「外壁塗装の塗料にはどのような種類があるのか知りたい」
「外壁塗装の塗料を選ぶ際のポイントを知りたい」
外壁塗装の塗料を選ぶ際に、このようなお悩みをお持ちになる場合もあるでしょう。
そこで、本記事では以下のような情報を解説していきます。
・塗料のグレード別5種類の紹介
・外壁塗装の特殊塗料の種類
・外壁塗装の塗料を選ぶ際のポイント
記事をお読みいただければ、外壁塗装で使用される基本の塗料の種類を詳しく知れます。
塗装工事の失敗を防ぐためにも、ぜひ最後までご覧になり、塗料選びの際の参考にしてみてください。
もくじ
外壁塗装の塗料のグレード別の種類5つ
外壁塗装で使用される塗料には、主に以下の5種類があります。
・アクリル塗料
・ウレタン塗料
・シリコン塗料
・フッ素塗料
・無機塗料
それぞれの塗料の特徴とともに、施工単価も紹介します。
ご自宅の外壁塗装ではどの種類の塗料がマッチするか、ぜひチェックしてみてください。
アクリル塗料
アクリル塗料の主成分は「アクリル樹脂」です。
発色がよく、施工のしやすさが特徴です。
また、1平方メートルあたりの施工単価が約1,000円〜1,800円という価格の低さも魅力のひとつです。
ただし、現在ではアクリル塗料は性能の低さから外壁塗装や屋根塗装では使用されていません。
DIYでの簡易的な使用や、短期間での塗り替えを行う特殊な場合は選ばれるケースもあります。
ウレタン塗料
「ウレタン樹脂」を主成分とした塗料です。
高い弾力性を持ち、ひび割れが起きにくいという特徴を持ちます。
施工単価は1平方メートルあたり約1,500円〜2,500円、耐用年数は5年〜10年ほどです。
現在はより性能の高い塗料が登場しているため、ウレタン塗料は外壁塗装や屋根塗装ではほぼ使用されなくなりました。
ただし、短期間での塗り替えを行う場合や、予算を抑えたいといったときに採用されることもあります。
シリコン塗料
シリコン塗料は、「シリコン樹脂」と「アクリル樹脂」を配合した塗料です。
シリコン樹脂を構成するシロキサン結合は高い耐候性を持っており、シリコン塗料は外壁塗装や屋根塗装にもおすすめの塗料です。
性能も高いながら、ほかの高性能の塗料よりも価格が低めなので今では多くの屋根・外壁塗装工事で使用されています。
施工単価は約1,800円〜3,500円、耐用年数は7年〜15年ほどです。
フッ素塗料
フッ素塗料は、「フッ素」が含まれた樹脂を主成分とした塗料です。
耐久性や耐熱性に優れており、外壁塗装の天敵である紫外線にも強く耐用年数が12年〜20年ほどと長いのもメリットとなります。
また、親水性にも優れているため外壁に汚れが付着しても雨で流れ落ちやすいです。
1平方メートルあたりの施工単価は約3,000円〜5,000円です。
無機塗料
無機塗料は、ガラスや鉱石といった「無機物」を主成分にした塗料です。
ウレタン塗料やシリコン塗料に含まれる樹脂である「有機物」とは違い、無機物は紫外線による劣化が起きにくいです。
そのため、無機塗料は耐用年数が18年〜20年ほどとかなり長い傾向にあります。
そのぶん、施工単価が1平方メートルあたり約3,500円〜6,000円と高額になります。
外壁塗装の特殊塗料の種類
外壁塗装で使用される塗料の中には、以下のような性能を持つ特殊塗料があります。
・ラジカル制御型塗料
・遮熱塗料
・断熱塗料
・光触媒塗料
・クリア塗料(クリヤー塗料)
・弾性塗料
・抗菌、防カビ、防藻塗料
それぞれの塗料の性能について、詳しく解説します。
外壁の塗膜にどのような性能を付加させたいか、ぜひチェックしてみてください。
ラジカル制御型塗料
「ラジカル制御型塗料」とは、外壁の塗膜の劣化を促すラジカル因子の抑制機能を持たせた塗料です。
ラジカル因子は、塗料の顔料が紫外線の刺激を受けることで発生します。
そのため、ラジカル因子を抑制できるラジカル制御型塗料は、塗膜の劣化を遅らせやすいという特徴があります。
遮熱塗料
「遮熱塗料」は、太陽光による刺激を遮断して、外壁の内部に発生する熱を抑制する塗料です。
屋根塗装で利用されるケースが多いです。
また、遮熱塗料は色選びに注意しておきましょう。
より効果を高めたい場合は、熱を吸収しやすい黒系よりも白っぽい色がおすすめです。
断熱塗料
「断熱塗料」とは、塗装した箇所の熱の移動を緩やかにする塗料です。
例えば、外壁の外側からの熱が室内に移動するのを抑制します。
反対に、室内の熱が外に出ていかないように抑制するため、住宅内を快適な温度を維持しやすいのです。
ただし、遮熱塗料のような太陽光を遮断する性能は持っていません。
光触媒塗料
「光触媒塗料」は、紫外線の光を受けることで汚れを分解する機能を持った塗料です。
さらに、分解された汚れは雨によって洗い流せるためセルフクリーニングの性能もあります。
光触媒塗料は単体で使用することはほとんどなく、一般的に塗装後のコーティング目的で塗装されます。
クリア塗料(クリヤー塗料)
「クリア塗料(クリヤー塗料)」は、透明な塗料の総称です。
クリア塗料は塗装後のコーティング目的で使用されるケースが多いです。
一般的に屋根塗装では使用されず、外壁塗装や住宅内部の木部に塗装されます。
弾性塗料
「弾性塗料」は、弾力性が高い塗料です。
弾力性を持つ塗料はひび割れに強く、モルタル外壁の塗装におすすめです。
しかし、サイディング外壁に塗装すると熱が塗膜の内部に蓄積して「ふくれ」の原因となるため、使用は避けましょう。
抗菌塗料・防カビ塗料・防藻塗料
抗菌剤や防カビ剤、防藻剤をそれぞれ加えて、菌やカビ、藻が発生するのを抑制する塗料です。
単体での機能を加えた塗料だったり、3つの性能をすべて持っている場合もあります。
住宅の環境に合わせて、必要な機能が備わった塗料を選ぶようにしましょう。
外壁塗装の塗料の種類を選ぶ際のポイント
外壁塗装の塗料の種類を選ぶ際は、以下の4つのポイントを押さえておくと失敗を防ぎやすいです。
・機能や性能で選ぶ
・希望の色や艶の程度で選ぶ
・塗り替えサイクルで選ぶ
・予算で選ぶ
各ポイントを以下でより詳しく解説します。
機能や性能で選ぶ
外壁塗装の際に、どのような機能や性能を付加したいかで塗料を選ぶとよいです。
例えば、周辺に幹線道路や学校などがあり外壁が汚れやすい場合は、低汚染性の塗料を選んでみるのもおすすめです。
また、湿地で外壁にカビや藻が生えるのが気になる場合は、防カビ・防藻塗料を選びましょう。
上記のように、外壁の状態で気になる部分をカバーできる塗料はないか、業者と相談してみるとよいでしょう。
希望の色や艶の程度で選ぶ
外壁にどのような色で塗装して、どの程度の艶を持たせたいかで塗料を選ぶのもひとつのポイントです。
塗料タイプやグレードによって、さまざまな色や艶の程度があります。
カラーシミュレーションも行いつつ、希望の色や艶の塗料で塗装して、満足度の高い外壁塗装にしましょう。
塗り替えサイクルで選ぶ
外壁の塗り替えサイクルによって塗料を選ぶのもおすすめです。
塗り替えサイクルとは、塗料の耐用年数です。
そのため、できるだけ塗り替えサイクルを長くしたい場合は高耐久性の塗料を選ぶようにしましょう。
予算で選ぶ
外壁塗装での予算に合った塗料を選ぶようにしましょう。
外壁塗装は、30坪の住宅で約60万円〜120万円の費用がかかります。
高額な費用がかかるため、予算をできるだけ抑えたいという方はグレードの低い塗料を選びましょう。
ただし、グレードの低い塗料は耐久性も劣っていて、塗り替えサイクルが早くなります。
将来的な出費が増えてしまうケースもあるため、予算で塗料を選ぶ際は各塗料の耐用年数もチェックしておきましょう。
外壁塗装の塗料の種類はさまざま!業者とよく相談して最適なタイプを選ぼう
外壁塗装の塗料の種類は、グレードや特殊な性能などによってさまざまです。
その中からご自宅の外壁塗装に合った塗料を選ぶのは、難しいと感じる方も多いでしょう。
そのため、希望の色や性能、予算を明確にして、塗装業者とよく相談することが大切です。
外壁塗装で後悔をしないためにも、外壁塗装の塗料の種類をしっかりと確認して、最適なタイプを選ぶようにしましょう。