「30坪の住宅の外壁塗装や屋根塗装の費用相場が知りたい」
「外壁や屋根塗装の工事はどのような工程で作業が行われるの？」
こういった疑問を持っている方は多いでしょう。
外壁や屋根塗装の費用相場がわからずに工事を依頼すると、悪徳業者に費用をだまし取られる可能性もあります。
そこで、この記事では30坪の住宅の外壁や屋根の塗装にかかる費用の相場を紹介しています。
具体的な情報は、以下のとおりです。

・外壁や屋根塗装の費用相場
・作業工程とそれぞれの費用の内訳
・外壁や屋根塗装の費用を抑えるコツ

この記事を読んで上記を把握しておけば、外壁や屋根塗装の工事で失敗を避けやすくなります。
また、費用の内訳や費用を抑えるコツなども解説しているので、安心して工事を依頼できるでしょう。
ぜひ、最後まで読んで参考にしてみてください。

30坪の住宅の外壁と屋根の塗装にかかる費用相場

30坪の住宅の外壁塗装にかかる費用相場は、「60〜120万円程度」です。
また、外壁と屋根を同時に塗装する場合は「80〜160万円程度」です。
なぜ、外壁塗装のみと屋根塗装も合わせた費用相場がそれほど変わらないかには、明確な理由があります。
塗装作業をするためには、足場の設置や養生、職人の手配などが必要です。
外壁と屋根の塗装を別々に依頼すれば、異なる日程でそれぞれの作業や手配が必要になってしまいます。
そのため、外壁と屋根の塗装を別々に行うと、費用が高くなりやすいです。
初期費用は高めになりますが、長い目で見れば、外壁と屋根の塗装は同時に作業してもらった方がお得です。

外壁塗装の工程とそれぞれの費用の内訳

外壁塗装の工程にはどのような作業があるか、またそれぞれの費用相場をご紹介します。
一般的な外壁塗装の工程は、以下のとおりです。

・足場設置
・高圧洗浄
・下地処理
・養生
・塗装

以下にて、それぞれの内容を詳しく解説しましょう。

足場設置

外壁や屋根の塗装作業をするためには、職人が安全に作業をするために「足場」を設置しなければなりません。
足場の設置にかかる費用相場は、1平方メートルあたり「600～900円程度」です。
業者は、労働安全衛生法で「2メートル以上の高所作業の場合は、足場（作業床）を設置して作業すること」が義務付けられています。
例え平屋であったとしても、作業場所の高さが2メートル以上ある場合は、足場の設置が必須です。

▼詳細はこちら
足場に関する労働安全衛生法上の規定について

高圧洗浄

外壁の塗装をするためには、長い時間をかけて蓄積された汚れや、古い塗料を高圧洗浄で除去する必要があります。
高圧洗浄で汚れを取らなければ、塗料がうまく定着せずに塗りムラができてしまい、キレイに塗装を仕上げられません。
うまく塗料が密着すれば、耐久性が高くなるのです。
外壁の高圧洗浄にかかる費用相場は、1平方メートルあたり「100〜300円程度」です。

下地処理

下地処理とは、ひび割れやコーキングの破損などの補修作業を指します。
ひび割れの補修にかかる費用相場は、1メートルあたり「300〜2,000円程度」です。
コーキング補修では、打ち替えで1メートルあたり「800〜1,200円程度」、増し打ちの場合「500～900円」となります。
打ち替えとは、既存のコーキング材をしっかりと除去して、その後に新しい充填材を施工する方法です。
増し打ちとは、既存のコーキング材の上に新しい充填材を被せて施工することです。
それぞれにメリット・デメリットが存在するので、費用に合わせて業者と相談するようにしましょう。

養生

塗装の作業を行う際は、塗料が飛び散らないように施工しない箇所にビニールやテープなどで養生を行います。
塗料は液体なので、風で周辺に飛散してしまう可能性があります。
塗装を行わない箇所や隣の家に塗料が付着してしまうと、さまざまなトラブルが発生するでしょう。
職人が安心して作業ができるように、養生を行う必要があります。
養生にかかる費用相場は、1平方メートルあたり「250〜500円程度」です。

塗装

外壁の塗装は、基本的に以下の3回に分けて行います。

・下塗り
・中塗り
・上塗り

塗装回数が少ないと、塗膜の耐久性が低くなってしまうのです。
ただし、塗料の種類や施工箇所によっては塗装回数が異なる場合があります。
詳しくは業者に確認してみましょう。
また、塗料タイプ別の施工単価は、コストパフォーマンスに優れたシリコン塗料で1平方メートルあたり「1,800〜3,500円程度」です。
耐候性と耐用年数の長さが証明されているフッ素塗料の費用相場は、「3,000〜5,000円程度」になります。
フッ素塗料よりも耐久性や性能が高い無機塗料は、「3,500〜6,000円程度」です。
予算や希望する性能に合わせて、塗料を選びましょう。

屋根塗装の工程とそれぞれの費用の内訳

外壁塗装とともに屋根塗装を行う場合の工程は、以下の通りです。

・高圧洗浄
・ケレン作業
・屋根周辺の養生
・塗装
・縁切り

以下にて、それぞれの工程の費用の内訳を詳しく解説していきます。

高圧洗浄

外壁塗装と同様に、屋根にも汚れが付着しているため塗装前に高圧洗浄が必要です。
屋根材と塗料の密着性を高めて、より質の高い塗膜になるように、しっかりと高圧洗浄をやってもらいましょう。
屋根の高圧洗浄にかかる費用相場は、1平方メートルあたり「100〜300円程度」です。

ケレン作業

ケレン作業とは、鉄部や木部の表面をヤスリで擦り、汚れやサビ、古い塗膜を落とす作業です。
ケレン作業にはさまざまな種類があります。
その中でも、住宅の屋根は主に「ケレン4種」を行います。
ケレン4種とは、鉄部や木部などの下地が比較的いい状態の場合に、手作業で行うケレン方法です。
ケレン4種の費用相場は、1平方メートルあたり「200〜500円程度」になります。

屋根周辺の養生

屋根塗装の際も、塗料で周辺を汚さないように養生を行うことは大切です。
養生が雑だと仕上がりにも影響が出ますし、職人が安心して作業を行えません。
屋根塗装の養生にかかる費用相場も、1平方メートルあたり「250〜500円程度」です。
また、飛散防止ネットを設置する場合は、追加で1平方メートルあたり「100〜200円程度」必要になります。

塗装

屋根塗装でも、基本的に3回塗りで塗装をしなければなりません。
屋根塗装で使用される塗料は、塗料のタイプによって費用が異なります。
屋根塗装のシリコン塗料は、1平方メートルあたり「2,300〜3,500円程度」です。
フッ素塗料は「3,500～4,800円程度」、無機塗料は「4,400〜5,600円程度」になります。
ほかにも、遮熱塗料や汚れが付着しにくい塗料など、さまざまなタイプがあります。
性能が高くなるにつれて価格も上がるため、業者とよく相談して塗料選びをしましょう。

縁切り

縁切りとは、塗膜が乾燥した後に屋根材の隙間に入り込んだ塗料を専門の道具で除去して雨水の通り道を確保する工程のことです。
スレート屋根の塗装の際に行います。
縁切りの施工単価は、1平方メートルあたり「400〜600円程度」です。

30坪の住宅の外壁や屋根を塗装する際に費用を抑えるコツ

30坪の住宅の外壁や屋根を塗装する際に費用を抑えるコツは、以下の3つです。

・自社施工の業者へ依頼する
・価格の低い塗料を選ぶ
・塗装工事を業者の閑散期にする

以下では、3つのコツについて詳しく解説していきます。

自社で工事を行っている業者へ依頼する

工事の依頼先を、自社施工の業者にすると費用を抑えられます。
依頼する会社によっては、工事を下請け業者に依頼する場合があり、無駄に中間マージンがかかる可能性が高いです。
そのため、依頼する会社が自社で工事をすべて行ってくれる業者であれば、中間マージンがかからずお得になります。

価格の低い塗料を選ぶ

塗料はグレードによって価格が違うため、予算に応じて安いタイプを選ぶことで工事費用を抑えられます。
しかし、価格が低い塗料は、耐久性や性能が劣ります。
そのため、劣化スピードが速く、次の塗装のタイミングが早くなるデメリットがある点も把握しておきましょう。

塗装タイミングを業者の閑散期にする

一般的な塗装業者の閑散期は、「冬」と「夏の梅雨時期」です。
塗装の依頼を業者の「閑散期」にすることで、値引きを受けられる可能性があります。
閑散期は工事の依頼が減り、業者は値引きをしてでも工事を引き受けたい時期でもあります。
そのため、タイミングが合えば工事を相談してみましょう。
ただし、塗料が乾燥しにくいため、「気温が5℃未満、湿度85％以上」の時期は塗装依頼が難しいです。

30坪の外壁と屋根塗装の相場は80〜160万円！価格は自社施工の業者に依頼して抑えよう

外壁と屋根の塗装は、大切な住宅に安心して住み続けるための重要な工事です。
30坪の外壁と屋根の塗装を同時に行う費用の相場は、80〜160万円となります。
この記事で紹介した各工程の相場を確認しながら、費用を安く抑えるコツを実践して、できるだけお金をかけずに塗装をしてもらいましょう。