「そろそろ外壁塗装を考えているけど、高いのかな?」
「いくらぐらい費用がかかるのか心配」
なかなか依頼する機会がない外壁塗装の工事費用の相場について、不明点が多く困っている方も多いのではないでしょうか。
初めての外壁塗装なら、なおさらでしょう。
外壁塗装の費用相場や費用を安く抑える方法を知らずに施工を依頼した場合、相場以上の高額な出費となることがあります。
この記事では、外壁塗装の費用相場を知りたい方へ、費用を節約する方法や見積もりの見方に役立つ作業別・塗料別の費用相場もあわせてご紹介します。
具体的に以下の項目を解説していきます。
・外壁塗装の費用相場
・費用が高くなるケース
・費用を安く抑える3つの方法
・優良業者の特徴
・料金を支払うタイミングや方法
大切なお住まいの外壁塗装を納得できる費用と内容で行えるよう、ぜひ最後までご覧ください。
もくじ
【一軒家】外壁塗装の費用相場はいくら?
はじめに、一軒家の外壁塗装の費用相場を紹介します。
延床面積ごとに見ていきましょう。
注:()内は外壁の面積となります。
・20坪(79.2平方メートル) :約40~120万円
・30坪(118.8平方メートル):約60~120万円
・40坪(158.4平方メートル):約70~130万円
・50坪(198.0平方メートル):約90~160万円
・60坪(237.6平方メートル):約100~200万円
一般的に延床面積を1.2倍したものが、外壁の面積とされています。
延床面積が30坪の場合、1坪を3.3平方メートルとして以下の計算で外壁面積を求めます。
・延床面積:30坪×3.3平方メートル=99平方メートル
・99平方メートル×1.2=118.8平方メートル
これにより延床面積30坪の一軒家の一般的な外壁塗装の相場は、約60〜120万円と言えます。
【塗料や作業別】外壁塗装の価格相場
本章では外壁塗装に使用する塗料や、施工に伴う作業の相場を紹介します。
見積もりを提示された際に適正価格か判断するためにも、ぜひ目を通してください。
塗料別の価格相場
外壁塗装に使用される塗料の、おおよその費用を紹介します。
・アクリル塗料相場:1,000~1,800円/平方メートル
・ウレタン塗料相場:1,500~2,500円/平方メートル
・シリコン塗料:1,800~3,500円/平方メートル
・フッ素塗料:3,000~5,000円/平方メートル
・無機塗料:3,500~6,000円/平方メートル
上記のように、使用する塗料により相場が異なります。
機能や効果、耐用年数によって、価格が異なると理解してよいでしょう。
作業別の価格相場
外壁塗装に伴う作業の費用(人件費)相場をまとめました。
現地の状況により作業する人数や補修内容が変わるため、目安としてご覧ください。
【足場の組み立て】
住宅の周囲に組み立てられる足場は、作業スペースの確保のため必ず設置されるものです。
相場:600~900円/平方メートル
【飛散防止ネットの設置】
組んだ足場にネットを張り、周囲に塗料等の飛散を防ぎます。
相場:100~200円/平方メートル
【高圧洗浄】
外壁に塗料を密着させるため、汚れを落とす作業です。
相場:100~300円/平方メートル
【下地補修】
塗装前に劣化した箇所を補修します。補修の程度により相場には幅があります。
相場:劣化状況による
【下塗り】
外壁に上塗り塗料をしっかり接着させるための作業です。
相場:600~1,000円/平方メートル
【中塗り+上塗り】
塗料を重ね塗りします。
1回目を中塗り、2回目を上塗りといい、ムラなく均一に仕上げるため2度塗りをします。
相場:1,000~6,000円/平方メートル
そのほか廃材やゴミ処理代、作業員の交通費・出張費、現場管理費などの作業費は、業者によって異なります。
外壁塗装の費用が高くなる6つの要因
施工内容によっては、相場よりも費用が高くなることがあります。
見積もりを見て「高いかも?」と思ったら、次の6項目を確認してみましょう。
・特殊塗料を使う
・補修が必要になりやすい外壁材を使っている
・足場が組み立てにくい
・建物の付帯部が多い
・使いたい色の数が多い
・外壁の劣化が進んでいる
以下で1つずつ解説していきます。
特殊塗料を使う
特殊塗料を選んだ場合、費用が高くなることがあります。
たとえば光触媒塗料や遮熱塗料、断熱塗料などの特殊塗料は、それぞれセルフクリーニングや断熱など高機能を備えているため、価格が高い傾向があります。
補修が必要になりやすい外壁材を使っている
外壁の種類により、塗装前に補修やメンテナンスが必要になり、外壁塗装の費用が高くなる場合があるので注意してください。
たとえばサイディングやALC外壁などは、劣化しやすい目地のメンテナンスが塗装前に必要なため、費用がかさむことがあります。
足場が組み立てにくい
3〜4階建てや傾斜がある場所など、足場が組みにくい場合も費用に影響します。
足場の組み立てに時間がかかったり、昇降機の設置の必要があったりと、手間がかかる分、費用がかかるからです。
建物の付帯部が多い
建物の付帯部が多い場合も、費用が高くなりやすいです。
付帯部とは、雨樋、雨戸、軒天(建物から伸びた屋根の裏側)、シャッターボックス、玄関ドアなど、外壁に付帯する部分を指します。
付帯部の細かい部分を塗る作業に手間がかかるため、付帯部が多い場合は費用が高くなります。
使いたい色の数が多い
使いたい色の数が多い場合も、費用がかさみやすいと言えます。
たとえば、ツートーンカラーや場所ごとに色を分けるなど、複数の色を使用する場合です。
仕入れる塗料が増えるほか、塗り分ける労力を要することから、費用が上がるケースがあります。
外壁の劣化が進んでいる
外壁の劣化が進んでいる場合も、費用が高くなりやすいでしょう。
外壁にひび割れや穴・傷などがある場合は、塗装前に補修が必要なため、修繕費用がかかるからです。
サビや雨漏りしているなどの劣化も同様で、補修せずそのまま塗装してしまうと内部の腐食などが進行するため、補修する必要があります。
外壁塗装の費用を安く抑える方法3つ
外壁塗装には少なくとも数十万円以上の費用がかかりますが、以下の方法で費用を抑えられる場合があります。
・冬や梅雨に工事を依頼する
・助成金や補助金を活用する
・地元密着型の業者に依頼する
以下で1つずつ解説していきます。
冬や梅雨に工事を依頼する
費用を安く抑えるには、冬や梅雨に工事を依頼するといった方法が効果的です。
冬や夏、梅雨の時期は塗装工事の閑散期になります。
この時期は外壁塗装の施工に適した季節とは言えないため、依頼が少なく割引価格を設定している業者もいます。
ただし夕立や降雪、日照時間などの天候に左右されやすく、工期が伸びるなどのデメリットもあるため、まずは業者へ相談してみましょう。
助成金や補助金を活用する
助成金や補助金を活用する方法も、費用を安く抑えられます。
市町村により、外壁塗装工事へ助成金や補助金が交付される制度があるからです。
「住宅リフォーム資金補助金」や「住宅改修助成金」など、市町村により名称は異なりますが、申請条件を満たせば工事費用の5%〜10%程の交付が受けられるお得な制度です。
本章では、埼玉県の助成金・補助金制度を2つ紹介します。
■川越市:住宅改修助成金制度
川越市住宅改修補助金制度は、市内の施工業者が行う工事金額20万円以上(税別)のリフォームが助成の対象となります。
受付期間が3期あるため、申請の際は日程がそれぞれ異なる点に注意しましょう。
【受付期間】
・前期・中期・後期の3回
・受付期間は公式サイトで要確認
【条件】
・川越市に住民登録がある
・リフォームする住宅の所有者
・該当住宅に居住している
・市税の滞納がない
・過去にこの制度を利用していない
・施行業者が発行した領収書の写しを提出できる
【助成金額】
・工事費用(税別)の5%(上限5万円)
※1,000円未満の端数切捨て
■羽生市:住宅改修(リフォーム)補助金
羽生市住宅改修(リフォーム)補助金の交付は、市内の施工業者が行う工事費20万円(税別)以上のリフォームが対象です。
年度内に工事と検査が完了することも条件となります。
【受付期間】
令和5年度の申請を受付中(年度内の予算額に達した場合は受付終了)
【条件】
・工事着手前である
・羽生市に住民登録がある
・対象住宅に居住している
・市税を完納している
・対象住宅について初めての利用である
・市で実施する他の同様の補助金交付を受けていない
【助成金額】
・工事費(税別)の5%(上限10万円)
※1,000円未満切捨て
該当する市町村に助成金・補助金制度があれば、外壁塗装に活用できるか確認してみましょう。
地元密着型の業者に依頼する
地元密着型の業者へ直接依頼する方法も、費用を抑えるのにおすすめです。
大手の工事業者は下請け業者に施工を依頼するケースが多く、紹介料などの費用がかかるため費用が高くなる傾向があります。
その点、地元密着型の業者は自社での作業となることが多く、余計なコストが発生せず費用が抑えられると言えます。
外壁塗装の優良業者の特徴
前章で費用を安く抑える方法を紹介しましたが、費用の安さだけで業者を選ぶことはリスクを伴うことがあります。
外壁塗装は、必要な工事を適正な価格で行う優良業者に依頼することが、何より重要と言えるでしょう。
本章では、信頼できる業者かどうかを判断するポイントを紹介します。
見積書に必要事項が細部まで記載されている
見積書に必要事項が細部まで記載されているかは、優良業者か判断できるポイントです。
たとえば、住宅の正しい平米数や使用する塗料の製品名、足場代や高圧洗浄等の作業別の項目が記載されているかを確認しましょう。
「一式」などの記載で、どのような費用か分からない見積もり内容には注意が必要です。
見積書に作業内容や、詳細を詳しく記載している業者は信頼できると言えます。
事前の建物点検が丁寧である
優良な業者の特徴として、事前の建物点検が丁寧である点も挙げられます。
見積もり作成には事前の建物点検が欠かせません。
15分ほどの簡単な点検のみや、口頭の依頼内容だけで見積もりを出すような業者の場合、点検不足により追加工事の費用が発生することもあります。
その点、優良な業者は約30分〜60分ほどの時間をかけ隅々まで確認した上で、補修が必要な箇所がないかを点検してから見積もりを提示します。
外壁塗装の料金を支払うタイミングや方法
本章では、外壁塗装の支払いのタイミングと支払い方法を紹介します。
支払うタイミング
外壁塗装の支払うタイミングは、主に以下の2通りです。
・工事完了後の一括払い
・工事前と工事完了後の2回払い
完了後の一括払いは、工事完了を見届けての支払い、2回払いは着手前と完了後に別けて支払います。
中には、着工前に工事費を全額支払ったにもかかわらず、工事途中で業者と連絡が取れなくなったというトラブル報告もあるため、施工前の全額請求には注意が必要です。
支払い方法
現金での支払いのほか、最近ではクレジットカード払いやローンを組める業者も増えてきました。
高額になることが多い外壁塗装の費用を、どのように支払えるかも事前に業者へ確認しましょう。
外壁塗装の相場はあくまで目安!ケースによって異なるので見積もりを取ってみよう
外壁塗装の費用は、大切な住まいを維持するために必要なランニングコストです。
市町村の助成金制度の活用や依頼時期を検討し、費用を安く抑えられる場合もあります。
また、劣化状況や使用する塗料などにより費用が異なるため、紹介した相場はあくまで参考程度にしておくことを、おすすめします。
まずは見積もりを取り、自身の場合はどのくらい費用がかかるのか、確認してみましょう。