「外壁の劣化にはどんな種類があるのか知りたい」
「外壁の劣化の補修方法は?」
「外壁の劣化の補修にはどのくらい費用がかかる?」
外壁の劣化や補修方法などについて、気になっている方も多いでしょう。
この記事では、外壁の劣化を放置すべきでない理由を最初に解説します。
さらに、外壁の劣化症状の種類や補修方法、補修にかかる費用相場についても詳しくお伝えします。
この記事を読むことで、外壁の劣化に対する適切な対処方法を把握できるでしょう。
もくじ
外壁の劣化を放置するのがNGな理由
本章では、外壁の劣化を放置するのがNGな理由について解説します。
結論から述べると、外壁の劣化を放置することで、住宅自体の寿命が短くなる可能性があるため放置してはいけない、と言えるでしょう。
外壁には防水性がありますが、劣化が進むことで、その防水機能が失われていきます。
防水機能が失われることで、雨漏りが発生するリスクが高まります。
雨漏りが発生し、雨水が浸入することで、住宅の内部が腐食していってしまうのです。
住宅の内部が腐食してしまうと、結果として住宅自体の寿命を縮めることになりかねないため、外壁の劣化は放置すべきではないと言えます。
外壁の劣化症状の種類
本章では、以下のような外壁の劣化症状の種類について解説します。
・幅0.3ミリ程のひび割れが発生している
・色褪せが目立つ
・カビや藻、コケが発生している
・チョーキングが見受けられる
・塗料の膜の膨れや剥がれが目立つ
・サビが大部分に発生している
・欠けている箇所がいくつかある
それぞれについて、具体的にどのような症状なのか説明します。
また、これらの症状を放置するとどうなるのか、今すぐ補修は必要なのかについても解説します。
幅0.3ミリ程のひび割れが発生している
幅0.3ミリ程のひび割れが発生している場合は、外壁の塗料の膜にひびが入っている状態です。
ひび割れは、放っておくと雨漏りにつながります。
とくに幅0.3ミリを越えるひび割れは、建物の骨組み部分である躯体にまで雨水が浸入し、腐食してしまう場合があります。
幅0.3ミリ程のひび割れが発生している場合には、早めの補修が必要です。
色褪せが目立つ
色褪せが目立つ場合には、塗料の膜の防水性も下がっている状態です。
塗料の膜の防水性が下がった状態で放置してしまうと、雨水の浸入リスクが高まります。
色褪せが目立つ場合には、単に外観の見た目が古くなるだけではないのです。
色褪せを放っておくと建物の劣化が進んでしまうため、早めの補修が必要となります。
カビや藻、コケが発生している
カビや藻、コケが発生している場合も、早めの補修が必要です。
とくにカビは、放置するとアレルギーなどの健康被害を引き起こす可能性があります。
藻やコケは水分を含んでおり保水力があるため、放っておくと壁面に水が染み込んでしまうのです。
チョーキングが見受けられる
チョーキング が見受けられる場合にも、早めに補修する必要があります。
チョーキングは、紫外線や雨風などにより外壁が劣化し、塗料に含まれる成分がチョークの粉のように浮き出てくる状態です。
チョーキングを放置すると、外壁の防水機能が低下してしまいます。
その結果、雨水の浸入につながる可能性があるのです。
塗料の膜の膨れや剥がれが目立つ
塗料の膜の膨れや剥がれが目立つ場合にも、早期の修復が必要です。
膨れは主に経年劣化が原因で、塗料の膜に膨らみができている状態です。
剥がれは、施工不良や経年劣化が原因となり生じます。
膨れや剥がれを放置すると、雨水が浸入するようになってしまい、結果として外壁材の腐食を引き起こす可能性があります。
サビが大部分に発生している
サビが大部分に発生している場合は、放置せずに早めの修復を検討しましょう。
サビは放置すると外壁に広がり、洗い流しただけでは落ちなくなってしまいます。
とくに金属製の外壁の場合には、外壁に穴があき、その部分から雨水が浸入してしまう可能性もあるのです。
欠けている箇所がいくつかある
欠けている箇所がいくつかある場合にも、補修が必要です。
サイディングが水を吸って脆くなってしまうと、欠けが生じます。
サイディング外壁の場合、欠けがある時には、部分的な張り替えによる補修が必要となります。
外壁が劣化する3つの原因
本章では、外壁が劣化する3つの原因について解説します。
・年月が経つことによる劣化
・外的要因による劣化
・塗装時の技術、知識不足による劣化
外壁の劣化は必ず起こるものではありますが、その主な原因について順に見ていきましょう。
年月が経つことによる劣化
外壁が劣化する原因に、年月が経つことによる劣化があります。
外壁材や、使用している塗料にも耐用年数があります。
時が経つにつれて外壁材や塗料は古くなり、元々の効果が薄れてしまうのです。
そのため、年月が経つにつれて外壁が劣化しやすくなってしまいます。
外的要因による劣化
外壁が劣化する原因に、外的要因による劣化があります。
外的要因とは雨や風、紫外線、湿気、排気ガスなどです。
紫外線の当たりやすい南側は、北側よりも劣化しやすくなります。
また、雨や風にさらされることでも外壁はダメージを受けやすくなります。
塗装時の技術・知識不足による劣化
外壁が劣化する原因に、塗装時の技術・知識不足による劣化があります。
たとえば、作業員が塗料の希釈を間違え、薄めすぎた塗料を塗っていたというケースがあります。
このほか、外壁材に適していない塗料を塗っていたり、技術があまりない作業員が塗っていたりするなど、作業時の技術不足や知識不足が原因で劣化してしまうこともあるのです。
【劣化レベル別】外壁の劣化を補修する方法
本章では、外壁の劣化を補修する方法について、劣化レベル別に解説します。
・【劣化レベル:低い】外壁材を部分的に補修する
・【劣化レベル:普通】外壁を塗装する
・【劣化レベル:高い】外壁材全体を補修する
劣化レベルの程度にかかわらず、共通で補修すべきシーリングについても解説しています。
【劣化レベル:低い】外壁材を部分的に補修する
劣化レベルが低い場合には、外壁材を部分的に補修しましょう。
たとえば、ひび割れの場合はUカットシーリング処理という方法があります。
Uカットシーリング処理とは、ひび割れ部分をU字型にカットし、その部分にシーリング材を充填する方法です。
このように、劣化レベルが低い場合には外壁を部分的に補修すると良いでしょう。
【劣化レベル:普通】外壁を塗装する
劣化レベルが普通程度の場合には、外壁を塗装しましょう。
たとえば、外壁の塗料の膜が広範囲で剥がれている場合には、外壁塗装すると良いでしょう。
外壁塗装することで、劣化した外壁の補修とともに、外壁の美観を再現することもできます。
【劣化レベル:高い】外壁材全体を補修する
劣化レベルが高い場合は、外壁材全体を補修しましょう。
外壁の一部が、部分補修や外壁塗装でも補修できない場合は、上から外壁材を重ね張りする方法があります。
また、サイディングボードが反り返っているなど、外壁材にまで劣化が進んでいる場合は、すべて張り替えることが有効です。
このように、劣化の状況によっては外壁材全体の補修が必要になります。
【共通】シーリングも一緒に補修する
どの劣化レベルでも共通の方法として、シーリングも一緒に補修する方法があります。
外壁だけでなく、シーリングも時が経つにつれ劣化していくものですが、劣化を放置してしまうと雨水の浸入にもつながってしまいます。
シーリングが割れていたり、取れかけたりしている場合は補修の必要があるので、外壁の補修と合わせて行うと良いでしょう。
外壁の劣化を補修する場合の費用相場
本章では、外壁の劣化を補修する場合の費用相場について解説します。
外壁材を部分的に補修する場合
外壁材を部分的に補修する場合の費用相場は、以下の通りです。
・シーリング充填での補修:300円~900円/メートル
・カット工法(カットしてシーリング充填)での補修:1,500円~2,000円/メートル
たとえば、外壁のひび割れ補修の場合には、ひび割れの大きさによって上記のように処置方法が異なります。
外壁を塗装する場合
外壁を塗装する場合の費用相場は、以下の通りです。
・20坪:約40万円~120万円(79.2平方メートル)
・30坪:約60万円~120万円(118.8平方メートル)
・35坪:約65万円~125万円(138.6平方メートル)
・40坪:約70万円~130万円(158.4平方メートル)
・45坪:約80万円~145万円(178.2平方メートル)
・50坪:約90万円~160万円(198.0平方メートル)
・60坪:約100万円~200万円(237.6平方メートル)
自宅の坪数に応じた費用相場を参考にしてみると良いでしょう。
かっこ内に記載の数字は、坪数ごとの外壁の概算面積となっています。
外壁材全体を補修する場合
外壁材全体を補修する場合の費用相場は、以下の通りです。
外壁材全体の補修方法としては、重ね張りや張り替えという方法があります。
・重ね張り:120万円〜220万円
・張り替え:150万円~300万円
どちらの方法で補修を行うかは、外壁の劣化状況や使用している外壁材によって異なります。
シーリングを補修する場合
シーリングを補修する場合の費用相場は、以下の通りです。
・増し打ち:500円~900円/メートル
・打ち替え:800円~1,200円/メートル
古いシーリングの上から充填する増し打ちと、古いシーリングを取り除いてから交換する打ち替えの方法があります。
外壁の劣化は放置せず早めに業者に依頼して補修しよう
外壁の劣化を見つけた場合、すぐに修復が必要なのか、しばらく様子を見ても良いのか、判断に困る場合があるでしょう。
しかし、外壁の劣化を放置してしまうと、結果として住宅自体の寿命を縮めてしまうことにつながります。
外壁に見られる劣化症状やその修復方法、修復にかかる費用相場を知っておくことで、大切な住宅を守りやすくなるでしょう。
外壁の劣化は放置せず、早めに業者に依頼をし、補修するようにしましょう。