「屋根の換気棟って何?」
「屋根に換気棟を設置するメリットやデメリットは?」
「屋根に換気棟を設置するのにどのくらい費用がかかるのか気になる」
上記のように、屋根の換気棟を設置するメリットや費用などを詳しく知りたい方は多いでしょう。
この記事では、屋根に設置する換気棟について以下の内容をお伝えします。
・屋根の換気棟とは何か
・換気棟を設置するメリット・デメリット
・換気棟を設置する場合にかかる費用相場
・換気棟の設置方法
・換気棟と併せて使うのがおすすめな設備
・換気棟を設置した後のメンテナンス方法
この記事を読むと、自宅の屋根に換気棟を設置すべきかどうか判断しやすくなるでしょう。
ぜひ、最後まで目を通してみてください。
もくじ
屋根の換気棟とは

本章では、屋根の換気棟について解説します。
屋根の最も高い部分を棟と呼びます。
換気棟は換気のため棟に取り付けられている部材です。
暖められた空気は上昇します。
湿った空気が屋根裏に溜まっていると、木材が湿気を吸って腐食したり、結露が発生したりします。
換気棟は、屋根裏に到達した暖かい空気や湿気を、自然に排出させる機能を備えているのです。
そのため、換気棟を取り付けることで屋根裏の結露や、建物の構造の耐久性が低下するのを防ぎやすくなります。
屋根に換気棟を設置するメリット

本章では、屋根に換気棟を設置するメリットについて解説します。
具体的には、以下のメリットがあります。
・結露やカビの発生を抑える
・シロアリの発生を防ぐ
・木材部分の腐食を防ぐ
・室内が快適になる
それぞれについて、以下で詳しくお伝えします。
結露やカビの発生を抑える
屋根に換気棟を設置すると、結露やカビの発生を抑えられます。
室内の暖かい空気は上昇し、屋根裏に溜まります。
換気棟を設置していれば屋根裏に溜まった湿気を排出してくれるため、結露やカビの発生を抑えやすくなるのです。
シロアリの発生を防ぐ
屋根に換気棟を設置すると、シロアリの発生を防ぎやすくなります。
シロアリは湿度の高い場所を好み、建物の木材の内部を食べるため、繁殖が進むと建物の構造にダメージを与える恐れがあります。
換気棟を取り付けることで室内の湿度を低く保てるようになると、シロアリの発生を防ぎやすくなるのです。
木材部分の腐食を防ぐ
屋根に換気棟を設置すると、木材部分の腐食を防ぎやすくなります。
屋根裏が換気されないと湿気がこもり、野地板や構造部分の木材などに水分が吸収され、腐食しやすくなってしまいます。
木材の腐食が発生するとシロアリが好む環境となり、木材が食べられてしまう恐れがあるため、屋根裏の換気は大切です。
室内が快適になる
屋根に換気棟を設置すると室内が快適になります。
夏場は太陽の光が屋根に当たることで屋根裏が高温になり、室内も暑くなりやすいです。
しかし換気棟を設置した場合、空気が常に入れ替わるため、熱気がこもりにくくなるのです。
室内の温度が快適になればエアコンの使用を減らせ、光熱費も抑えられます。
屋根に換気棟を設置するデメリット

本章では、屋根に換気棟を設置するデメリットをお伝えします。
換気棟は、設置する過程で屋根の下地部分に穴をあける必要があります。
職人の技術が低く経験が浅い場合、施工不良を起こし雨漏りが発生するリスクも伴う作業です。
また、屋根の換気棟は適切な位置に取り付ける必要があります。
換気棟の設置位置は、風の流れや通気口の配置によって決まります。
適切な位置に設置されていないと、風が通り抜けにくくなり、空気がこもりやすくなってしまうのです。
屋根に換気棟を設置する場合は、必ず施工実績が豊富で技術力の高い業者に依頼しましょう。
屋根に換気棟を設置する場合にかかる費用相場

本章では、屋根に換気棟を設置する場合にかかる費用相場について解説します。
屋根に換気棟を設置する場合の費用相場は、1箇所につき2万5,000円~2万8,000円です。
必要な換気棟の数は建物の広さや形状により異なります。
換気棟の設置にかかる費用は換気棟の種類や長さによっても変動するため、上記の金額はあくまでも目安として把握しておくと良いでしょう。
具体的な金額は、見積書で確認すると安心です。
換気棟の設置は、新築や屋根のリフォームの際に行われることが多いです。
屋根に換気棟を設置する方法

本章では、屋根に換気棟を設置する方法について解説します。
屋根に換気棟を設置する際は、以下の手順で設置します。
1.貫板と棟板金を取り外す
2.下地に穴をあける
3.換気棟を設置する
それぞれの工程について、以下で詳しく説明します。
1.貫板と棟板金を取り外す
屋根に設置されている貫板(ぬきいた)と棟板金(むねばんきん)を取り外します。
棟板金は雨水の浸入を防ぐ役割を持つ板金です。
貫板とは、棟板金を固定している板のことです。
2.下地に穴をあける
続いて、下地に穴をあけます。
屋根裏の湿気や熱を排出し、換気を行うための換気口を作るためです。
雨漏りなどのリスクが伴う工程であるため、適切な位置に穴をあけ、正しい処理を行うことが重要です。
3.換気棟を設置する
最後に換気棟を設置します。
換気棟の設置後は、シーリング材や防水テープを使用して防水処理を施します。
防水処理が適切に実施されていないことにより雨水が浸入し、雨漏りの原因となるリスクがあるため、重要な手順です。
換気棟と併せて使うのがおすすめな設備

本章では、換気棟と併せて使うのがおすすめな設備をご紹介します。
例えば、軒裏換気(のきうらかんき)や妻壁換気(つまかべかんき)があります。
軒裏換気、妻壁換気ともに換気棟と併用することで空気が循環しやすくなり、室内の快適性を保ちやすくなります。
それぞれについて、以下で詳しく説明します。
軒裏換気
軒裏換気は、屋根の軒先の裏側部分である軒裏(軒天)に換気口を取り付け、外気を取り入れる換気方法です。
換気棟と軒裏換気を併用することにより、屋根裏部分の空気や湿気を排出でき、室内の温度を快適な状態に保ちやすくなります。
妻壁換気
屋根の上部には、妻という箇所があります。
その部分に換気口を取り付ける方法です。
妻壁換気と換気棟を効果的に組み合わせることで外部からの風が通り、室内の空気や湿気が排出されます。
妻壁換気は、通気性の向上に優れているものの、雨水が浸入しやすいというデメリットもあります。
換気棟を屋根に設置した後のメンテナンス方法

本章では、換気棟を屋根に設置した後のメンテナンス方法について紹介します。
具体的には、以下のメンテナンスを行うと良いでしょう。
・コーキングを補修する
・塗装する
・釘やビスを固定し直す
それぞれについて、以下で詳しく説明します。
コーキングを補修する
棟板金と換気棟の間にはコーキングが施されています。
時間が経つにつれてコーキングにひび割れや肉痩せなどの劣化症状が出てきます。
上記の症状を放置すると、ひび割れた部分の隙間などから雨水が浸入し、さらには下地までも腐食させてしまう恐れがあるのです。
塗装する
換気棟の塗料の膜を保護するために、定期的に塗装しましょう。
金属製の場合が多い換気棟の塗料の膜は、雨水によって色褪せたり錆びたりします。
色褪せやサビを放置すると、塗料の膜の剥がれやサビの進行につながります。
さらには雨水の浸入につながる恐れもあるため、定期的なメンテナンスが大切です。
釘やビスを固定し直す
経年劣化により、換気棟を取り付けている釘やビスが緩んだり外れたりしてしまうケースがあります。
放置すると、強風によって換気棟が飛んでしまう恐れもあります。
釘やビスはしっかりと固定し直し、定期的に確認しましょう。
屋根に換気棟を設置したい場合は熟練の業者に依頼しよう

屋根の換気棟は、屋根の最も高い部分である棟に取り付けられている、換気のための部材です。
屋根に換気棟を設置することで、室内の空気や湿気を排出し外部の空気を取り込めるため、結露やカビの発生を抑えやすくなるのです。
また、湿気を好むシロアリの発生を防ぐメリットもあります。
換気棟の設置作業では、屋根の下地部分に穴をあけます。
施工不良を起こすと雨漏りのリスクが高まってしまうため、換気棟の設置作業は施工実績が豊富で技術力の高い業者に依頼すると安心です。
屋根に換気棟を設置したい場合は、熟練の業者に依頼しましょう。