「外壁塗装は、なぜ3回も塗る必要があるのか分からない」
「3回塗りしなくていい場合があれば知りたい」
外壁塗装は3回塗りが基本ですが、なぜ1回で済ませられないのか疑問に思われることはありませんか。
本記事では3回塗りが必要な理由や省くと起こり得るトラブル、例外となるケースについて解説します。
具体的に解説するのは、下記の内容です。

・3回塗りが必要な理由
・3回塗りを省略すると起こるトラブル
・外壁塗装で3回以上塗るケース
・外壁塗装で3回塗りしないケース
・塗装回数を省かれないための対策

外壁塗装で3回塗りをする理由は、それぞれの塗装に役割があるためです。
故意に塗装回数を省く悪質業者も存在するため、見積もり書や工程表をチェックすることも大切になります。
本記事を読めば外壁塗装で3回塗りが必要な理由を理解でき、悪質な業者を避けやすくなります。

外壁塗装では3回塗りが必要

外壁塗装では下塗りと中塗り、上塗りの3回塗りが必要です。
各塗装には役割があり、どれか1つでも欠けると仕上がりに響いてしまいます。
塗装ごとの役割をくわしく解説しますので、参考になれば幸いです。

下塗り(1回目)の役割

下塗りは外壁表面を滑らかに整え、中塗りや上塗りの密着性を高める目的で行います。
塗料が外壁に吸い込まれるのを防ぎ、仕上がりを美しくするために重要な工程です。
使用する塗料や外壁材によって選択する下塗り材は異なるため、業者と相談して決めるのをおすすめします。

中塗り(2回目)の役割

中塗りには色を付けたり、塗装面に厚みを付けたりする目的があります。
塗装面に厚みが必要な理由は、塗料本来の性能を発揮するのに必要なためです。
上塗りのみではムラになったり、塗料の膜に厚みが不足したりしてしまいます。
住宅の外壁塗装では、中塗りと上塗りは同じ色を使用するのが一般的です。

上塗り(3回目)の役割

上塗りは、塗装の色や仕上がりを最終的に決める工程です。
適切な塗布量や塗装の厚みを確保し、耐久性を高めます。
塗装面を美しい仕上がりにするために、上塗りは必要不可欠です。

外壁塗装で3回塗りしないと起こり得るトラブル

もし外壁塗装で3回塗りしなかった場合に起こり得るのが、以下のトラブルです。

・色ムラが発生する
・剥がれや膨れが生じる
・長持ちしない

それぞれのトラブルについて、順に解説します。

色ムラが発生する

塗装回数を減らしてしまうと、色ムラが発生しやすくなります。
下塗りを行わないと、仕上げ塗料が外壁材に吸い込まれたり、密着しなかったりするためです。
また、中塗りや上塗りを省いてしまうと、仕上げ塗料の塗布量が足りず色ムラを起こします。
色ムラのない美しい仕上がりには、3回塗りが欠かせません。

剥がれや膨れが生じる

剥がれや膨れといった不具合も、適切な塗装を行わないと起こり得るトラブルです。
適切な下塗りを行わないと、仕上げ塗料がうまく密着せず剥がれてきてしまいます。
剥がれや膨れがあると塗装本来の保護機能を発揮できず、劣化する原因になります。
予防するには適切な下塗り材や仕上げ塗料を使用し、塗装回数を守ることが重要です。

長持ちしない

3回塗りを守らないと、塗料本来の耐用年数より早く劣化してしまいます。
剥がれや膨れなど劣化症状のある外壁は、塗装による保護機能を失っている状態です。
雨水や紫外線のダメージを受けやすくなり、放置すると外壁材や構造部分が劣化してしまいます。
塗装が長持ちしないと、住宅自体の寿命を縮める可能性もあるでしょう。

外壁塗装で3回以上塗るケース

例外として、外壁塗装で3回以上塗るケースが存在します。
具体的には、以下のとおりです。

・外壁材の劣化や傷みが激しい場合
・特殊な塗装を施す場合

3回以上の塗装を提案された場合、上記ケースに当てはまるかを確認してください。

外壁材の劣化や傷みが激しい場合

外壁材の劣化や傷みが激しい場合、下塗りを2〜3回行うこともあります。
劣化が激しい外壁は、塗料を吸い込んでムラになりやすいためです。
1回の下塗りでは吸い込みが抑えきれない場合、下塗り回数を増やして対応します。

特殊な塗装を施す場合

特殊な塗装を施す場合、3回以上の塗装が必要になるケースもあります。
たとえば多彩仕上げでは、4〜5回塗装するのが一般的です。
多彩仕上げとは、多彩模様塗料を用いて塗装を行う方法です。
多彩模様塗料とは多彩な色のチップを含む塗料で、天然石を思わせるような仕上がりになります。
多彩仕上げの工程は、まず下塗りを行った後にベースの色を中塗りします。
ベースの色を塗った後に多彩模様塗料と専用ローラーで模様を付け、仕上げ塗りをして完成です。
多彩仕上げのような特殊な塗装を施す場合、通常より手間や費用はかかります。

外壁塗装で3回塗りしないケース

逆に外壁塗装で3回塗りが不要なケースもあります。
具体的には、下記のとおりです。

・クリア塗装する場合
・下塗りや中塗り不要な塗料を使う場合

それぞれのケースについて、くわしく解説します。

クリア塗装する場合

透明の塗料を用いるクリア塗装は、2回塗りになっているのが一般的です。
外壁の模様やデザインを活かす塗装方法であり、下塗りは基本的に必要ありません。
クリア塗装を行う場合は、中塗りと上塗りのみで仕上げます。

下塗りや中塗り不要な塗料を使う場合

近年技術の進歩によって、下塗りや中塗り不要な塗料が開発されています。
下塗りや中塗り不要な塗料を使用すれば、2回塗りでも美しい塗装が可能です。
下塗り不要な塗料の例として、水性ケンエースグロスが挙げられます。
また、無機ハイブリッドクリヤーという製品は、中塗りが不要です。
下塗りや中塗り不要な塗料には、塗装にかかる手間や時間を減らせるメリットがあります。

中には塗装回数を省く悪質業者もいるので注意

塗装回数は塗料や外壁材の状態、施工方法などによって決められています。
しかし作業時間を短縮するために、わざと塗装回数を省く悪質業者が存在するのも事実です。
また、悪徳業者は塗装回数を減らしても、金額を変えずに請求してくる場合も多いです。
塗装回数を省くと早期に不具合を起こす原因となり、仕上がりも悪くなります。
外壁塗装を依頼する際は、業者が必要な塗装回数を守っているか確認するようにしましょう。

外壁塗装で塗装回数を省かれないための対策

外壁塗装で業者に塗装回数を省かれないためには、以下の対策が効果的です。

・見積書を確認する
・工程表を確認する
・中塗りと上塗り塗料の色を変える

それぞれの対策について、くわしく解説します。

見積書を確認する

見積書を確認し、塗装回数が明確に記載されているか確認してください。
優良業者の見積書は、塗装回数も含め内訳が細かく記載されています。
一方で悪徳業者の見積書は具体的でなく、〇〇一式といった曖昧な記載が多いです。
業者選びに失敗しないためには、見積書は丁寧に確認するのをおすすめします。

工程表を確認する

外壁塗装で塗装回数を省かれないためには、工程表の確認も重要です。
工程表とは、業者が作成した外壁塗装工事のスケジュール表を指します。
見積書で確認した塗装回数と、工程表の記載が同じであるか必ず確認しましょう。
工程表の塗装回数に疑問がある場合、納得するまで業者に説明してもらってください。

中塗り塗料と上塗り塗料の色を変える

中塗り塗料と上塗り塗料の色を変えると、3回塗装したことが分かりやすくなります。
業者によっては、中塗りと上塗り塗料の色を変えて作業してくれる場合があります。
下塗りを含めて3回塗装したかを確認しやすく、省かれるリスクを減らすことも可能です。
ただし、劣化した際に色の違いが目立ちやすくなったり、費用も上がりやすかったりするデメリットはあります。
中塗りと上塗り塗料の色を変える場合、業者と良く相談するのをおすすめします。

外壁塗装は3回塗りを確実にしてもらえる優良業者に依頼しよう

外壁塗装は、下塗り・中塗り・上塗りと3回塗装するのが基本です。
3回塗りを行う理由は、塗装の性能や耐久性を確保し見た目を美しくするためです。
また、塗装方法や使用する塗料によっては、2回ないし4回以上塗装するケースがあります。
必要な塗装回数を省く悪徳業者も存在するため、3回塗りを確実に行う優良業者に依頼するのをおすすめします。
優良業者を見極めるには、見積書や工程表を確認し、適切な塗装回数が行われているかチェックすると良いでしょう。

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