「外壁塗装の見積書の見方や例が知りたい」
「外壁塗装で見積書を依頼する際の注意点はあるの？」
このように、外壁塗装の見積書の見方や注意点などが知りたい方は多いでしょう。
この記事では、以下について解説します。

・外壁塗装の見積書を確認する前に知っておくべき知識
・外壁塗装の見積書に関する知識を理解しておくべき理由
・外壁塗装における優良な見積書の例
・外壁塗装の見積書を依頼する際に優良業者か見極めるポイント
・外壁塗装の見積書が安すぎる場合の注意点

この記事を読むことで、外壁塗装の見積書に関する知識を得られます。
塗装会社から見積書を受け取った際に、優良業者かどうかの判断もしやすくなるでしょう。
ぜひ最後まで目を通してください。

外壁塗装の見積書を確認する前に知っておくべき知識

本章では、外壁塗装の見積書を確認する前に知っておくべき知識を解説します。
正しい見積書には、作業工程の記載があります。
各作業工程とそれぞれの費用相場を確認しましょう。

作業工程

外壁塗装の作業工程について簡単に説明します。

【足場設置と解体】
品質を保ちながら安全に作業を行うために必要な足場の設置と解体です。

【飛散防止ネットの設置】
塗料が周囲に飛び散るのを防ぐためのネットの設置作業です。

【高圧洗浄】
高圧洗浄機を使用し、強い水圧で汚れなどを洗い流します。

【養生】
塗装する箇所以外の部分を、塗料がかからないようビニールなどで覆う作業です。

【下地補修】
下地部分のひび割れや塗料の剥がれなどの補修です。

【下塗り】
下地を補修したり、次に塗る中塗り塗料や上塗り塗料と外壁材を密着させたりするための工程です。

【中塗りと上塗り】
外壁塗装の仕上げの工程です。

費用相場

外壁塗装の作業工程ごとの費用相場は以下の通りです。

【足場設置と解体】
・600円～900円／平方メートル

【飛散防止ネットの設置】（足場費用に含む場合もあります）
・100円～200円／平方メートル

【高圧洗浄】
・100円～300円／平方メートル

【養生】
・250円～500円／平方メートル

【下地補修】
・ケレン（4種）の場合：200円～500円／平方メートル

※劣化状況によりかかる費用は異なります

【下塗り】
・600円～1,000円／平方メートル

【中塗り+上塗り】
・1,000円～6,000円／平方メートル

また、塗料ごとの費用相場は以下の通りです。

・シリコン塗料：1,800円～3,500円／平方メートル
・フッ素塗料：3,000円～5,000円／平方メートル
・無機塗料：3,500円～6,000円／平方メートル

上記のように作業工程や費用相場について知っておけば、見積書の内容確認時に役立つでしょう。

【外壁塗装】見積書に関する知識を理解しておくべき理由

見積書の書き方は業者ごとに異なります。
そのため、依頼者側も知識を持っておかなければ、悪質な業者を見抜けず損をしてしまうかもしれません。
本章では、外壁塗装の見積書に関する知識を理解しておくべき理由を説明します。

適正な価格か見極められる

見積書に関する知識を理解しておくと、適正な価格か見極められるようになります。
見積書に関する知識の1つとして、各作業の費用相場を知っておきましょう。
費用相場を事前に知っておくことで、見積書に記載されている金額が高すぎたり、安すぎたりしないかすぐに気付けます。
悪質な業者から身を守るためにも、各作業の費用相場を把握しておくことは大切です。

見積書通りの工事が行われているか判断できる

見積書に関する知識を理解しておくと、見積書通りの工事が行われているか判断できるようになります。
見積書は、業者ごとに様式も書き方も異なります。
正しい見積書には作業工程や使用する塗料名がしっかり記載されているものです。
しかし、中には依頼者が素人であることをいいことに、作業短縮のため見積書に記載の工程を飛ばしたり、記載の塗料と全く異なる塗料を使ったりする業者もいます。
悪質業者に遭遇した場合に外壁塗装の見積書に関する知識がないと、騙されてしまうかもしれません。
このような事態から身を守るためにも、見積書に関する知識を理解しておきましょう。

外壁塗装における優良な見積書の例

本章では、外壁塗装における優良な見積書の例をご紹介します。
優良な見積書には、以下の内容が盛り込まれています。

・塗料名やメーカー名がしっかり記載されている
・塗装する箇所が1つずつ記載されている
・単位や数量が細かく記載されている

それぞれの内容について、詳しく解説します。

塗料名やメーカー名がしっかり記載されている

外壁塗装における優良な見積書には、塗料名やメーカー名がしっかりと記載されています。
たとえば「アステックペイント社 スーパーラジカルシリコンGH」など、使用する塗料名やメーカーの記載があれば、希望した塗料が使用されているかの確認ができます。
さらに、その情報をもとに自分でも塗料の詳細を調べられるのです。
見積書に塗料名やメーカー名をしっかりと記載しない業者の中には、希望する効果が期待できない塗料を使用したり、費用を浮かすために安価で耐久性の低い塗料を使ったりする業者もいます。
見積書には、塗料名やメーカー名がしっかりと記載されているか確認しましょう。

塗装する箇所が1つずつ記載されている

外壁塗装における優良な見積書には、塗装する箇所が1つずつ記載されています。
たとえば、以下のように塗装する箇所が独立して記載されている場合は、何にいくらかかっているかが明確にわかります。

【外壁工事】
・下塗り：〇平方メートル／単価〇円／金額〇円
・中塗り：〇平方メートル／単価〇円／金額〇円
・上塗り：〇平方メートル／単価〇円／金額〇円

【付帯部工事】
・破風板：〇平方メートル／単価〇円／金額〇円
・雨戸：〇平方メートル／単価〇円／金額〇円
・軒天：〇平方メートル／単価〇円／金額〇円

しかし、以下のように内容がまとめて記載されている場合は注意が必要です。
何にいくらかかっているのかが不明瞭な上、相場よりも高い費用にされている可能性も否定できません。

・外壁塗装工事：一式／金額〇円
・付帯部工事：一式／金額〇円

工程や工事箇所を「一式」とまとめるのでなく、1つずつきちんと記載されているかどうか確認することが肝心です。

単位や数量が細かく記載されている

外壁塗装における優良な見積書には、単位や数量が細かく記載されています。
たとえば「外壁塗装工事一式70万円」などではなく、以下のように単位や数量がきちんと書かれている見積書ならば、明瞭で安心です。

【外壁工事】
・下塗り：120平方メートル／単価700円／金額84,000円
・中塗り：120平方メートル／単価2,000円／金額240,000円
・上塗り：120平方メートル／単価2,000円／金額240,000円

このように、細かい金額まで明確に記載されている見積書が優良な見積書と言えます。

外壁塗装の見積書を依頼する際に優良業者か見極めるポイント

本章では、外壁塗装の見積書を依頼する際に優良業者か見極めるポイントを解説します。

時間をかけて丁寧に建物診断しているか

外壁塗装の見積書を依頼する際に優良業者か見極めるポイントは、時間をかけて丁寧に建物診断しているかどうかです。
見積書の作成を依頼すると、業者は最初に外壁や屋根、付帯部の劣化具合や破損箇所などの現状を確認するため建物診断を行います。
建物診断の結果は、現状確認だけでなく施工面積の算出にも関わります。
施工面積によって塗料の塗布量も変わるため、とても大切な作業です。
数分で終わらせたり、目視だけで済ませたりしていないか注意しておきましょう。

外壁の面積を適当に計測していないか

外壁塗装の見積書を依頼する際に優良業者か見極めるポイントは、外壁の面積を適当に計測していないかどうかです。
塗装面積が少しでも広くなると、その分費用も上がってしまいます。
そのため外壁の面積は正確に算出する必要があります。
悪質な業者の場合、面積を適当に計算した上で金額の高い見積もりを出してくるかもしれません。
そのため、計測後に作成してもらった図面や、CADで作成した画像などを確認すると良いでしょう。
CADとは「Computer Aided Design」の略で、コンピュータを使用して図面を作成したり設計したりするシステムです。
CADを使用することで、精度の高い塗装面積の算出ができます。

外壁塗装の見積書が安すぎる場合は要注意

外壁塗装の見積書が安すぎる場合は要注意です。
外壁塗装工事では様々な経費が発生するのが通常ですが、安さにつられて悪徳な業者に騙されてしまうリスクもゼロではありません。
注意点について、以下で詳しく説明します。

足場の設置を省いている可能性がある

外壁塗装の見積書が安すぎる場合は、足場の設置を省いている可能性があるため要注意です。
足場は、安全に作業するためにもほとんどの外壁塗装時に必要です。
もしも費用を削るために足場を組まなかったり、数を減らしてしまったりすると、塗装にムラができてしまい雑な仕上がりになってしまいます。
また、作業員が高所から落下してしまう危険性もあります。
見積書に足場の設置が含まれているかどうか、よく確認しましょう。

工期を短縮している可能性がある

外壁塗装の見積書が安すぎる場合は、工期を短縮している可能性があるため要注意です。
無理なスケジュールを組み、通常よりも工期を短くしている可能性も考えられます。
たとえば、塗料をしっかりと乾かさないまま次の塗料を塗ったり、必要な下地処理を施していなかったりする恐れもあります。
そのため、工事費用の見積もり額が安すぎる場合は注意しましょう。

外壁塗装は丁寧で細かな見積書を作成してくれる業者に依頼しよう

外壁塗装の見積書は、工事がきちんと行われているか判断したり、かかる費用が正しいのか確認したりするために重要な書類です。
業者から見積書を受け取ったら、自分でも内容をチェックできるよう知識を備えておくと良いでしょう。
外壁塗装の見積書は、優良業者であれば細かい部分までしっかりと記載してくれます。
外壁塗装は、丁寧で細かな見積書を作成してくれる業者に依頼しましょう。