外壁のひび割れは、ある程度、築年数の経過した住宅によく見られる症状です。
お住まいに適したひび割れの予防や、補修方法を知りたいと思われたことはありませんか。
本記事では外壁にひび割れが発生する5つの原因と、緊急度別の対処法をご紹介します。
具体的にご紹介するのは、下記の内容です。
・外壁にひび割れが発生する5つの原因
・外壁のひび割れを放置するのがNGな理由
・【緊急度別】外壁のひび割れ対処法
・外壁のひび割れを補修する方法
・外壁のひび割れをできるだけ防ぐ方法
外壁のひび割れは外観を損ねるだけではなく、放置すると家を傷める原因にもなりかねません。
本記事を読めば外壁に発生したひび割れの対処が分かり、適切なタイミングで業者に補修を依頼できるようになるでしょう。
もくじ
外壁にひび割れが発生する5つの原因
そもそも外壁にひび割れが発生する原因は、大きく分けて下記の5つに分類されます。
・外壁の経年劣化
・大きな車や電車などから受ける振動
・地震による振動
・外壁塗装工事の不備
・建物の構造や地盤の問題
それぞれの原因について、順に解説します。
外壁の経年劣化
外壁に発生するひび割れの多くは、経年劣化が原因です。
紫外線や雨風の影響で塗料の膜の表面が劣化することで、外壁にひび割れを生じます。
またシーリングの劣化も、ひび割れを起こす原因になり得ます。
外壁のひび割れは、経年劣化で発生する症状の1つです。
大きな車や電車などから受ける振動
大きな車や電車による振動によって、外壁にひび割れを起こす場合もあります。
大きな車や電車の往来によって発生した振動は、地面を介して住宅に伝わるためです。
とくに交通量の多い道路や線路に面している住宅は、振動によるひび割れを起こしやすくなります。
建物が振動を受け続けることで、ひび割れを生じることもあります。
地震による振動
地震による非常に強い振動も、深いひび割れを発生させる原因の1つです。
激しい揺れによって建物が歪むことにより、ひび割れを起こしてしまいます。
また地震の場合は外壁材や構造部もダメージを受けている可能性があるため、放置するのは危険です。
地震の後にひび割れを発見したら、早急に業者に点検してもらうのをおすすめします。
外壁塗装工事の不備
外壁塗装後、早期に発生したひび割れは、工事の不備による可能性が高いです。
塗料の選択を誤ったり乾燥時間を守らなかったりすると、塗料の膜にひび割れを起こします。
知識や経験の不足している業者に依頼してしまうことで、起こりやすいトラブルと言えます。
塗装した箇所がすぐにひび割れてしまった場合は、早めに施工した業者へ問い合わせましょう。
建物の構造や地盤の問題
建物の地盤や構造が原因で、ひび割れを生じる場合もあります。
もともと構造が不安定であったり、振動に弱かったりするケースがあるためです。
また何らかの理由で地盤が水平でなくなってしまい、住宅が傾くことで外壁にひび割れを生じることもあります。
構造や地盤の問題による場合、内部もひび割れている可能性が高いです。
外壁のひび割れを放置するのがNGな理由
外壁のひび割れを放置すると、住宅に重大なダメージを与えてしまいかねません。
ひび割れを放置することで起こり得る問題は下記の通りです。
・雨漏りが発生する
・害獣や害虫が侵入する
・建物自体が劣化する
上記の問題が起こる原因や、ひび割れした住宅に住み続けた場合の悪影響について、くわしく解説します。
雨漏りが発生する
ひび割れを放置すると雨漏りが発生し、住宅に大きなダメージを与えます。
雨漏りは塗装では直せないため、他の方法を用いた補修が必要です。
また住宅内部にカビが生えやすくなり、人体にも悪影響を及ぼします。
雨漏りを予防するためには、ひび割れのうちに対処しておくことが重要です。
害獣や害虫が侵入する
シロアリやネズミなどの侵入も、ひび割れを放置して起こる問題の1つです。
ひび割れが進行すると外壁材を保護できなくなり、害獣や害虫の入り込む隙間ができてしまいます。
シロアリやネズミの発生は建物に深刻なダメージを与えるだけではなく、衛生的にも良くありません。
ひとたび害獣や害虫の侵入を許してしまうと、大掛かりな駆除作業が必要になります。
建物自体が劣化する
ひび割れを放置することは、最終的に建物の構造にも影響を及ぼします。
外壁本来の機能が果たせなくなり、前述した通り、雨漏りや害獣・害虫の侵入が起こってしまうためです。
補修には全体のリフォームや駆除作業が必要になり、多大な労力と費用がかかります。
雨漏りや害獣・害虫の侵入は、建物の寿命を直接縮めるリスクが高い危険な状態です。
【緊急度別】外壁に発生したひび割れの対処法
外壁に発生したひび割れは、幅によって緊急度や対処法が変わってきます。
具体的な緊急度の分類は、下記になります。
・幅0.3ミリ以下
・幅0.3ミリ以上
・外壁材まで進行している
お住まいのひび割れが、すぐに補修すべきかどうか判断する参考になれば幸いです。
【緊急度★】幅0.3ミリ以下の場合
幅0.3ミリ以下のひび割れの場合は、すぐに補修しなくても大丈夫です。
ただ今後ひび割れの幅が広がる可能性はあるため、定期的なチェックをおすすめします。
定期的にチェックしておけば、補修が必要なひび割れを早期に発見しやすくなります。
ご自身での判断に不安を感じる場合は、業者に確認してもらうと安心です。
【緊急度★★】幅0.3ミリ以上の場合
ひび割れが幅0.3ミリ以上まで広がっている場合は、なるべく早く業者に相談してください。
雨水の浸入や、害獣・害虫が入り込みやすい状態になっているためです。
建物自体を劣化させる原因になるため、ひび割れが悪化する前に対処しましょう。
早めにひび割れを補修してもらうことが、建物を長持ちさせることにつながります。
【緊急度★★★】外壁材までひび割れが進行している場合
外壁材までひび割れが進行している状況であれば、もっとも補修の緊急性が高いと言えます。
建物の耐久性が低下している可能性もあるため、そのまま住み続けることは危険です。
外壁材までひび割れが進行している場合は、塗装以外に張り替えや内部の工事も必要になります。
ひび割れが深く外壁材まで進行している可能性があれば、すぐに業者に補修してもらってください。
外壁のひび割れを補修する方法
外壁のひび割れは、幅の広さによって補修方法が変わります。
補修方法をご紹介するひび割れの状態は、下記の通りです。
・幅0.3ミリ以下
・幅0.3ミリ以上
・外壁材まで進行している
ひび割れの状態ごとに、適した補修方法をご紹介します。
幅0.3ミリ以下の場合
幅0.3ミリ以下の浅いひび割れであれば、外壁塗装やシール充填で補修できます。
シール充填とは、ひび割れ部分にシール材を充填し補修する方法です。
簡単に施工できて、かかる費用も抑えられるといったメリットがあります。
幅の浅いひび割れの内に塗装やシール充填で補修すれば、幅が広がってしまうのを防げます。
幅0.3ミリ以上の場合
ひび割れの幅が0.3ミリを超える場合は、カット工法での補修が有効です。
カット工法とは、ひび割れ周辺をカットしシーリング材を充填する方法です。
ひび割れの幅が広い場合など、充填だけではシーリング材が届かない場合でも対応できます。
0.3ミリを越えるひび割れがある場合は、早めにカット工法で補修して悪化を防ぐようにしましょう。
外壁材までひび割れが進行している場合
外壁材までひび割れが進行している場合は、通常の補修では直せない場合もあります。
ひび割れ補修で対応できないレベルであれば、外壁材自体を張り替える必要がでてくるためです。
また外壁以外に追加で工事が必要になる場合は、より大掛かりなリフォームとなります。
外壁材まで進行したひび割れは、補修で対応できるかを業者に確認してください。
外壁のひび割れをできるだけ防ぐ方法
外壁のひび割れを完全に防ぐのは困難ですが、できるだけ防ぐ方法は存在します。
具体的には下記の方法です。
・機能性の高い塗料で塗装する
・外壁の弱点を補える塗料を選ぶ
・定期的に点検する
それぞれの方法を、くわしく解説します。
機能性の高い塗料で塗装する
ひび割れの原因をカバーできる機能を持つ塗料を選ぶことは、ひび割れ予防に効果的です。
振動や温度変化に強い塗料を使用すると、ひび割れを起こしにくくなるためです。
具体的な例として弾力性のある塗料は振動に強いほか、遮熱性の高い塗料は温度変化に強くなり、ひび割れしにくくなります。
立地環境に合った機能の塗料を選べば、ひび割れをできるだけ防げます。
外壁材の弱点を補える塗料を選ぶ
ひび割れ対策として、外壁材の弱点を補える塗料を選ぶのもおすすめです。
外壁の特性に合った塗料を選べば、ひび割れ予防にもつながります。
たとえばモルタルの外壁は揺れに弱いため、弾性の強い塗料を選ぶと効果的です。
ほかにも木材性の外壁に防腐や防カビ効果をもつ浸透系の塗料を選ぶと、内部の腐食によるひび割れが起きにくくなります。
外壁のひび割れをなるべく防ぎたいなら、相性の良い塗料を選択するようにしましょう。
定期的に点検する
ひび割れの予防や悪化対策として、定期的な点検もおすすめしています。
点検によって外壁の劣化を早期発見でき、ひび割れを起こす前に対処しやすくなるためです。
また定期的に点検することで、ひび割れが起きたとしても早期に補修できるため、かかる時間や費用も抑えやすくなります。
業者による数か月に1回程度の定期的な点検を行うことが、ひび割れを生じさせないためには大切です。
外壁のひび割れを発見した場合は業者に確認してもらおう
外壁のひび割れは、軽微なものから外壁材内部に進行したものまで幅広く存在します。
それぞれ緊急度や補修方法が変わるため、自己判断で放置するのは危険です。
ひび割れを発見したら、業者に確認してもらい対処するのが望ましいと言えます。
また外壁のひび割れを予防するには、適切な塗料の選択や定期的な点検が効果的です。
塗料や外壁の性能、弱点を熟知した業者に確認してもらうことで、ひび割れを含む劣化症状の早期発見や予防につながります。