近年、外壁塗装にセラミック塗料を使用した住宅が増えています。
セラミック塗料はどのような塗料で、選ぶメリットは何か疑問に思う方もいるでしょう。
本記事では、外壁塗装にセラミック塗料を使用するメリットや注意点、塗料の種類について解説します。
具体的に解説するのは、下記の内容です。
・セラミック塗料の概要
・外壁塗装にセラミック塗料を使用するメリットやデメリット
・セラミック塗料の主な種類
・セラミック塗料に関する注意点
セラミック塗料には、汚れにくく紫外線に強いといった多くのメリットがあります。
しかしセラミック塗料は万能ではないため、デメリットも知った上で選ぶのが大切です。
本記事を読めばセラミック塗料の特徴や注意点を理解した上で、住宅に最適な塗料を選択できます。
もくじ
外壁塗装で使用するセラミック塗料とは?

セラミックは無機物の一種で、食器やガラス、歯科治療など幅広い分野で使われています。
セラミック塗料とは、ベースとなる塗料にセラミックを配合した塗料の総称です。
あくまでセラミックは添加物であり、100%セラミック塗料というのは存在しないため注意しましょう。
配合や種類などに明確な定義はなく、少しでもセラミックを含んでいればセラミック塗料と呼ばれています。
セラミック塗料は断熱性や低汚染性など、製品によってさまざまな性能を有しています。
デザイン性に優れた塗料が多く、個性的で美しい仕上がりを実現しやすいのも特徴です。
セラミック塗料の価格や耐久性は、ベースとなる塗料によって異なります。
セラミックが含まれた塗料で外壁塗装するメリット

セラミック塗料で外壁塗装する主なメリットは、下記のとおりです。
・汚れが付着しにくい
・断熱性が高い
・紫外線によるダメージを受けにくい
注意点として使用するセラミック塗料によっては、上記のメリットに当てはまらない場合があります。
製品ごとの詳細なメリットについては、業者に確認するのをおすすめします。
汚れが付着しにくい
セラミック塗料を使用すると、汚れの付着を防ぎやすくなる点がメリットです。
塗料に含まれるセラミック成分が、ガラスや陶器のような膜を形成するためです。
また、親水性の高いセラミック塗料を選べば、汚れが付きにくく落としやすくなります。
親水性とは水との馴染みやすさを指し、汚れを雨と一緒に流してくれる効果があります。
親水性の高いセラミック塗料は、排気ガスや泥などで汚れやすい住宅におすすめです。
断熱性が高い
セラミック塗料の中には、建物内部に熱を伝えにくい塗料もあります。
熱を通しにくい特性によって、建物の断熱性が高くなるのです。
断熱性は熱の移動を抑えることで、室内を快適な温度に保ちやすくする効果を指します。
また、空調効率も良くなるため、省エネ効果も期待できます。
暑さと寒さ両方の対策をしたい方は、断熱性が高いセラミック塗料を使用すると良いでしょう。
紫外線によるダメージを受けにくい
紫外線に強く、色あせや劣化しにくいセラミック塗料も販売されています。
もともとセラミック自体に、紫外線によるダメージを受けにくい特徴があります。
外壁は外的環境によるダメージを受けやすいため、紫外線に強いセラミック塗料の使用は特に効果的です。
セラミック塗料は紫外線によるダメージを抑えやすく、高いデザイン性を維持しやすくなります。
セラミックが含まれた塗料で外壁塗装するデメリット

セラミックを含んだ塗料は万能ではなく、デメリットも存在します。
具体的には、下記のとおりです。
・塗料によって耐用年数に差がある
・ひび割れが発生しやすい
・色ムラが生じやすい
それぞれのデメリットについて、くわしく解説します。
塗料によって耐用年数が左右される
セラミック塗料は製品によって、耐用年数に差があります。
あくまでセラミック成分が配合された塗料の総称であり、品質自体は一定でないためです。
また、セラミックが含まれているかは、耐用年数には影響しません。
耐用年数については、各塗料に使われている樹脂によって決まります。
外壁塗装で良く用いられる各塗料の耐用年数は、下記になります。
・シリコン塗料:7〜15年
・フッ素塗料:12〜20年
・無機塗料:18〜20年
すべてのセラミック塗料が長持ちするとは限らない点には、注意しましょう。
ひび割れが発生しやすい
セラミック塗料は、ひび割れが発生しやすいデメリットもあります。
無機物を含むことから、塗料の膜が硬い仕上がりになるためです。
ひび割れを起こすと外観が悪くなるだけではなく、劣化の原因にもなります。
対策として定期的な点検を行い、ひび割れの有無を確認する必要があります。
色ムラが生じやすい
塗りづらく色ムラが生じやすいのも、セラミック塗料のデメリットです。
セラミック塗料は均一に塗装するのが難しいため、塗りムラや色ムラを起こしやすいです。
慣れていない職人に依頼すると見た目が悪くなったり、施工不良を起こしたりします。
セラミック塗料を使用した外壁塗装に、慣れている業者を選ぶのが大切です。
【外壁塗装】セラミックが含まれた主な塗料の種類

セラミックを含む主な塗料の種類は、下記になります。
・断熱塗料
・遮熱塗料
・低防汚塗料
・無機塗料
・意匠性塗料
各塗料の特徴について、くわしく解説します。
断熱塗料
熱の移動を抑える機能を持つ塗料が、断熱塗料です。
外気温による影響を少なくできるため、暑さ・寒さ両方の対策ができます。
耐久性も高く高性能な塗料ですが、価格は高めです。
遮熱塗料
遮熱塗料は太陽光の熱を反射することで、温度上昇を防ぐ塗料です。
UV塗料とも呼ばれており、価格を抑えつつ暑さ対策をしたい場合に適しています。
あくまで遮熱塗料は温度上昇を防ぐ塗料であり、室内の温度を保つ効果はありません。
逆に冬は太陽光を反射して冷えやすくなるため、寒冷地には不向きです。
低防汚塗料
低防汚塗料は塗装表面の汚れが付着しにくく、落としやすくなる機能を持つ塗料です。
水との馴染みやすさ(親水性)が高いため、付着した汚れを雨と一緒に洗い流してくれます。
低防汚塗料はメンテナンスの手間を減らしつつ、美観を維持したい方におすすめです。
無機塗料
無機塗料とは、鉱物や天然石などの無機物を含む塗料を指します。
有機物を主成分としている塗料と比較して、雨や紫外線などの外的環境に強いです。
防火性や耐久性の高さは魅力ですが、ひび割れやすいデメリットもあります。
意匠性塗料
意匠性塗料とは漆喰や石材調など、デザイン性の高い塗料です。
おしゃれで、高級感のある仕上がりを希望される方に選ばれています。
意匠性塗料は塗装に高い技術力を要するため、業者選びが特に重要です。
セラミック塗料を利用した詐欺に注意

近年、セラミック塗料を利用した詐欺が増えています。
セラミックの硬くて高品質なイメージを利用し、効果を誇張して高額で契約を迫るのが手口です。
そもそも塗料の寿命は樹脂によって決まるものであり、セラミックが配合されても耐用年数は上がりません。
「セラミック塗料なので、一生メンテナンスフリーです」といった営業トークをされた場合、悪質業者の可能性が高いです。
また、塗料の材料にはベースとなる樹脂が必須であり、セラミック100%の製品は存在しません。
「セラミック100%配合です」という営業トークがあった場合、警戒するのをおすすめします。
即決は避け、少しでも不審な面があれば納得いくまで説明してもらってから契約しましょう。
セラミック塗料で外壁塗装したい場合は、メリットとデメリットを把握した上で判断しよう

セラミック塗料は、ベースとなる塗料によって性能や耐久性が大きく異なります。
耐久性の高さや汚れにくさなど、希望する仕上がりに合わせて塗料を選択することが重要です。
一方でセラミック塗料には、ひび割れやすさや塗装難易度の高さなどデメリットも存在します。
セラミック塗料に限らず万能な塗料は存在しないため、メリット・デメリット双方を把握した上で選択するのが大切です。
また、セラミックの高品質なイメージから、効果を誇張して契約を迫る悪質業者が存在します。
訪問販売での契約は避け、デメリットも含めて説明してくれる優良業者を選ぶのがおすすめです。