「ケレン作業って、どんなことをするの?」
「ケレン作業は絶対に必要?」
「ケレン作業の費用はいくらかかる?」
このように、外壁塗装で行うケレン作業について詳しく知りたい方は多いでしょう。
この記事では、ケレン作業がどのようなものなのか、という点からわかりやすく解説していきます。
具体的には、以下の内容をお伝えします。
・外壁や屋根塗装におけるケレン作業とは?
・塗装前にケレン作業しないと起こり得るトラブル
・ケレン作業の種類
・ケレン作業は場所によって1〜4種を使い分ける
・外壁や屋根塗装でケレン作業する場合の費用相場
・ケレン作業の工程を省かれないための対策
この記事を読めばケレン作業への知識が深まり、塗装工事の中でも手抜きされやすいと言われるケレン作業を省かれないよう対策することもできるでしょう。
ぜひ、最後まで目を通してみてください。
もくじ
外壁や屋根塗装におけるケレン作業とは?

本章では、外壁や屋根塗装におけるケレン作業がどのような作業かを解説します。
ケレン作業とは、外壁塗装で塗料を塗る前に行う下地処理の1つです。
道具を使用してサビを除去したり、古い塗料の膜を除去したりします。
ケレン作業が必要かどうかは、外壁の状態に応じて業者が判断します。
サビが発生していなかったり、古い塗料の膜が残っていなかったりする場合は、ケレン作業の必要はありません。
ケレン作業を行うことで、外壁塗装を行う前の下地の状態を整えられ、上から塗装する塗料の密着性を高めやすくなります。
塗装前にケレン作業しないと起こり得るトラブル

本章では、塗装前にケレン作業しないと起こり得るトラブルについて解説します。
ケレン作業が必要な状態であるにもかかわらずケレン作業を行わないと、塗装が綺麗に仕上がらなかったり、長持ちしなかったりというトラブルが起こります。
2つのトラブルについて、詳しく見ていきましょう。
綺麗に仕上がらない
塗装前にケレン作業しないと起こり得るトラブルとして、塗装が綺麗に仕上がらないことが挙げられます。
ケレン作業をしない場合、これから塗装しようという外壁に、サビや汚れがこびりついた状態のままとなります。
上記のような状態では、上から新たに塗装しても綺麗に仕上がらない恐れがあるのです。
塗装が長持ちしない
塗装前にケレン作業しないと起こり得るトラブルとして、塗装が長持ちしないことが挙げられます。
外壁塗装では正しく塗装をし、塗料の膜を密着させることで綺麗に仕上がります。
しかし、ケレン作業をしないまま塗装してしまうと、塗料の膜が上手く密着しない場合があるのです。
塗料の膜が上手く密着しないと、耐用年数よりも前に塗装が剥げてしまったり、錆びてしまったりします。
塗装が長持ちしなくなるため、ケレン作業は大切な工程と言えます。
ケレン作業は全部で4種類

本章では、全部で4種類のケレン作業について、1つずつ解説していきます。
・【1種ケレン】サビや腐食が激しい場合
・【2種ケレン】サビや隔離している箇所が多い場合
・【3種ケレン】部分的にサビが発生している場合
・【4種ケレン】サビがそこまで広がっていない場合
それぞれのケレン作業はどのような劣化症状の場合に行うのかや使用する道具、作業内容などについて順に見ていきましょう。
【1種ケレン】サビや腐食が激しい場合
サビや腐食が激しい場合に行うのが、1種ケレンです。
1種ケレンでは、金属片が含まれる研磨剤などを使用します。
ブラスト法という方法で研磨剤などを吹き付けて表面を磨き、サビを落とします。
【2種ケレン】サビや隔離している箇所が多い場合
サビや隔離している箇所が多い場合に行うのが、2種ケレンです。
2種ケレンでは、ディスクサンダーなどの電動工具や金属のワイヤーブラシなどを使用します。
2種ケレンは鉄骨の建物の外壁に行う場合が多く、広範囲に広がるカビや塗料の膜をしっかりと除去する作業です。
【3種ケレン】部分的にサビが発生している場合
部分的にサビが発生している場合に行うのが、3種ケレンです。
3種ケレンでも、ディスクサンダーなどの電動工具を使用します。
場所が狭く、ディスクサンダーで作業できない場合にはサンドペーパーなども使用します。
3種ケレンは、サビが発生している箇所に対して部分的に作業するものです。
【4種ケレン】サビがそこまで広がっていない場合
サビがそこまで広がっていない場合に行うのが、4種ケレンです。
4種ケレンでは、サンドペーパーや専用のスポンジを使用します。
サビはないものの傷や汚れ、チョーキング現象などが現れている場合に行う作業で、古い塗料の膜を除去します。
チョーキング現象とは、触ると白い粉が付着する現象のことです。
ケレン作業は場所によって1~4種を使い分ける

住宅でのケレン作業は、場所によって1〜4種を使い分けることもあります。
前章で説明したとおり、1種〜4種のケレン作業はそれぞれ工具や作業方法などが異なり、一軒の住宅の中でそれぞれの場所に適したケレン作業を行うのです。
たとえば、金属製の雨戸やシャッターは錆びやすいため、1種ケレンや2種ケレンを行う必要があるでしょう。
サビがそこまで進行していない軒先の天井部分の場合は、2種ケレンや3種ケレンを行います。
木部は繊細なため、4種ケレンが適しているでしょう。
外壁や屋根塗装でケレン作業する場合の費用相場

本章では、外壁や屋根塗装でケレン作業する場合の費用相場について解説します。
1種〜4種ケレンの費用相場は以下のとおりです。
・1種:3,000円~6,000円/平方メートル
・2種:1,300円~2,200円/平方メートル
・3種:500円~1,200円/平方メートル
・4種:200円~500円/平方メートル
サビや汚れの症状が多く、広範囲に渡るほど費用がかかります。
ケレン作業は、外壁塗装の下地処理の工程として行われます。
そのため、次の章でも詳しく解説しますが、見積書を確認する際には、ケレン作業がきちんと含まれているかどうか確認しましょう。
ケレン作業の工程を省かれないための対策

本章では、ケレン作業の工程を省かれないための対策について解説します。
ケレン作業は下地処理の1つで、外壁塗装する際に重要な工程です。
しかし、上から新たな塗料で塗装してしまえば、ケレン作業したのかどうかは分かりにくいです。
そのため、ケレン作業は手抜きされやすい工程であると言われています。
ケレン作業の工程を省かれてしまうことのないよう、以下の対策が必要です。
・見積書でケレン作業の内容や費用を確認する
・工程にケレン作業が含まれているか確認する
・工事に立ち会う
それぞれ見ていきましょう。
見積書でケレン作業の内容や費用を確認する
ケレン作業の工程を省かれてしまわないための対策として、見積書でケレン作業の内容や費用を確認しましょう。
そもそも、見積書にケレン作業の記載があるかどうかをよく確認する必要があります。
ケレン作業は「下地処理」や「サビ除去」などと記載されていることもあるため、どの項目がケレン作業に該当するのかがわかりにくい場合には、業者へ確認すると良いでしょう。
その上で、費用が相場に近いかどうかや、どこの場所にどの種類の作業を行うかなどの細かい点も確認しておきましょう。
工程にケレン作業が含まれているか確認する
ケレン作業の工程を省かれてしまわないための対策として、工程にケレン作業が含まれているか確認しましょう。
業者任せにするのではなく、実際に工程表を確認し、工程表にケレン作業がきちんと含まれているかどうか確認しておくことでトラブルの防止に役立ちます。
工事に立ち会う
ケレン作業の工程を省かれてしまわないための対策として、工事に立ち会うようにしましょう。
実際に立ち会って見学するのが一番ではありますが、難しいようであれば、工事の写真などを撮って送ってもらうよう依頼するのも1つの方法です。
外壁や屋根を塗装する場合は、ケレン作業をしっかりと行ってくれる業者に依頼しよう

外壁塗装で行うケレン作業は、塗装の仕上がりを左右する大切な工程です。
ケレン作業は全部で4種類あり、サビや汚れの状況、場所によって使い分けます。
ケレン作業をしっかりと行うことで、新たな塗料が密着しやすくなり、塗装も綺麗に仕上がるでしょう。
そんなケレン作業ですが、ケレン作業を行ったかどうかが素人には分かりにくいことを良いことに、意図的に省かれてしまうケースがあるのです。
ケレン作業が省かれてしまうのを防ぐためには、見積書や工程表を確認したり、工事に立ち会ったりと対策をとることが大切です。
また、そもそもケレン作業をしっかりと行ってくれる、信頼できる業者に依頼することも大事でしょう。
外壁や屋根を塗装する場合は、ケレン作業をしっかりと行ってくれる業者に依頼しましょう。