「住宅の基礎って塗装すべき?」
「基礎に塗装するメリットやデメリットが知りたい」
「基礎塗装にかかる費用はいくら?」
上記のように、住宅の基礎塗装について気になっている方は多いでしょう。
この記事では、住宅の基礎塗装についてさまざまな角度から解説します。
具体的には、以下の内容をお伝えします。
・住宅の基礎に塗装は必要か
・基礎の種類
・住宅の基礎に塗装するメリット
・住宅の基礎に塗装するデメリット
・住宅の基礎をメンテナンスすべき劣化のサイン
・住宅の基礎を塗装する場合の費用相場
この記事を読めば住宅の基礎塗装について理解が深まり、基礎を塗装するか判断するのに役立つでしょう。
もくじ
住宅の基礎に塗装は必要?
住宅の基礎に塗装は必要なのか、疑問に思う方は多いでしょう。
基礎は地面に接しており、建物と地盤をつなぐ役割があります。
住宅の基礎塗装に関しては、業者によっても考え方が異なるところです。
また、立地条件などによっても判断は変わってくるでしょう。
降水量が多い地域や寒暖差のある地域など、環境によってもダメージの大きさは異なります。
住宅が交通量の多い道路沿いにある場合も、影響を受けやすいと言えるでしょう。
上記のような環境に置かれている住宅であれば、メンテナンスの必要があると言えます。
しかし、基礎の塗装にはメリットもデメリットもあるため、必ずしも塗装すべきというわけではありません。
現時点で目立った劣化症状が出ていない場合は、メリット・デメリットなどを理解の上、判断すると良いでしょう。
基礎の種類
本章では、基礎の種類について解説します。
基礎は以下3つの種類に分けられます。
・ベタ基礎
・布基礎
・独立基礎
それぞれについて、どのような基礎なのか具体的に見ていきましょう。
ベタ基礎
ベタ基礎とは、住宅を建てる場所の地面一面をコンクリートで覆い、大きな面によって住宅の重みを支える基礎です。
近年では、一般住宅のほとんどがベタ基礎を採用しています。
面で支えることによって住宅の重みを分散できるため、耐震性が高いことも特徴です。
地盤の歪みによって建物が傾いてしまう、不同沈下という症状が起こりにくいこともメリットと言えるでしょう。
また、ベタ基礎の構造上、白アリが侵入しにくいという利点もあります。
しかし一方で、コンクリート面が大きくなることで使用するコンクリート量も多くなるため、コストがかかるというデメリットもあります。
布基礎
布基礎とは、住宅の重みを点で支える構造をした基礎です。
住宅が建つ部分のほとんどをコンクリートなどで覆うベタ基礎とは異なり、布基礎では、住宅の外周や壁、柱の部分に基礎が作られます。
コンクリートなどの材料の使用量が少なく済むことによりコストを安く押さえやすい、というメリットがあります。
しかし、面ではなく点で支えることから、ベタ基礎に比べると耐震性が劣ってしまう点はデメリットの1つでしょう。
独立基礎
独立基礎とは、一本ずつの柱に対し単独で設置される基礎です。
玄関ポーチやデッキテラスといった、建物の主要部分以外で独立している部分を支えるために使用します。
独立基礎もコンクリートの使用量が多くないため、コストは抑えやすいでしょう。
しかし、湿気や冷気が構造上伝わりやすい点や、耐震性に劣る点はデメリットと言えます。
住宅の基礎に塗装するメリット
本章では、住宅の基礎に塗装するメリットを解説します。
具体的には、以下のメリットが挙げられます。
・雨や紫外線によるダメージから守れる
・カビやコケが発生しにくくなる
・美観を維持できる
それぞれについて、どのような点がメリットなのかを順に見ていきましょう。
雨や紫外線によるダメージから守れる
住宅の基礎に塗装するメリットに、雨や紫外線によるダメージから守れる点があります。
基礎部分のコンクリートは水を吸いやすい性質があります。
また、基礎部分は常に紫外線にさらされていることから紫外線の影響も受けているのです。
ダメージが蓄積すると、ひび割れや隔離が起こりやすくなってしまいます。
そのため、塗装することで防水効果を高めたり、ダメージから保護したりできる点はメリットの1つでしょう。
カビやコケが発生しにくくなる
住宅の基礎に塗装するメリットに、カビやコケが発生しにくくなる点があります。
基礎部分は、前述の通り水を吸いやすい性質があります。
そのため、基礎部分を塗装していない場合、雨水の影響によってカビやコケが発生しやすくなってしまうのです。
しかし、塗装しておくことによって基礎部分をコーティングできます。
コーティングすることによりカビやコケを発生させにくくできる点は、基礎塗装のメリットの1つと言えるでしょう。
美観を維持できる
住宅の基礎に塗装するメリットに、美観を維持できる点があります。
屋根や外壁のみ塗装し綺麗になったとしても、基礎部分が汚れていたり剥がれていたりすると、とても目立つものです。
そのため、基礎部分も塗装すれば家全体の美観を保てるでしょう。
住宅の基礎に塗装するデメリット
本章では、住宅の基礎に塗装するデメリットを解説します。
どのようなデメリットがあるのか、以下で詳しく見ていきましょう。
外壁や屋根に比べて塗装が剥がれやすい
外壁や屋根に比べて塗装が剥がれやすいことは、住宅の基礎に塗装するデメリットの1つです。
基礎部分は地面に近いため、湿気や雨水などの影響を受けやすくなっています。
地面に近いことで地面の湿気が上がってきてしまうため、湿度が高くなるのです。
湿気や雨水などの影響を受けると、せっかく塗装した塗料の膜も剥がれやすくなってしまいます。
そのため、基礎塗装は外壁塗装や屋根塗装に比べて短いスパンで塗り直しが必要になる場合があります。
短いスパンで塗り直しが必要となりコストがかかる点は、デメリットと言えるでしょう。
基礎内部の劣化に気づかない可能性がある
基礎内部の劣化に気づかない可能性があることも、住宅の基礎に塗装するデメリットの1つです。
塗装していると、見た目からはコンクリート部分の状態の変化などに気づきにくくなります。
塗装していない場合は、仮に内部で水漏れが起きても、基礎部分から染み出ることがあるため気づけるケースがあります。
しかし、塗装していると水が染み出てこないため、内部に問題が起きていても気づかないかもしれません。
このように、基礎内部の劣化に気づかない可能性があることは、基礎塗装のデメリットとして覚えておきましょう。
住宅の基礎をメンテナンスすべき劣化のサイン
本章では、住宅の基礎をメンテナンスすべき劣化のサインについて解説します。
劣化症状によっては、塗装では対処できない場合もあります。
以下のような劣化症状を見つけた場合は、注意が必要です。
・ひび割れしている
・変色している
・浮いている箇所がある
それぞれの症状について、以下で詳しく説明します。
ひび割れしている
ひび割れしている場合は、住宅の基礎をメンテナンスすべき劣化のサインです。
基礎に使用されるコンクリートは、乾燥により内部の水分が蒸発し、収縮します。
上記を乾燥収縮と呼びますが、住宅の基礎として固定されているコンクリートが乾燥収縮によって引っ張られると、ひび割れを起こすのです。
はじめは小さなひび割れでも、放置するとどんどん広がり、水の浸入や空気が入りやすくなります。
水の浸入や空気が入り込むことで、内部の鉄筋が錆びやすくなってしまいます。
発生したサビが膨張することによりコンクリートが押し出され、破裂したり、滑落したりしてしまう恐れもあるのです。
変色している
変色している場合は、住宅の基礎をメンテナンスすべき劣化のサインです。
雨水が内部に染み込んでいる場合、基礎部分が変色してしまうことがあります。
また、塩害や凍害などによってコンクリートが変色することもあります。
このように基礎部分に変色が見られる場合は、メンテナンスを検討すべきでしょう。
浮いている箇所がある
浮いている箇所がある場合も、住宅の基礎をメンテナンスすべき劣化のサインです。
経年劣化や施工不良が原因で、浮いてきてしまう場合があります。
浮いている箇所を放置してしまうと、雨水が入り込み、住宅の寿命を縮めてしまいます。
基礎部分に浮いている箇所を見つけた場合は、早めのメンテナンスを検討しましょう。
住宅の基礎を塗装する場合の費用相場
本章では、住宅の基礎を塗装する場合の費用相場について解説します。
住宅の基礎を塗装する場合の費用相場は3,500円~4,000円/平方メートルです。
業者によっては、基礎塗装と外壁塗装を一緒に行ってくれるところもあります。
外壁塗装と同時に行うことにより人件費などを一度にまとめられるため、費用を抑えたい場合には検討してみると良いでしょう。
住宅の基礎を塗装するかはメリット・デメリットを理解した上で判断しよう
住宅の基礎部分の塗装にはメリットとデメリットの両方があり、必ずしも塗装しなければならないわけではありません。
メリットとしては、雨風のダメージから守れることやカビ・コケの発生を抑えるほか、住宅の美観を維持できることなどがあります。
一方で、外壁塗装などと比較すると塗装が剥がれやすかったり、塗装することで内部の劣化に気づきにくくなったりというデメリットもあります。
基礎部分は、住宅を支える重要な部分であるため、メンテナンスは大切です。
住宅の基礎を塗装するかどうかはメリット・デメリットをしっかりと理解した上で判断しましょう。