「パワーボードに塗装は必要?」
「パワーボードを塗装するタイミングはいつがいいの?」
「パワーボードの塗装費用はどのくらい?」
このように、パワーボードの塗装の必要性に悩まれる方も多いのではないでしょうか。
実はパワーボードを塗装しない場合、断熱性や防火性、耐用性などの特徴が損なわれ、外壁が長持ちしない場合があります。
本記事では、パワーボードの塗装を検討される方へ、パワーボードの機能を存分に発揮し続けるための適切な塗装について、かかる費用や注意点をご紹介します。
具体的には以下の内容を解説します。
・パワーボードの塗装の必要性
・パワーボードとは
・パワーボードを塗装するタイミング
・パワーボードを塗装すべき劣化のサイン
・パワーボードを塗装する場合の費用相場
・パワーボードの塗装に適している塗料
・パワーボードを塗装する際の注意点
この記事を読めば、パワーボードの塗装の重要性や施工のタイミング、費用が分かるので、パワーボードを適切にメンテナンスでき、長持ちさせられるでしょう。
もくじ
パワーボードに塗装は必要?
長持ちするといわれるパワーボードにも、塗装は必要です。
パワーボードは吸水性が高く雨などの水分を吸収しやすいです。
そのため、適切な時期に塗装しない場合、剥がれや膨張が起き、さらに劣化が進むとボード自体が欠けてしまいます。
美観を保ち長持ちさせるには、定期的な塗装が欠かせません。
パワーボードとは
そもそもパワーボードとはどのような外壁材なのでしょうか。
ALC(軽量気泡コンクリート)の1つであるパワーボードは、スウェーデンで開発された耐用性、防火性、断熱性、吸湿性に優れた高機能外壁建材です。
水に浮くほど軽いコンクリートながら、通常の外壁材と比べ37ミリと厚みがあり、メンテナンス次第では60年持つと言われています。
パワーボードを塗装するタイミング
パワーボードに使用されている塗料により、塗装のタイミングが異なります。
純正塗料を使用している場合、使用していない場合でそれぞれ塗装目安が違うため、以下で詳しく説明します。
純正塗料を使用している場合
旭化成の純正塗料の場合、目安の塗装時期は以下になります。
・イベリアン:約30年
・プリティアン:約20年
・グランロック:約20年
・サンシルキー:約20年
ただし、住環境の日当たりや雨風の影響、使用している塗料の色によっては、上記より早めに塗装した方がよい場合もあります。
純正塗料以外を使用している場合
純正塗料を使用していない場合は、下記の経過年数を目安として塗装を検討するとよいでしょう。
・ウレタン塗料:5〜10年
・シリコン塗料:7〜15年
・フッ素塗料:12〜20年
・無機塗料:18〜20年
純正塗料を使用している場合と同じく、塗装のタイミングは住環境や塗料の色により変わる場合があります。
パワーボードを塗装すべき劣化のサイン
前章でパワーボードを塗装すべきタイミングを紹介しましたが、以下3つの劣化が見られる場合は、塗料の耐用年数を待たずに塗装した方がよいでしょう。
・コーキングが割れているもしくは薄くなっている
・チョーキングが発生している
・汚れや色褪せが目立つ
以下で詳しく説明します。
コーキングが割れているもしくは薄くなっている
コーキングが割れているもしくは薄くなっている状態は、劣化のサインです。
コーキングは、ボードの繋ぎ目や窓サッシの周囲を埋めるゴム状の樹脂です。
パワーボードを塗装する際は、コーキングの修復も同時に行います。
雨水が浸入するとパワーボードの劣化につながるため、コーキングの割れやヒビがある場合や、薄くなってしまっている場合は、早めに塗装と修理を行いましょう。
チョーキングが発生している
次に、チョーキングが発生しているかをチェックしましょう。
チョーキングとは、劣化した外壁から白い粉(チョーク)が浮き出ることを言います。
外壁に触れた手や衣服がチョーキングで白く汚れたら、パワーボードの防水機能が弱くなり、雨水を吸いやすくなっているため、早急な塗装が必要です。
汚れや色褪せが目立つ
パワーボードの目立つ汚れや色褪せは、劣化が進んだ状態です。
黒や緑色のような外壁の変色は、カビやコケが発生しているケースが多く、パワーボードの防水機能が弱まっている証拠です。
目に見えて分かる色の変化も、パワーボードを塗装すべき劣化のサインと言えます。
パワーボードを塗装する場合の費用相場
パワーボードの塗装相場はどのくらいなのでしょうか?
高性能のパワーボードですが、塗装費用は一般的な外壁塗装と変わりません。
外壁の塗装における坪数別の相場は以下になります。
注:()内は、坪数に対してのおおよその外壁面積です。
・20坪:約40万円~120万円(79.2平方メートル)
・30坪:約60万円~120万円(118.8平方メートル)
・40坪:約70万円~130万円(158.4平方メートル)
・50坪:約90万円~160万円(198.0平方メートル)
・60坪:約100万円~200万円(237.6平方メートル)
外壁の面積は、一般的に延床面積を1.2倍したものとされています。
延床面積が20坪の場合、1坪を3.3平方メートルとして以下の計算で外壁面積を算出します。
・延床面積20坪×3.3平方メートル=66平方メートル
・66平方メートル×1.2=79.2平方メートル
基本的には一般的な外壁塗装と同じですが、パワーボードは目地が多いためその分、コーキングの補修費用は高くなりやすいと言えます。
パワーボードの塗装に適している塗料
パワーボードの塗装に適している塗料は、パワーボードが施工された方法によって異なります。
新築時の施工内容を確認し、適した塗料を選びましょう。
施工方法は以下の2種類です。
・直貼り工法
・通気工法
以下で詳しく解説します。
直貼り工法の場合
直貼り工法のパワーボードには、防水性と透湿性がある塗料が適しています。
直貼りは外壁の下地に直に貼る工法を指し、パワーボードはほとんどの場合、直貼りで施工されます。
パワーボードは吸湿性の高さが特徴です。
ただし、直貼り工法は下地とパワーボードの間に隙間がないため、湿度を逃せません。
内部にこもった湿度がサビやカビを発生させ、パワーボードの劣化につながるため、防水性と透湿性がある塗料を選ぶ必要があります。
透湿性は水分は通さずに湿度は通す性質があるため、家の中の湿度を適度に保てます。
通気工法の場合
通気工法のパワーボードには、防水性のある塗料が適しています。
通気工法は下地とパワーボードの間に空気を流す隙間を作るため、湿度が溜まらずサビやカビができにくくなります。
ただし、ある程度の湿気は発生するため、パワーボードに水分が溜まらないよう、防水性のある塗料がよいでしょう。
パワーボードを塗装する際の注意点
パワーボードを塗装する場合、注意すべきポイントがあります。
作業の内容や塗料が適さない場合、せっかくの塗装が効果を発揮せず、塗料の剥がれや浸水につながりかねません。
本章では、パワーボードを塗装する際の注意点を3つ紹介します。
・コーキング工事は必ず行う
・防水性が高すぎる塗料は選ばない
・見積もり時に下塗りに使う塗料を確認する
以下でそれぞれ説明します。
コーキング工事は必ず行う
塗装の際は目地を修繕するコーキング工事も、一緒に行いましょう。
塗装の時点でパワーボードの目地のコーキングは、割れが発生していたり、固くやせ細っていたりする場合がほとんどです。
そのまま塗装すると雨漏りなどの原因になるため、コーキング工事も、一緒に行ってください。
防水性が高すぎる塗料は選ばない
ALCは吸水性があるため、防水性のある塗料が推奨されますが、防水性が高すぎる塗料は塗装に適しているとは言えません。
防水性の高い塗料は透湿性が低いため、湿度が逃げづらく、塗料の膜が膨れるなどのトラブルが起きやすくなります。
パワーボードに適した塗料は、業者へ相談しながら選ぶとよいでしょう。
見積もり時に下塗りに使う塗料を確認する
パワーボードの特性である気泡のある状態を保つためには、下塗りにどのような塗料を使用するかも重要です。
下塗りの塗料が適当な場合、剥がれや脹れの原因になるため、パワーボードの劣化具合に合わせて適切な塗料を選ぶ必要があります。
パワーボードを塗装する場合はALCや塗料に詳しい業者に依頼しよう
パワーボードは定期的に塗装することにより、60年もつと言われています。
劣化のサインを見逃さず、パワーボードの機能を十分に発揮できるよう、適切なタイミングでの塗装が重要です。
高機能外壁材であるパワーボードの塗装は、ALC(軽量気泡コンクリート)や塗料に詳しい経験豊富な業者へ依頼しましょう。