「外壁塗装の下地処理は必要?」
「外壁塗装の下地処理にはどんな役割がある?」
「外壁塗装の下地処理にかかる費用はいくら?」
このような疑問を持つ方は多いでしょう。
本記事では、以下について解説します。
・外壁塗装で下地処理が重要な理由
・外壁塗装で下地処理を行わないと起こり得るトラブル
・外壁塗装で行う下地処理の種類
・外壁塗装の下地処理にかかる費用相場
・【外壁材別】外壁塗装で行う下地処理の方法
・外壁塗装の下地処理に使う塗料の種類
外壁塗装の下地処理について網羅していますので、この記事を読めば疑問の解消に役立つでしょう。
外壁塗装の下地処理に悩んだら、ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
外壁塗装で下地処理が重要な理由
本章では、外壁塗装で下地処理が重要な理由について解説します。
下地処理とは、塗装を始める前の下準備にあたる工程です。
下地処理をしっかりと行うことで、外壁塗装の仕上がりが良くなります。
汚れを落とさずに上から塗料を塗っても、塗料は密着しにくくなってしまいます。
また、サビやホコリ、カビ、コケなどの汚れを取り除かないまま塗装すれば、施工不良が起こりやすくなる上に塗装も長持ちしません。
外壁塗装の下地処理は美しい外観の維持や耐久性の向上、外壁の保護に欠かせないと言えるでしょう。
外壁塗装で下地処理を行わないと起こり得るトラブル
外壁塗装で下地処理を行わないと起こり得るトラブルについて見ていきましょう。
・ひび割れの再発
・サビの再発
・塗膜の剥がれ
・塗膜の膨れ
それぞれについて、以下で詳しく解説します。
ひび割れの再発
外壁塗装で下地処理を行わないと起こり得るトラブルに、ひび割れの再発があります。
元々ひび割れがあった場合、下地処理を行わないまま塗装してしまうと再度ひび割れになりやすくなります。
ひび割れを起こしたままにしておくと、外壁材に雨水が浸み込んだり、腐食したりする場合もあるので注意しましょう。
サビの再発
外壁塗装で下地処理を行わないと起こり得るトラブルに、サビの再発があります。
サビは放っておくと広がったり、外壁にダメージを与えたりしてしまいます。
元々サビがあった場合に下地処理を行わないまま塗装すると、再度サビが発生しやすくなってしまうので注意してください。
下地処理では、サビの汚れもしっかり落とすことが肝心です。
塗膜の剥がれ
外壁塗装で下地処理を行わないと起こり得るトラブルに、塗膜の剥がれがあります。
塗膜とは、塗料の膜のことです。
下地処理の段階で汚れをしっかりと落とさず塗装を行うと、新しい塗料が密着しません。
下地処理が不十分な状態で外壁塗装を行っても、塗膜が数年で剥がれてしまう場合があるのです。
新たな塗装を長持ちさせるためにも、下地処理は欠かせない工程です。
塗膜の膨れ
外壁塗装で下地処理を行わないと起こり得るトラブルに、塗膜の膨れがあります。
きちんとした下地処理を行わなかったり、乾燥時間が不十分なまま塗料を塗ったりすると、塗膜下にある水分が気化し、膨れが発生する場合があるのです。
後々修復が必要になってしまわないよう、下地処理はしっかり行いましょう。
外壁塗装で行う下地処理の種類
本章では、外壁塗装で行う下地処理の種類について解説します。
・高圧洗浄
・ケレン
・コーキング補修
・シーリング補修
それぞれ、どのような処理を施すのか説明します。
高圧洗浄
高圧洗浄とは、強力な水圧で汚れやカビ、コケなどを洗い流す方法です。
外壁に残る古い塗料の塗膜を洗い流したりもします。
外壁塗装前に汚れを十分に取り除くことは塗装の仕上がりにも影響するため、高圧洗浄は重要な作業です。
ケレン
ケレンとは、塗装面についたサビや古い塗膜を落とす作業です。
電動工具や、紙ヤスリ、ワイヤーブラシなどを用いて手作業で行います。
ケレンの種類は1種から4種までありますが、これはサビの程度や作業方法によって分けられています。
サビはしっかりと落とさなければ再び発生してしまうため、ケレンでの下地処理も大切な作業です。
コーキング補修
コーキング補修とは、サイディング外壁のパネル同士の隙間にコーキング剤を埋める作業方法です。
コーキング補修の方法は、2種類あります。
1つは、すでにあるコーキングに新たなコーキング剤を補充する「増し打ち」という方法です。
もう1つは「打ち替え」で、古いコーキングを除去し、新しいコーキング剤に入れ替える方法です。
シーリング補修
シーリング補修とは、先述のコーキング補修とほぼ同じものと考えられています。
シーリング剤(コーキング剤)で隙間やひび割れなどを埋める作業で、外壁塗装を長持ちさせるために大切な作業です。
隙間を放っておくと雨漏りにも繋がりかねません。
そのような事態にならないためにも、シーリング補修は必要な下地処理となります。
外壁塗装の下地処理にかかる費用相場
本章では、外壁塗装の下地処理にかかる費用相場について解説します。
それぞれの費用相場は以下の通りです。
・高圧洗浄:100円~300円/平方メートル
・ケレン(4種の場合):200円~500円/平方メートル
・コーキング補修(増し打ち):500円~900円/メートル
・コーキング補修(打ち替え):800円~1,200円/メートル
・シーリング補修(小さなひび割れの場合):300円~900円/メートル
・シーリング補修(大きなひび割れの場合):1,500円~2,000円/メートル
上記の費用相場はあくまでも目安となりますが、下地処理ごとの価格を事前に知りたい場合には、ぜひ参考にしてみてください。
【外壁材別】外壁塗装で行う下地処理の方法
本章では、外壁塗装で行う下地処理の方法について、以下の外壁材別に説明します。
・サイディング
・モルタル
・鉄製部分
・木製部分
それぞれについて、以下で詳しく解説します。
サイディングの下地処理方法
サイディングの下地処理方法について説明します。
サイディングのひび割れの下地処理は、以下の流れで行われます。
・ひび割れている部分の汚れを除去する
・下塗り塗料のプライマーを塗布する
・シーリング剤でひび割れを埋める
・モルタルで表面を埋める
サイディングの主成分であるセメントは吸水性が高いため、塗装により防水性を高める必要があります。
モルタルの下地処理方法
モルタルの下地処理方法を説明します。
モルタルのひび割れは、以下の流れで処理します。
・ひび割れ部分の断面を、U字になるようカットする
・乾燥させ、ホコリを除去し、シーリングのプライマーを塗布する
・シーリング剤で埋める
・防水モルタルを塗布する
・補修箇所と外壁の色に差が出ないよう塗装する
部分的に補修した場合でも、周りの色と合わなければ、外壁全体を塗り直すことがあります。
鉄製部分の下地処理方法
鉄製部分の下地処理方法を説明します。
・ケレンで劣化した旧塗膜を除去する
・手作業でサビを除去する
・汚れを拭き取り綺麗にする
鉄製部分に出来たサビは再発する場合があるため、しっかりと除去します。
木製部分の下地処理方法
木製部分の下地処理方法を説明します。
・高圧洗浄などでコケや汚れを落とし乾燥させる
・木材の表面を研磨する
・木部表面をヤスリで削る
・処置の際に出た木屑を除去する
再塗装の際、新たな塗料が乗りやすくなるよう、上記の処置を施します。
外壁塗装の下地処理に使う塗料の種類
本章では、外壁塗装の下地処理に使う塗料の種類を解説します。
・プライマー
・シーラー
・フィラー
・サーフェイサー
それぞれについて、どのような特徴を持つのか見ていきましょう。
プライマー
プライマーとは、下塗り塗料全般のことを指す呼び方です。
後述するシーラーとの間に、明確な区別はありません。
プライマーを塗装することで、外壁と上塗り塗料を密着させることができ、外壁塗装を丈夫で綺麗な状態に保ちます。
シーラー
シーラーは、下塗り塗料の1つです。
プライマーとの大きな違いはありませんが、シーラーには上塗り塗料と密着させたり、塗料のムラを防いだりする効果があります。
フィラー
フィラーも下塗り塗料の1つですが、表面の凹凸を平らにできます。
プライマーやシーラーに比べて粘度が高く、表面にヒビや割れがある状態でも、パテのように使用できます。
サーフェイサー
サーフェイサーとは、下塗り材と上塗り材の間に使用する塗料です。
シーラーを塗った後に、密着性を高めたり、下地の微調整をしたりできます。
厳密には、下塗り塗料ではなく中塗り塗料となります。
外壁塗装をする場合は下地処理を省略せず必ず行おう
外壁塗装をする場合、下地処理は必ず行うべきかどうかで悩む方は多いでしょう。
外壁塗装の下地処理はとても大切で、下地処理をせずに塗装を始めてしまうと後々困ることにもなりかねません。
下地処理を行わずに外壁塗装を始めた場合、どのようなトラブルが起こり得るのか事前に知識を得ておくと安心です。
外壁塗装の費用はできるだけ抑えたいところですが、だからといって下地処理は省略せず、必ずプロの業者に処置してもらいましょう。