理由
この記事を読むと、レサスの劣化症状に対する適切なメンテナンス方法が分かるでしょう。
ぜひ、最後まで目を通してみてください。
もくじ
屋根材のレサスとは?

レサスとは、1999年~2006年まで製造・販売されていた屋根材です。
アスベストが規制された際、規制をクリアするために急遽製造が始められたノンアスベストの屋根材のうちの1つです。
同時期に製造・販売された商品にはクボタのコロニアルNEOやニチハのパミールなどがあります。
レサスは、松下電工からピュアベスト(900シリーズ)として販売されていました。
松下電工はクボタ株式会社と統合し、現在はケイミュー株式会社となっています。
レサスの種類には、以下があります。
・レサス
・レサス・ウーノ(レサスDX)
・レサス・トレス
・レサスTX
・エコ・ウーノ(レサスECO18)
レサスはアスベストを含んでいませんが、耐久性が低く、不具合が多く報告されている屋根材です。
屋根材のレサスによく見られる劣化症状

本章では、屋根材のレサスによく見られる劣化症状について解説します。
具体的には、以下の劣化症状が見られます。
・ひび割れが起きる
・一部が欠ける
・破片が落ちる
・端部が反る
それぞれの劣化症状について、以下で詳しくお伝えします。
ひび割れが起きる
屋根材のレサスによく見られる劣化症状に、ひび割れがあります。
レサスは、他のノンアスベスト屋根と同様、経年劣化によりひび割れが発生します。
ノンアスベストの屋根は外的要因がなくともひび割れてしまうため、気付かずに塗装した結果、ひび割れが増えてしまうケースもあるのです。
一部が欠ける
屋根材のレサスによく見られる劣化症状として、一部が欠けてしまう場合があります。
他のノンアスベスト屋根と同様、レサスも経年劣化により欠けが発生します。
欠けた屋根材が落下すると、とても危険です。
破片が落ちる
屋根材のレサスによく見られる劣化症状として、破片が落ちる場合があります。
屋根の一部を割れたり欠けたりしたままにしておくと破片が落ち、怪我や事故が起きる可能性があります。
非常に危険なため、早急なメンテナンスが必要です。
端部が反る
屋根材のレサスによく見られる劣化症状として、端部が反る場合があります。
基材が盛り上がり、端の部分が反っている状態です。
他のノンアスベストの屋根材にも共通して見られる症状です。
レサスの劣化を放置すると起こり得るトラブル

本章では、レサスの劣化を放置すると起こり得るトラブルについて解説します。
具体的には、以下のトラブルが挙げられます。
・雨漏りが発生する
・屋根材の一部が落下する
・建物の耐久性が低下する
それぞれのトラブルについて、順に見ていきましょう。
雨漏りが発生する
レサスの劣化を放置すると、雨漏りが発生してしまいます。
屋根材の下には防水シートがあるため、不具合が生じてからすぐに雨漏りが起きるというわけではありません。
しかし、防水シートが露出し劣化すれば雨水が浸入しやすくなります。
結果、雨漏りが発生する恐れがあるのです。
屋根材の一部が落下する
レサスの劣化を放置すると、屋根材の一部が落下してしまいます。
劣化によって割れた屋根材は、強風や何らかの拍子に落下する恐れがあります。
万が一、人や自動車に当たってしまうと事故やケガの原因になり危険です。
建物の耐久性が低下する
レサスの劣化を放置すると、建物の耐久性が低下してしまいます。
前述の通り、雨漏りが発生し、ひどくなると建物自体の構造にまで雨水が浸み込んでしまいます。
結果、建物自体の耐久性が弱まってしまうのです。
レサス屋根のメンテナンス方法

本章では、レサス屋根のメンテナンス方法について解説します。
メンテナンス方法には、重ね葺き工事や葺き替え工事があります。
それぞれの工法について、順に見ていきましょう。
重ね葺き工事(カバー工法)
重ね葺き工事(カバー工法)は、すでにある屋根材の上から新しい屋根材を取り付ける工法です。
メリットは、工事費用が抑えられる点や工期が短い点などです。
古い屋根材を剥がさないため、万が一、下地部分に劣化症状があった場合でも補修ができないなどのデメリットもあります。
重ね葺き工事(カバー工事)にかかる費用は60万円~240万円です。
葺き替え工事
葺き替え工事とは、すでにある屋根材を剥がし、新しい屋根材を取り付ける工法です。
屋根材を丸ごと交換するため、新品の屋根となり耐久性をアップさせられるメリットがあります。
古い屋根材の取り外しによる破片の飛散の恐れや、廃材の処分に費用がかかるなどのデメリットもあります。
葺き替え工事にかかる費用は70万円~250万円です。
レサス屋根を葺き替え工事で補修する場合の工程

本章では、レサス屋根を葺き替え工事で補修する場合の工程について解説します。
具体的には、以下の工程で行います。
1.古い屋根材を撤去する
2.野地板に増し張りする
3.防水シートを設置する
4.新しい屋根材を設置する
それぞれの工程について、以下で詳しく説明します。
1.古い屋根材を撤去する
はじめに、古い屋根材を撤去します。
古い屋根材を撤去した後に雨が降ってしまうと、雨漏りの恐れがあります。
そのため古い屋根材を撤去した後、下地を張り替え、防水シートを敷く作業までは一度に行うケースが多いです。
2.野地板に増し張りする
続いて、野地板に増し張りをします。
野地板とは、屋根材を敷く際の下地材です。
古い野地板の上から、新たな野地板を重ねて張る方法を増し張りと呼びます。
3.防水シートを設置する
続いて、防水シートを設置します。
雨漏りを起こさないためにも、しっかりと張り付けていきます。
4.新しい屋根材を設置する
最後に、新しい屋根材を設置します。
葺き替え工事の場合は、重ね葺き工事よりも屋根への負担が少ないことから、使用する屋根材の種類に制限はありません。
レサスの補修に火災保険が使えるケース

本章では、レサスの補修に火災保険が使えるケースをお伝えします。
レサスの補修では、経年劣化ではなく、自然災害による損害であると明確に証明できる場合に火災保険が使用可能です。
また、屋根に被害を受けてから3年以内に申請する必要があります。
上記2点は、火災保険を使用するための絶対条件です。
保険が全額下りるかどうかは保険会社などにもよりますが、何割かの火災保険が下りたため補修費用に回せた、といったケースもあります。
レサスに屋根塗装をおすすめしない理由

本章では、レサスに屋根塗装をおすすめしない理由を解説します。
理由としては、屋根材の劣化スピードが早いことや屋根が割れるリスクが挙げられます。
それぞれについて、順に見ていきましょう。
屋根材の劣化スピードが早い
屋根材の劣化スピードが早いため、レサスに屋根塗装はおすすめできません。
塗装が劣化する前に、屋根材が劣化して割れたり欠けたりしてしまうので意味がないのです。
屋根が割れるリスクがある
屋根が割れるリスクがあるため、レサスに屋根塗装はおすすめできません。
レサスは脆すぎるため、塗装の際に人が屋根に上がると、重みで割れてしまう可能性があります。
同様に、高圧洗浄も屋根に負荷をかけてしまうため、塗装はおすすめできません。
レサスの劣化は放置せず早めにメンテナンスしよう

レサスはアスベストが規制され始めた時期に、規制をクリアするために製造されたノンアスベストの屋根材です。
同時期に製造された他のノンアスベストの屋根材と同様、耐久性が低く、とても脆いという特徴があります。
レサスの劣化症状はひび割れや欠け、端部の反り、破片の落下などです。
上記の劣化症状を放っておくと、屋根材の一部が落下したり、雨漏りが発生したりとトラブルにつながる恐れがあります。
また、劣化症状が進行することで建物の耐久性が低下するリスクもあります。
そのため、レサスの劣化は放置せず、早めにメンテナンスしましょう。