コロニアル屋根は軽量さや価格の安さなどの利点から、多くの住宅で使用されています。
中にはコロニアル屋根に塗装が必要なのか、疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、コロニアル屋根に塗装が必要な理由とかかる費用について解説します。
具体的に解説するのは以下の項目です。
・塗装が必要な理由
・塗装すべき5つの劣化サイン
・費用相場
・使用する塗料の種類
・塗装する際の工程と注意点
コロニアル屋根は、定期的な塗装で汚れを落とし耐久性を高める必要があります。
屋根塗装には専門的な技術を必要とするため、DIYはせず業者に依頼するようにしてください。
この記事を読めば、コロニアル屋根の特徴や劣化のサインが分かり、適切なタイミングで塗装できるでしょう。
もくじ
コロニアル屋根に塗装が必要な理由
コロニアル屋根に塗装が必要な理由は、美観の維持と屋根材の保護です。
住宅を保護し価値を保つためには、定期的な塗装は欠かせません。
具体的な理由について解説しますので、参考になれば幸いです。
美観を保ってくれる
一般的な屋根と同様に経年劣化するので、美観を保つためには塗装が必要です。
経年劣化を放置すると色褪せや苔が発生し、屋根が汚く見えてしまいます。
またコロニアル屋根は表面の凸凹に汚れが溜まりやすいため、定期的な塗装で綺麗にする必要があります。
定期的な塗装で美観を保てば、家の印象が良くなり満足感を得られるでしょう。
屋根材を守ってくれる
雨や紫外線などから屋根材を守るためにも、定期的な塗装は欠かせないものです。
塗装で保護しないと、屋根材が雨を吸って膨張したり乾いた後に収縮したりして劣化します。
屋根材の劣化が進むとひび割れを起こし、雨漏りを起こしかねません。
塗装することで撥水効果が上がり、屋根材がダメージを受けにくくなります。
コロニアル屋根とは?
コロニアル屋根はスレートとも呼ばれ、セメントや繊維によって作られた屋根材です。
軽量で耐震性に優れていて安価なことから、多くの戸建て住宅で使用されています。
さまざまな色や模様のコロニアル屋根があり、デザイン性に優れている点も人気です。
一方で、割れやすく耐久性が低いといったデメリットもあります。
住宅にコロニアル屋根を使用している場合は、定期的なメンテナンスを行いましょう。
コロニアル屋根を塗装すべき5つの劣化サイン
コロニアル屋根の塗装が劣化しているサインは、以下の通りです。
・色褪せや艶引けが目立つ
・苔やカビが発生している
・屋根の反りや割れがある
・瓦が滑落している
・釘が抜け落ちている
塗装の劣化を放置すると、屋根材にダメージを与え住宅の寿命を縮めてしまいます。
劣化サインに気づいたら、早めに塗装業者へ相談しましょう。
色褪せや艶引けが目立つ
塗装が劣化すると、色褪せや艶引けが目立ち本来の機能を発揮できなくなります。
色褪せや艶引けは、塗料の膜が薄くなり撥水性を発揮できなくなっている証拠です。
艶引けとは塗装の光沢が上手く出なくなり、白っぽくぼんやり見えてしまう現象を言います。
屋根に色褪せや艶引けが目立ってきたら、塗料が本来の機能を発揮できていないサインです。
苔やカビが発生している
苔やカビの発生は外観を悪くするだけではなく、屋根の劣化を早めてしまう危険な状態です。
常に水気や湿気にさらされることで、屋根の耐久性が低くなるためです。
また苔やカビは根を張るように周囲に広がるため、放置すると被害が拡大してしまいます。
苔やカビに気づいたら、放置せず早めの対処が肝心です。
屋根の反りや割れがある
屋根の反りや割れは、家へのダメージや事故の原因になります。
反りを放置すると脆くなって割れたり、小口から内部に雨水が浸入したりするためです。
反りや割れは屋根材を劣化させるだけではなく、破片が通行人や車などに当たって大きな事故になるリスクもあります。
もともとコロニアル屋根は割れやすいため、定期的に反りや割れがないか点検しましょう。
瓦が滑落している箇所がある
瓦の浮きや滑落など異常を発見したら、早めに業者に相談し対処するようにしてください。
瓦の滑落で釘が丸見え状態になるため、釘穴から雨水が浸入して屋根材を劣化させてしまいます。
また瓦の浮いた部分に鳥が巣を作ってしまい、慌てて業者に相談するケースも少なくありません。
瓦の異常を放置すると日々の生活にも悪影響を及ぼすため、早めの塗装が必要になります。
釘が抜け落ちている
釘が抜け落ちてしまうと屋根材の破損や水漏れの原因になるため、メンテナンスが必要です。
釘が抜けた状態で放置すると、棟押さえの外れによって下地材がむき出し状態になります。
結果として屋根材だけではなく、家全体を傷めてしまいます。
釘が抜けていることに気づいたら、自己判断せず業者に確認を依頼してください。
コロニアル屋根の塗装にかかる費用相場
コロニアル屋根の塗装にかかる費用相場は、一般的な屋根塗装と変わりありません。
戸建ての屋根塗装における、坪数別の相場は以下の通りです。
・20坪:15~40万円
・30坪:20~60万円
・40坪:25~80万円
ただし屋根塗装の費用は、劣化状況や立地などによって変化します。
相場は予算を立てるための参考程度とし、正確な費用は見積もりを取って確認してください。
コロニアル屋根の塗装に使う塗料の種類
住宅に適した塗装を行うには、どの塗料を選べばよいか迷われることはありませんか。
コロニアル屋根に使われる塗料は以下の種類です。
・高耐候性塗料
・断熱塗料
・遮熱塗料
・防錆塗料
塗料によって得られる効果が異なるので、業者と相談しながら選択すると良いでしょう。
各塗料の特徴について解説しますので、ぜひ参考にしてください。
高耐候性塗料
高耐候性塗料とは、色褪せや剥がれなどの劣化を起こしにくい塗料です。
シリコン塗料やフッ素塗料などの種類があり、塗装の寿命を延ばしメンテナンスの頻度を減らせる効果があります。
屋根は紫外線や雨風などの影響を受けて、劣化しやすい特徴があります。
高耐候性塗料を使用すると、厳しい環境下でも塗装が長持ちしやすくなるでしょう。
断熱塗料
断熱塗料は屋根で利用されることの多い塗料で、熱の移動を抑制する機能があります。
使用すると室内温度を一定に保ちやすい効果があるため、暑さや寒さの対策に有効です。
結露の予防や節電効果なども期待できる高性能な塗料ですが、価格は高めです。
遮熱塗料
遮熱塗料を使用すると、太陽光を遮断して熱の発生を抑える効果が期待できます。
UV塗料とも呼ばれており、商品数の多さと安価であることなどが魅力です。
よく断熱塗料と間違われますが、遮熱塗料の効果は暑さ対策のみに限定されています。
暑さ対策をしたいけれど費用は抑えたいという場合に、遮熱塗料は適しています。
防錆塗料
防錆塗料とは、金属のサビを防ぐ効果のある塗料です。
金属表面に保護膜を作り、酸素や水と反応するのを防いでくれます。
下地処理や塗料選びなどに注意が必要なため、業者に依頼するようにしましょう。
コロニアル屋根を塗装する際の工程
実際にコロニアル屋根を塗装する工程は、以下の順番で行われます。
1.高圧洗浄
2.ケレン
3.下地処理
4.下塗り
5.中塗りと上塗り
6.縁切り
各工程の具体的な内容について、順番に解説します。
1.高圧洗浄
高圧洗浄とは水の圧力で、屋根表面の汚れやカビなどを落とし清潔にする作業です。
高圧洗浄機を使用すると、手作業より効率よく綺麗にできます。
屋根を傷めないように高圧洗浄するには、専門的な知識や経験が必要です。
2.ケレン
ケレンは下地処理の一種で、塗布する屋根の表面を整える作業を言います。
塗料が密着しやすくなり、剥がれやムラを防ぐ効果があります。
適当な業者だと雑に行われやすい工程ですが、仕上がりを美しく長持ちさせるためには重要です。
3.下地処理
ひび割れや穴など屋根表面にダメージがある場合、下地処理で滑らかにします。
屋根を補修材で補修や強化し、塗装面を整える目的で行います。
下地処理は耐久性を高め、塗装を美しく均一にする大切な工程です。
4.下塗り
塗装する下地作りができたら、下塗り材を塗っていきます。
下塗りを行う理由は屋根と塗料を密着させ、傷んだ屋根に塗料が吸い込まれることによる色艶のムラを防ぐためです。
まんべんなく塗らないと効果を発揮しないため、下塗りは2回行うのがおすすめです。
5.中塗りと上塗り
下塗りを行った後は、中塗りと上塗りを行い複数の層を作っていきます。
中塗りは下塗りの色を隠し塗装の厚みを作ることで、上塗りの性能を発揮するための基盤です。
最後に、外観の美しさと機能性を高めるために上塗りを行います。
6.縁切り
塗装作業が終わったら、最後に縁切りを行います。
縁切りとは、塗装で塞がった屋根同士の隙間を剥がす作業です。
屋根同士の隙間がないと雨水の通り道を塞ぐことになり、雨漏りの原因となります。
塗装が乾かないと縁切りはできないため、他の作業と別日に行います。
コロニアル屋根を塗装する際の注意点
コロニアル屋根を塗装する際の注意点は、以下の通りです。
・劣化が激しい場合は塗装できない
・縁切りは必ず行う
・自分でDIYしない
屋根塗装は知識や技術が必要であり、専門業者に依頼することで失敗を防げます。
各注意点について解説しますので、ぜひ参考にしてください。
屋根の劣化が激しい場合は塗装できない
腐食していたり欠損が激しかったりする屋根は、塗装自体ができない場合もあります。
屋根自体が激しく劣化している状態のままでは、塗装しても意味がないためです。
上から新しい屋根材を被せたり、新しい屋根材と交換したりといった補修が必要になることもあります。
そもそも屋根が塗装に適した状態かどうか、専門業者に確認してもらってください。
縁切りは必ず行う
コロニアル屋根を塗装する時は、縁切りで雨水の通り道を確保する必要があります。
塗装時に屋根の重ね部分を塗料で全て塞いでしまうと、雨水が流れなくなり屋根材の下に溜まります。
屋根材の下に溜まった雨水は、釘をつたって屋内に入り込んで家を傷めてしまうのです。
屋根の形状上、雨水を下に流れやすくするには縁切りが必要です。
自分でDIYしない
自分でDIYするのは危険なだけではなく、家を傷める可能性があるため行わないようにしましょう。
高所の作業は危険であること、ケレンや縁切りなど専門的な技術を必要とする工程が多いためです。
また、DIYだと綺麗に塗装できない可能性が高く、失敗すると雨漏りや破損の原因となります。
屋根塗装はDIYせず、専門業者に依頼するようにしてください。
コロニアル屋根の塗装はプロに依頼しよう
コロニアル屋根は住宅の代表的な屋根材で、美観維持と保護のためには定期的な塗装が必要不可欠です。
劣化しているサインに気づいたら、早めに対処するようにしましょう。
ご自身でDIYするのは危険が伴うだけではなく、失敗すると住宅の寿命を縮めるため控えましょう。
コロニアル屋根の塗装はプロに依頼するのをおすすめします。
丁寧に施工してくれる専門業者に依頼すれば、コロニアル屋根の塗装が美しく長持ちします。