「住宅のパミール屋根は、近いうちに塗り替えた方がよい?」
「そもそもパミール屋根って塗り替えられるの?」
パミール屋根の住宅を持つ人の中には、上記のような疑問を持つ人もいるでしょう。
この記事では、パミール屋根の塗り替えについて紹介します。
具体的には、以下の内容を解説していきます。
・パミール屋根を塗り替えても意味がない理由
・パミール屋根を塗り替えることで起こり得るトラブル
・パミール屋根の塗り替えを提案してくる業者に注意
・パミール屋根のメンテナンス方法
・パミール屋根を補修すべき劣化症状
この記事を読めば、パミール屋根の正しいメンテナンス方法が分かるだけでなく、適切なタイミングでメンテナンスできるようになるでしょう。
ぜひ最後まで目を通してみてください。
もくじ
パミール屋根は塗り替えしても意味なし

まず、パミール屋根は塗り替えしても意味がない理由を解説していきます。
・屋根材自体がすでに劣化している
・塗装費用がムダになる
1つずつ見ていきましょう。
屋根材自体がすでに劣化している
パミール屋根は、屋根材自体がすでに劣化しているケースがほとんどのため、塗り替えしても意味がありません。
というのもパミール屋根は、築10年ほどで劣化症状が出てくるケースが多いからです。
パミール屋根が製造および販売されていたのは、1996~2008年の間です。
2024年現在、上記から16~28年もの年月が経っています。
そのため、塗装の効果が弱まっているだけでなく、屋根材自体も劣化しているケースが多く、そもそも屋根材をメンテナンスした方が良いと言えます。
塗装費用がムダになる
パミール屋根を塗り替えしても意味がない2つ目の理由は、塗装費用がムダになるからです。
パミール屋根はアスベストを含んでおらず、とても脆い屋根材と言われています。
塗り替えたところで、塗料の寿命より屋根材の寿命が早く来てしまいます。
結局、屋根材を交換したり、上から新しい屋根材を被せたりといったメンテナンスが必要になってくるのです。
そのため塗り替え自体は可能ですが、早い段階で屋根材がダメになるケースが多く、塗装にかかる費用がムダになりやすいです。
パミール屋根を塗り替えることで起こり得るトラブル

パミール屋根の塗装自体は可能ですが、実際に塗り替える場合は以下のトラブルが起きやすいため、おすすめはしません。
・屋根材が割れる
・屋根材が破損する
それぞれ解説していきます。
屋根材が割れる
パミール屋根をもし塗り替える場合、屋根材が割れてしまう恐れがあります。
前述した通り、パミール屋根にはアスベストが含まれておらず、とても脆いからです。
屋根を塗装する場合、屋根の上に作業員が上がって作業します。
一般的なスレート屋根の場合はとくに問題ありませんが、パミール屋根の場合は、人の重みで屋根材が割れるケースがあるのです。
また作業時に割れなくても、ひび割れしやすいので、後になってひび割れした箇所から割れる恐れがあります。
屋根材が破損する
パミール屋根を塗り替える場合、屋根材が破損する恐れもあるので注意してください。
屋根塗装は塗料を使って塗装する前に、屋根材に溜まった汚れや古い塗料の膜を除去する必要があります。
通常、高圧洗浄機を使って汚れや古い塗料の膜を洗い流しますが、パミール屋根は脆いため、屋根材に負荷がかかり破損する恐れがあるのです。
パミール屋根の塗り替えを提案してくる業者に注意

パミール屋根の塗り替えを提案してくる業者には注意してください。
前述通り、パミール屋根の塗り替えは意味がないどころか、屋根材へさらなるダメージを与えてしまうことになりかねません。
しかし屋根塗装業者の中には、塗装できない屋根材への知識が浅い業者や経験の浅い業者もいます。
パミール屋根であると見分けられず、塗装を提案してくるケースも考えられるでしょう。
パミール屋根は塗装したところで意味がないどころか、ムダな出費が発生するため、上記のような業者には依頼しないよう気を付けてください。
【2種類】パミール屋根のメンテナンス方法

パミール屋根は塗り替えしても意味がないと説明しましたが、どのように補修すべきか気になる人もいるかと思います。
パミール屋根のメンテナンス方法は、以下の2つがあります。
・重ね葺き工事
・葺き替え工事
以下でそれぞれについて、見ていきましょう。
重ね葺き工事(カバー工法)
パミール屋根のメンテナンス方法1つ目は、重ね葺き工事(カバー工法)です。
重ね葺き工事は、現在使っている屋根材をそのまま残し、上から新たな屋根材を設置する工事です。
屋根材を撤去する必要がなく、撤去作業にかかる人件費や処分費がかからないため、後述する葺き替え工事より費用を少し抑えられます。
費用相場は60万円~240万円です。
ただし劣化が激しい場合は重ね葺き工事はできないため、葺き替え工事でメンテナンスする必要があります。
葺き替え工事
パミール屋根のメンテナンス方法2つ目は、葺き替え工事です。
葺き替え工事は古い屋根材を取り外し、新しい屋根材を設置する工事です。
重ね葺き工事に比べ、費用や手間はかかってしまいます。
費用相場は、70万円~250万円です。
しかし屋根材だけでなく、下地や防水シートの劣化も確認した上で新しいものに代えられるため、屋根全体の耐久性が上がります。
パミール屋根のメーカー保証は期限切れ

パミール屋根のメンテナンスを検討している人の中には、メーカー保証を使って補修できないのか気になっている人もいるでしょう。
しかし前述した通り、パミール屋根を使って住宅を建てた場合、2024年現在で16~28年経過しており、メーカー保証はとっくに切れています。
よって、メーカーが無償でメンテナンスしてくれることはありません。
中には、新しい屋根材を無償で提供してくれるケースもありますが、工事にかかる費用は依頼主が負担する必要があるため、注意してください。
パミール屋根をメンテナンスすべき劣化症状

もし現在、パミール屋根に以下のような劣化症状が見受けられる場合は、メンテナンスの時期と考えてください。
・下部が変色している
・先端部分が剥がれている
・屋根材の一部がズレている
劣化症状の確認を自分で行うのは危険なため、一度業者に依頼して見てもらった方が良いでしょう。
以下で劣化症状について、1つずつ解説していきます。
下部が変色している
屋根材の下部が変色している場合は、メンテナンスを検討してください。
パミール屋根の下部は雨水が溜まりやすく、時が経つにつれて変色しやすいです。
そのままにしておくと、後述する先端部の剥がれにつながります。
そのため、もし下部の変色に気づいたら、なるべく早くメンテナンスしましょう。
先端部分が剥がれている
パミール屋根の先端部分が剥がれている場合も、メンテナンスを検討すべきと言えます。
放置すると剥がれた箇所から雨水が入り込み、雨漏りが発生する恐れがあるからです。
パミールの屋根材は、セメントでできた層がいくつも重なっています。
年月が経つにつれてセメント層とセメント層の間が広がり、屋根材の先端が剥がれてしまいます。
雨漏りを防ぐためにも、先端部分の剥がれを発見したら、すぐにメンテナンスしましょう。
屋根材の一部がズレている
屋根材の一部がズレている場合も、メンテナンスを検討してください。
パミールは屋根材の固定に使われている釘が腐食しやすく、固定する力が弱まるため、屋根材がズレやすいです。
そのままにしておくと強風や台風の際に、屋根材が落下してしまう恐れがあるので注意してください。
人や車の上に落下すれば、ケガや事故の原因にもなりえます。
また近隣住宅の外壁や屋根に自宅の屋根材が飛散した場合、自宅の補修費用だけでなく近隣住宅の補修費用もかかってきます。
もし屋根材がズレていることに気づいたら、早急にメンテナンスしましょう。
パミール屋根は塗り替えNG!重ね葺き工事か葺き替え工事でメンテナンスしよう

パミール屋根はほとんどの場合において、屋根材がすでに劣化しているため、塗り替えても意味がありません。
もし塗り替える場合、パミール屋根はとても脆いため、作業時に人の重みによって屋根材が割れたり、高圧洗浄時に屋根材が破損したりする恐れがあります。
屋根材の知識が浅い業者や経験の浅い業者が、塗り替えを提案してくるケースもあるので注意してください。
現在、屋根材の下部が変色しているほか、先端部分の剥がれや屋根材のズレが見受けられる場合は、早めにメンテナンスする必要があります。
上記の劣化症状が確認できる場合は、重ね葺き工事か葺き替え工事で、屋根材自体のメンテナンスを行いましょう。