「自宅の屋根をカバー工法で修理したいけど、ガルバリウム鋼板を使うべきか迷っている」
「屋根のカバー工法にガルバリウム鋼板を使った場合の費用はいくらぐらい?」
屋根のメンテナンスを検討している人の中には、上記のように悩んでいる人もいるでしょう。
この記事では屋根のカバー工法にガルバリウム鋼板を使うメリット・デメリットや費用相場を紹介しています。
ほかにもカバー工法で屋根を修理するのが向いているケース・向いていないケースも解説しています。
この記事を読めば、自宅の屋根をカバー工法でメンテナンスすべきかや、ガルバリウム鋼板を使うべきかの判断がしやすくなるでしょう。
ぜひ最後まで目を通してみてください。
もくじ
屋根のカバー工法にガルバリウム鋼板を使うメリット

屋根のカバー工法にガルバリウム鋼板を使うメリットはいくつかあります。
具体的には、以下のとおりです。
・錆びにくい
・屋根材が軽い
・断熱性や遮音性が向上する
・費用を抑えられる
・工期が比較的短い
以下で順番に見ていきましょう。
錆びにくい
屋根のカバー工法にガルバリウム鋼板を使うメリットの1つは、錆びにくいといった点です。
ガルバリウム鋼板は亜鉛とアルミニウム、シリコンからできています。
亜鉛はいずれ酸化して錆びやすくなりますが、アルミニウムが酸化して溶けだした箇所をカバーすることで錆びにくくします。
屋根材が軽い
屋根材が軽い点も、屋根のカバー工法にガルバリウム鋼板を使うメリットです。
屋根材は重いと、地震の際に建物が大きく揺れてしまう恐れがあります。
しかし屋根材が軽い場合は、地震の際に揺れの影響を受けにくくなります。
そのため耐震性を重視している場合は、ガルバリウム鋼板がおすすめです。
断熱性や遮音性が向上する
断熱性や遮音性が向上する点も、屋根のカバー工法にガルバリウム鋼板を使うメリットです。
カバー工法の場合、屋根が二重になるため雨音などが響きにくくなります。
また古い屋根と新しい屋根の間に空気の層ができるため、断熱効果も上がります。
費用を抑えられる
費用が抑えられる点も、屋根のカバー工法にガルバリウム鋼板を使うメリットです。
古い屋根を撤去して新しい屋根を設置する葺き替え工事の場合、屋根材の撤去費用や処分費用がかかります。
しかしカバー工法では古い屋根材はそのまま残すため、上記の費用は一切かかりません。
そのためカバー工法は、葺き替え工事に比べると費用を抑えられます。
工期が比較的短い
工期が比較的短い点も、屋根のカバー工法にガルバリウム鋼板を使うメリットです。
葺き替え工事の場合は前述したとおり、古い屋根材を撤去する必要があります。
しかしカバー工法の場合、上記の工程がありません。
そのため葺き替え工事に比べると、工期が短いといったメリットがあります。
屋根のカバー工法にガルバリウム鋼板を使うデメリット

屋根のカバー工法にガルバリウム鋼板を使うメリットは多くありますが、以下のようなデメリットもあります。
・結露が発生しやすい
・重厚感がない
・絶対錆びないわけではない
以下で1つずつ、解説していきます。
結露が発生しやすい
屋根のカバー工法にガルバリウム鋼板を使うデメリットの1つは、結露が発生しやすいといった点です。
ガルバリウム鋼板は金属製のため、熱伝導性が高いです。
そのため外の気温が低ければ屋根の表面温度も低くなり、外の気温が高ければ屋根の表面温度も高くなります。
たとえば冬場は多くの住宅でエアコンを使って室内を温めるため、温かい空気が屋根裏に溜まりますが、外の気温は低いため、温度差が大きくなります。
外と室内の温度差が大きくなると結露が発生しやすくなり、放置するとカビの発生など
トラブルが起きやすいので注意が必要です。
重厚感がない
重厚感がない点も、屋根のカバー工法にガルバリウム鋼板を使うデメリットです。
たとえば瓦やスレートの場合、ずっしりとした印象なので重厚感のある外観にしやすいでしょう。
しかしガルバリウム鋼板は、どちらかと言うとスタイリッシュな印象なので、元々の外壁のデザインによっては合わない可能性もあります。
また人によっては好き嫌いが分かれるかもしれません。
絶対錆びないわけではない
ガルバリウム鋼板は絶対錆びないわけではありません。
たとえばカバー工法の施工時に傷が生じた場合、そこからサビが発生する可能性があります。
また海に近い地域の場合、どうしても海の塩による影響を受けやすいです。
そのため他の地域に比べて、早い段階でサビが発生するケースも考えられます。
ガルバリウム鋼板はトタンなどの金属屋根に比べると錆びにくいと言われていますが、100%錆びないといったわけではないので注意しましょう。
ガルバリウム鋼板を使ったカバー工法にかかる費用相場

ガルバリウム鋼板を使ったカバー工法にかかる費用相場は、30坪の住宅で100万円~240万円ほどでしょう。
ただし足場の組み立てやすさや、屋根の傾斜、屋根の面積などによって金額は変わってきます。
正確な費用が知りたい場合は、業者に見積もりを取ってみるとよいでしょう。
カバー工法で屋根を修理するのが向いているケース

屋根をメンテナンスするのに、葺き替え工事とカバー工法で迷っている人も多いかと思います。
本章ではカバー工法で屋根を修理するのが向いているケースを3つ紹介します。
・劣化が軽度な場合
・コストを抑えたい場合
・室内の温度を快適に保ちたい場合
1つずつ順に見ていきましょう。
劣化が軽度な場合
劣化がそこまで進んでいない場合は、カバー工法で修理するのが向いているでしょう。
もし屋根材の下に設置している野地板が破損していたり、防水シートが経年劣化によって防水効果を失っていたりする場合は、下地も交換する葺き替え工事が必要となります。
しかし野地板や防水シートがそこまで劣化していない場合は、カバー工法で対処可能です。
コストを抑えたい場合
コストを抑えたい場合も、カバー工法で修理するのが向いているでしょう。
前述した通り、カバー工法では古い屋根材や下地を撤去する作業がありません。
また屋根材にアスベストが使われている場合、葺き替え工事であれば、アスベストの飛散対策や処分費用などがプラスでかかってしまいます。
しかしカバー工法であれば、アスベストが含まれていても上から屋根材を被せれば問題ないので、上記の費用はかかりません。
そのためカバー工法は、コストを抑えて屋根をメンテナンスしたいといった場合に向いています。
室内の温度を快適に保ちたい場合
室内の温度を快適に保ちたい場合も、カバー工法で修理するのが向いているでしょう。
前述した通り、カバー工法で修理すると屋根が二重になるため、屋根と屋根の間に空気層ができ、断熱性が向上します。
そのため冬は室内の温度を逃がしにくく、夏は外の気温の影響を受けにくくすることが可能です。
またガルバリウム鋼板には断熱材付きの商品もあるので、室内の温度を快適に保ちたいといった場合におすすめです。
カバー工法で屋根を修理するのが向いていないケース

カバー工法で屋根を修理するのが向いていないケースもあります。
具体的には以下のケースです。
・下地材の劣化が激しい場合
・現在、瓦屋根の場合
・雨漏りしている場合
・以前にカバー工法で修理している場合
以下でそれぞれについて詳しく解説していきます。
下地材の劣化が激しい場合
下地の劣化が激しい場合は、カバー工法で屋根を修理するのは向いていません。
カバー工法でなく葺き替え工事の方がよいでしょう。
もし野地板が破損していたり防水シートの効果が薄れていたりする場合、上から新しい屋根材を被せても、後に雨漏りなどのトラブルが発生する可能性があります。
せっかく新しい屋根材を被せたのに、再度取り外して修理する必要がでてくるケースもあるので、下地の劣化が激しい場合は葺き替え工事をおすすめします。
現在、瓦屋根の場合
現在、住宅の屋根が瓦である場合も、カバー工法で屋根を修理するのは向いていません。
瓦は凹凸となっているため、上から新しい屋根材を設置するのは難しいです。
たとえ新しい屋根材を重ねられたとしても、元々の屋根である瓦と新しい屋根材で、屋根が重くなりすぎてしまいます。
雨漏りしている場合
雨漏りしている場合も、カバー工法で屋根を修理するのはやめておきましょう。
雨漏りの原因が正確に特定されていなければ、再発する恐れがあるからです。
もし新しい屋根材を被せた後に雨漏りが再度発生した場合、新しい屋根材だけでなく、古い屋根材も取り外すことになり、修理費用もかかってきます。
余計な手間や費用の発生を防ぐためにも、雨漏りしている場合はカバー工法でのメンテナンスはやめておきましょう。
以前にカバー工法で修理している場合
以前にカバー工法で修理している場合も、カバー工法で修理するのはやめておきましょう。
すでに屋根材が二重になっているので、さらに上から新しい屋根材をのせると重くなりすぎてしまいます。
屋根が重くなると、地震が発生したときに建物自体の揺れが大きくなりやすいです。
そのため以前にカバー工法で修理したことがある場合は、葺き替え工事などを検討してみてください。
ガルバリウム鋼板を使ってカバー工法で屋根を修理するか迷ったらプロの業者に相談しよう

屋根のカバー工法にガルバリウム鋼板を使用することで、断熱性・遮音性を向上させるほか、他の屋根材に比べて軽いなどのメリットがあります。
一方で、結露が発生しやすいほか、重厚感のある外観に仕上げにくいといったデメリットもあるので注意してください。
ガルバリウム鋼板を使ったカバー工法にかかる費用相場は、30坪の住宅で100万円~240万円ほどとなります。
メリットやデメリット、費用相場は理解できても、自宅の屋根に本当にガルバリウム鋼板が合っているのか不安な場合は、プロの業者に相談することをおすすめします。