外壁塗装の際に、コーキング工事(シーリング工事)も一緒に行うケースは非常に多いです。
しかしコーキング工事にも費用がかかることから、絶対必要なのか疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では外壁塗装に行うコーキング工事の種類や必要な理由、かかる費用について解説します。
具体的にご紹介するのは下記の通りです。
・外壁塗装におけるコーキングとは
・コーキング工事が必要な理由
・コーキング工事を行う目安と劣化のサイン
・コーキング工事の種類と費用相場
・コーキング工事のよくある質問
外壁塗装とコーキング工事を同時に行うことで補修効果を高め、お住まいの美しさを長持ちさせやすくなります。
この記事を読めばコーキング工事をすべき劣化のサインがわかり、適切なタイミングで業者に依頼できるでしょう。
もくじ
外壁塗装における「コーキング」とは?
外壁塗装におけるコーキングとは、建物の外壁や窓枠などの隙間に充填材を入れる作業のことです。
雨水の浸入や外壁の破損を防ぎ、建物を守る効果があります。
またコーキングには、ひび割れや剥がれが発生した際に補修を行う目的もあります。
外壁塗装とコーキングを同時に行うことで、外壁にかかる負担を減らし、美しい外観を保てるのです。
外壁塗装時にコーキング工事が必要な理由
外壁塗装にコーキング工事が必要な理由は、外壁材を守り不具合のある部分を補修することにあります。
具体的な理由は下記になります。
・雨水が内部へ浸入するのを防ぐ
・外壁材の破損を防ぐ
・ひび割れなどを補修する
それぞれの理由をくわしく解説しますので、参考になれば幸いです。
雨水が内部へ浸入するのを防ぐ
コーキング工事には外壁に存在する隙間を埋め、雨水の浸入を防ぐ目的があります。
雨水が入り込んでしまうと、外壁を腐食させてしまう可能性があるためです。
外壁内部が腐食してしまうと外壁塗装では対処できず、大掛かりな工事が必要になってしまいます。
あらかじめコーキング工事を行っておくことで、雨水の浸入による外壁のダメージを防げます。
外壁材の破損を防ぐ
衝撃や温度変化から外壁材を守る意味でも、コーキング工事は重要です。
地震や外気温の変化などによって外壁材同士が押し合うのを防ぐ、緩衝材としての役割があるためです。
コーキング工事をしないと外壁への衝撃が強くなり、ひび割れが起きたり破損したりする原因になります。
厳しい天候や天災からお住まいを守る目的もコーキング工事にはあります。
ひび割れなどを補修する
コーキングが劣化しひび割れを起こしている場合、工事での充填が必要です。
ひび割れやその他不具合を放置すると、家を痛める原因になります。
また新たに塗装する前にひび割れを補修し表面を整えることで、ムラや剥がれといった不具合も防げます。
不具合の補修や予防のためにも、コーキング工事は外壁塗装と同時に行うのが望ましいといえるでしょう。
コーキング工事を行う時期の目安
コーキング工事を行う目安は、コーキング材の寿命と外壁塗装のタイミングによります。
一般的に、コーキング材の寿命は約5〜10年です。
また多くの住宅では外壁塗装と同じタイミングで、コーキング工事も行われています。
外壁塗装のタイミングは、お住まいの状況や塗料の耐用年数などにより変化するものです。
具体的な塗料別での耐用年数は下記になります。
・シリコン塗料:7〜15年
・フッ素塗料:12〜20年
・無機塗料:18〜20年
外壁の劣化に気づいたら、コーキング工事も必要か合わせて業者に確認するのをおすすめします。
コーキング工事を行うべき劣化症状
コーキング工事を行う目安より前であっても、劣化症状によっては早めの施工をおすすめする場合があります。
特に注意すべき劣化症状の代表例が、ひび割れや肉やせです。
コーキングが本来の役割を果たせていない証拠なので、業者へ早めに相談するようにしてください。
ひび割れしている
コーキングのひび割れを放置すると、さらに広がり破断してしまうので早めに工事しましょう。
破断すると雨水が内部に浸入しやすくなり、外壁材の劣化や雨漏りを引き起こします。
ひび割れの多くは経年劣化で発生するため、定期的な補修は欠かせないものです。
コーキングのひび割れに気づいたら、工事を依頼するのをおすすめします。
肉やせが起きている
肉やせの発生も、コーキングが本来の役割を果たせていないサインと言えます。
肉やせとはコーキング材が硬くなり厚みもなくなることで、外壁に隙間ができてしまう状態です。
弾力性をもたせる可塑剤(かそざい)という成分が、時間経過とともに表面に溶け出てしまうことで肉やせが起きます。
肉やせを放置するとコーキングは減っていき、隙間から雨水が浸入する原因になります。
お住まいを傷めないために、肉やせに気づいたら早めのコーキング工事が必要です。
コーキング工事の種類
コーキング工事には、増し打ちと打ち替えという2種類の方法があります。
どちらの方法を選択するかは、お住まいの状態によって変わってくるものです。
各工事の補修方法や、メリット・デメリットをくわしく解説します。
増し打ち
増し打ちとは、古いコーキング材の上から新たなコーキング材を充填する補修方法です。
古いコーキング材の撤去を必要としないため、費用を抑えられるメリットがあります。
また形状的にコーキング材を撤去できない場合も、増し打ちによる補修の適応です。
古いコーキング材はそのまま残るので、内部で劣化したりひび割れの再発を起こしたりする可能性はあります。
打ち替え
一方で打ち替えは、古いコーキング材を撤去してから新しいコーキング材を充填します。
コーキング材をすべて新しくするので耐久性が良くなり、長持ちしやすくなります。
また増し打ちと異なり、古いコーキング材との相性を考える必要がない点もメリットです。
撤去に手間を必要とするため、増し打ちより費用がかかることは知っておいてください。
コーキング工事にかかる費用相場
コーキング工事の予算を考えるには、費用相場が参考になります。
具体的な費用相場は下記の通りです。
・増し打ち:500円~900円/メートル
・打ち替え:800円~1,200円/メートル
またコーキング工事は高所作業を伴うため、足場の設置代が別途かかります。
実際にかかる費用についてくわしく知りたい場合は、業者に見積もりを出してもらうのをおすすめします。
外壁塗装時に使われるコーキング材の種類
コーキング工事を行う際に大切なのは、お住まいに合ったコーキング材を選択することです。
外壁塗装時に使われる、主なコーキング材の種類は下記になります。
・シリコン
・変成シリコン
・ウレタン
・ポリウレタン
それぞれの特徴を解説しますので、コーキング材選びの参考になれば幸いです。
シリコン
シリコンは耐水性や耐候性、耐熱性にすぐれたコーキング材になります。
比較的安価なこともあり、住宅によく用いられています。
ただしシリコンは塗料の水分も弾くため、上から塗装できない点に注意が必要です。
変成シリコン
変性シリコンはシリコンとは別物で、耐候性や柔軟性の高さが特徴です。
コーキングの上から塗装できるため、外壁の美観を保ちやすいメリットもあります。
価格が高めなので、他のコーキング材と併用される場合もあります。
ウレタン
ウレタンは、耐久性と密着性の高いコーキング材です。
硬化すると弾力性を持つほか、価格が安いので、ひび割れ補修によく使用されます。
紫外線に弱く汚れが付きやすいため、外壁に使う場合は塗装での保護が必要です。
ポリウレタン
ポリウレタンのコーキング材は、柔軟性と耐疲労性にすぐれています。
耐疲労性とは、負荷が繰り返しかかっても壊れにくく長持ちする力のことです。
ウレタンと同じく紫外線に弱いため、使用する際は塗装で保護します。
【外壁塗装】コーキング工事に関するQ&A
コーキング工事を依頼するにあたって、疑問点のある方もいるかと思います。
本項目ではコーキング工事のよくある質問にくわしく回答しているので、ぜひ参考にしてください。
Q.コーキング工事を行うのは外壁塗装の前と後どっち?
外壁塗装とコーキング工事、どちらを先にするかは状況や使用するシーリング材によります。
シーリング工事を先に行う場合を先打ち、後に行う場合は後打ちと言います。
先打ちは塗装によりシーリング材を保護できたり、かかる費用を抑えられたりする点がメリットです。
ただしシーリング材の上に塗装した部分は、ひび割れやすくなります。
後打ちを行えば塗膜のひび割れは起きなくなりますが、塗料による保護は期待できません。
どちらの方法でも、技術力の高い業者が施工することで美しい仕上がりは実現可能です。
コーキング材によっても先打ちか後打ちかが変わってくるので、業者と相談するのをおすすめします。
Q.コーキングとシーリングの違いって何?
コーキングとシーリング両方とも外壁塗装でよく使われる表現ですが、意味は同じです。
どちらも建物の外壁や窓枠などの隙間に充填材を入れる作業を指しています。
外壁塗装においては、コーキングとシーリングはどちらも同じと考えて問題ありません。
コーキング工事は外壁塗装と同じタイミングで業者に依頼しよう
コーキング工事には、水の浸入を防いだり破損部分を補修したりする効果があります。
ひび割れや肉やせといったコーキングの劣化症状に気づいたら、なるべく早く業者に相談するのをおすすめします。
また建物を美しく長持ちさせるためには、外壁塗装とコーキング工事は同じタイミングで行うのが効果的です。
知識や技術力の豊富な業者に依頼すれば、お住まいに最適な外壁塗装とコーキング工事を行えます。