「軒天に塗装って必要?」
「軒天の塗装はいくらぐらいかかるもの?」
「軒天の塗装工程を知りたい」
軒天の塗装について、上記のような疑問がある方も多いでしょう。
軒天塗装の必要性を知らずにいた場合、雨漏りに繋がるほか、大事な住居が害獣の住処になってしまうこともあるので、注意が必要です。
この記事では、軒天の塗装を検討する方へ、軒天の役割と塗装の目安を、危険度レベルで表し、余すところなく解説していきます。
具体的には以下の情報を解説します。
・軒天の塗装を行わないと起こり得るトラブル
・軒天が持つ4つの役割
・【緊急レベル別】軒天を塗装すべき劣化サイン
・軒天の塗装にかかる費用相場
・【素材別】軒天を塗装する際のポイント
・軒天を塗装する際に使用する塗料の種類
・軒天を塗装する際の工程
・軒天を塗装する際の注意点
この記事で軒天を塗装する重要性が理解でき、住宅の軒天を今すぐ塗装すべきか判断できるでしょう。
もくじ
軒天を塗装しないと起こり得るトラブル
軒天(のきてん)とは、家から外側に伸びている屋根の裏側を言います。
この軒天を塗装しない場合、どのようなトラブルが起こり得るのでしょうか?
軒天の塗装が必要な理由と併せて、2つのトラブル例をご紹介します。
美観が損なわれる
軒天を塗装しない場合、家の美観が損なわれます。
見上げると必ず目に入る軒天は、塗装しないと土埃が付着しやすくなり、汚く見えてしまいます。
劣化が目立つと建物全体が古く見えてしまい、美観の維持のためにも軒天の塗装は非常に重要です。
害獣が住み着く可能性がある
塗装を行わないと軒天が剥がれた隙間から、害獣が住み着く可能性があります。
屋根裏に入り込んだ害獣の糞尿により天井などが腐食するほか、配線が噛まれ漏電火災が起こるなど、甚大な被害になりかねません。
場合によっては専門業者の駆除が必要になるため、想定外の費用が発生します。
上記のような事態にならないよう、軒天の傷みや剥がれを塗装し家を守る必要があります。
軒天が持つ4つの役割
屋根の裏側にあたる軒天には、実は重要な役割があります。
本章では、軒天の4つの役割を解説します。
・雨や紫外線から外壁を守ってくれる
・火事が起きた場合に延焼を防いでくれる
・屋根裏を換気してくれる
・外観をすっきりと見せてくれる
以下で詳しくお伝えします。
雨や紫外線から外壁を守ってくれる
軒天は雨や紫外線から外壁を守ってくれます。
軒天は外側に伸びていることで、傘のような役割をしています。
雨や紫外線による外壁の劣化を防ぎ、湿気や強風からも家を守ってくれるのです。
火事が起きた場合に延焼を防いでくれる
軒天には火災の延焼を防ぐ役割もあります。
住宅火災が起きた場合、軒天がないと短時間で火が天井裏まで回り、被害が大きくなりかねません。
現在は軒天の多くが不燃材で作られており、火災が起きた場合に延焼を防いでくれます。
屋根裏を換気してくれる
軒天は、屋根裏の換気にも役立っています。
小さな穴があいている仕様の軒天は、屋根裏の湿気を吐き出し、内部に結露が溜まるのを防ぐ役割があります。
結露が溜まるとカビやコケが発生し、屋根裏の劣化が進行するため、湿度の調整は非常に重要です。
外観をすっきりと見せてくれる
軒天は、外観をすっきりと見せてくれます。
軒天によって屋根の構造を隠せるからです。
軒天は、外観を美しく見せる重要な役割を担っています。
【緊急レベル別】軒天を塗装すべき劣化サイン
軒天を塗装すべきタイミングはいつなのでしょうか?
本章では軒天の劣化のサインを、4段階の緊急レベル別にご紹介します。
・【危険度レベル1】色褪せや汚れが目立つ
・【危険度レベル2】塗料の膜が剥がれている
・【危険度レベル3】カビや藻が発生している
・【危険度レベル4】漏水の跡がある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
【危険度レベル1】色褪せや汚れが目立つ
色褪せや汚れが目立ってきたら、塗装を検討するタイミングです。
著しい劣化はないレベルでも早めに塗装することで、費用を安く抑えられる場合もあります。
【危険度レベル2】塗料の膜が剥がれている
塗料の膜の剥がれは、危険度が上がっていると考えて良いサインです。
剥がれた箇所から雨水が染みて、次に紹介するカビや藻の発生に繋がります。
塗装業者を探し始めましょう。
【危険度レベル3】カビや藻が発生している
カビや藻の発生は、水分の影響で湿度が溜まり、通気ができていない証拠です。
この状態を放置すると次の危険度レベルに進み、大掛かりな補修工事が必要になり、工事費用も大きくかさみます。
塗装業者に診断してもらい、見積もりを出してもらいましょう。
【危険度レベル4】漏水の跡がある
漏水の跡は、メンテナンスが必要な最高危険度レベルです。
漏水は軒天を腐食させ、建物全体の強度にも大きく影響するため、早急に対処する必要があります。
ただし漏水している場合は塗装で直せないため、新しい軒天に張り替えるなどの工事が必要です。
軒天の塗装にかかる費用相場
軒天の塗装費用はいくらぐらいかかるのでしょうか?
塗装範囲にもよりますが、軒天塗装と作業に必要な足場代の一般的な相場は、下記になります。
・塗装費:500円~1,500円/1平方メートル
・足場代:10万円~20万円
劣化状況や使用する塗料により異なるため、詳細な費用を知りたい場合は塗装業者へ見積もりを依頼しましょう。
【素材別】軒天を塗装する際のポイント
軒天は素材により、塗装のポイントが異なります。
本章では3つの素材別に、それぞれのポイントを紹介します。
・木材系の場合
・不燃系の場合
・金属系の場合
以下で詳しく説明します。
木材系の場合
木材の軒天の場合、定期的な塗装が欠かせません。
主に使用されるベニヤ板は水分を吸収しやすい性質があるため、カビやコケなどが発生しないよう、定期的な塗装によるメンテナンスが必要です。
不燃系の場合
不燃系素材は吸水性が高いため、塗装での保護が必要です。
軒天に使用されることの多い不燃材ケイカル板は、不燃性、耐水性の高さが特徴です。
不燃性も定期的に塗装することで、耐用性を高められるでしょう。
金属系の場合
金属系素材の軒天には、錆止めが必要です。
金属製のガルバリウム鋼板、アルミスパンは錆びにくい性質のため、塗装の頻度は多くありません。
しかし、サビが発生すると見た目に大きく影響が出てしまいます。
サビによる腐食を避けるために、塗装前には錆止めをした後、塗装を行います。
軒天を塗装する際に使用する塗料の種類
軒天を塗装する際に使用する塗料の種類は、主に以下の3つです。
・エマルジョンペイント
・アクリルエマルジョンペイント
・アクリル樹脂系非水分散形塗料
1つずつ紹介します。
エマルジョンペイント
エマルジョンペイントとは、水性と油性が混じり合った塗料を指します。
水性の塗りやすさと油性の落ちにくさを併せ持っており、面積の大きい場所をムラなく塗布するのに適しています。
アクリルエマルジョンペイント
アクリルエマルジョンペイントは、水性アクリル樹脂塗料です。
アクリル系塗料は透明性に優れ、美しい仕上がりが期待できます。
アクリル樹脂系非水分散形塗料
アクリル樹脂系非水分散形塗料は他2つの塗料と比べ、耐水性や密着性が高く、ヤニやシミ止め効果があります。
速乾性や発色も優れており、塗布後の仕上がり感の高さも特徴です。
軒天を塗装する際の工程
本章では軒天を塗装する際の、4つの工程を説明します。
1.洗浄
2.下地処理
3.錆止め処理
4.塗装
以下でそれぞれ解説します。
1.洗浄
軒天を洗浄します。
汚れやサビを洗い流し、新しい塗料の密着性を高めるための最初の工程です。
2.下地処理
洗浄後、古い塗料や汚れをこすり落として塗布面をならす作業です。
穴やヒビなどがあれば、修繕します。
3.錆止め処理
金属製の軒天には、錆止め処理を行います。
サビの発生を防ぐため、金属製の軒天に行う重要な処理です。
4.塗装
下塗り、中塗り、上塗りと3度に分けて塗装していきます。
重ね塗りすることで、ムラなく美しい仕上げが期待できます。
軒天を塗装する際の注意点
軒天を塗装する際の注意点をまとめました。
塗装前には以下の3つの項目に注意してください。
・軒天が剥がれている場合は先に補修する
・色に迷う場合は明るい色を選ぶ
・自分でDIYしない
以下で1つずつ解説していきます。
軒天が剥がれている場合は先に補修する
軒天が剥がれている場合は、塗装前に補修を行います。
剥がれている箇所を補修した後、塗装を行ってください。
ただし、劣化状況によっては新たな軒天材を取り付けるか、劣化箇所のみ張り替えるなどの作業が必要です。
色に迷う場合は明るい色を選ぶ
塗料の色に迷う場合は、明るい色を選びましょう。
軒天は日が当たりにくいため、暗く見えやすい傾向にあります。
そのため塗料は白やベージュなど明るい色を選ぶと、外観も明るいイメージになるでしょう。
自分でDIYしない
軒天塗装のDIYはおすすめできません。
軒天塗装は高所作業となるため、DIYには危険が伴います。
足場の上で常に頭上を見上げながらの作業となるため、素人が行うには非常に危険な作業です。
事故が起きるおそれがあるため、塗装は専門業者への依頼がおすすめです。
軒天の劣化は放置せずプロに依頼して塗装してもらおう
軒天は、雨水や強風、紫外線から外壁を守る重要な役割があります。
軒天の劣化を放置すると雨漏りが起きるほか、害獣が住み着くなど、塗装だけでは済まない大掛かりな補修工事が必要となります。
この記事で紹介した軒天の劣化サインと住宅の劣化状況を照らし合わせ、劣化が見受けられる場合は放置せず、少しでも早いタイミングで業者に塗装を依頼しましょう。