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弾性塗料はひび割れしにくく防水性も高いことから、外壁塗装に使用されるケースがあります。
なんとなく良いとは聞いていても、お住まいに合っているのか疑問に思われる方もいるかもしれません。
本記事では弾性塗料の特徴や注意点、使用するメリット・デメリットについて解説します。
具体的に解説するのは、下記の内容です。

・弾性塗料の特徴
・弾性塗料のメリットやデメリット
・弾性塗料に用いる下塗り材
・弾性塗料の仕上げ方法
・弾性塗料を使う際の注意点

弾性塗料はゴムのように伸び縮みし外壁を保護する性能は高いものの、施工には知識と技術
が必要です。
本記事を読めば弾性塗料を用いるメリットや注意点が理解でき、使用するかの判断がしやすくなります。

外壁塗装で使われる弾性塗料とは?

弾性塗料とは、塗料の膜に高い伸縮性を持つ塗料のことです。
シリコンやフッ素塗料に、伸縮性をもたせる成分を加えて作られています。
柔らかく伸び縮みする性質から振動や寒暖差などの動きに追従でき、ひび割れを防ぎます。
また、水をはじく性質を持ち合わせており、建物内部への浸水を防ぎやすい点もメリットです。
弾性塗料は防水性やひび割れのしにくさにより、建物を保護する効果が期待できます。

弾性塗料を使って外壁塗装するメリット

弾性塗料を使って外壁塗装するメリットは、下記のとおりです。

・モルタル外壁のひび割れが起きにくくなる
・ひび割れによるダメージを最小限に抑える
・防水機能に優れている
・害虫や害獣の侵入を防ぐ

それぞれのメリットが建物に与える影響も含めて、くわしく解説します。

モルタル外壁のひび割れが起きにくくなる

弾性塗料は、モルタル外壁に用いられるケースが多いです。
モルタル外壁は振動や経年劣化によって、ひび割れを起こしやすい特徴があります。
弾性塗料を使用すればひび割れによる水の浸入を予防でき、美観も維持しやすくなります。
お住まいがモルタル外壁を使用している場合、ひび割れに強い弾性塗料の使用がおすすめです。

ひび割れによるダメージを最小限に抑えてくれる

もしひび割れが起こっても、弾性塗料を使用すればダメージを最小限に抑えてくれるメリットもあります。
微細なひび割れを塗料の膜が覆うことで、さらなる進行を防げるためです。
また、弾性塗料なら、塗料の膜ごと外壁が一緒にひび割れてしまうリスクも軽減できます。
経年劣化によるひび割れは避けられないため、事前に弾性塗料で対策すれば安心です。

防水機能に優れている

弾性塗料は、防水機能に優れる点もメリットです。
塗料の膜が外壁に密着する性質をもつため、水の浸入を防ぎます。
また、弾性塗料はほかの種類より厚く塗られるケースが多いことも、防水機能が高い理由です。
弾性塗料は密着性の高さや厚い塗装面により、高い防水機能を有しています。

害虫や害獣の浸入を防ぐ

弾性塗料は水だけではなく、害虫や害獣の侵入も防いでくれます。
外壁に密着した塗料の膜が、害虫や害獣の侵入するルートを塞いでくれるためです。
害虫や害獣は単に不快なだけではなく、建物や人体に深刻な影響を及ぼす危険があります。
川沿いや自然豊かな環境など、害虫や害獣の侵入リスクが高い場合は、弾性塗料の使用も候補になるでしょう。

弾性塗料を使って外壁塗装するデメリット

弾性塗料にはデメリットも存在します。
具体的には、湿気が溜まりやすく長持ちしにくいといった点が挙げられます。
また、塗料の膜が膨らみやすい特性もあるため、業者の知識や技術力に左右される塗料でもあります。
あらかじめデメリットも把握した上で、弾性塗料を使うか検討してください。

長持ちしにくい

弾性塗料の耐用年数は8〜12年と短めで、一般的な塗料より長持ちしにくいです。
参考として、外壁塗装によく用いられる塗料の耐用年数は下記になります。

・シリコン塗料:7〜15年
・フッ素塗料:12〜20年
・無機塗料:18〜20年

住環境によっては、耐用年数より前に塗装が必要になるケースもあります。
メンテナンスにかかる時間や費用も考慮して、塗料を選択すると良いでしょう。

湿気が溜まりやすい

通気性の低さから、湿気が溜まりやすいデメリットもあります。
弾性塗料は内側から外側に湿気を逃せないため、塗料の膜が風船のように膨らみやすいです。
湿気により膨らんだ塗料の膜は見た目も悪く、放置しても元には戻りません。
対策として通気性の高い弾性塗料を使用したり、知識や経験が豊富な業者に依頼したりするのをおすすめします。

【ケース別】弾性塗料の前に使用する下塗り材の種類

弾性塗料を美しく長持ちさせるには、適切な下塗り材の選択も非常に重要です。
弾性塗料の下塗り材は、シーラーとフィラーを用いるのが一般的です。
それぞれの特徴や使い分け方法を解説しますので、ぜひ参考にしてください。

【傷みが少ない場合】シーラー

比較的外壁の痛みが少ない場合は、シーラーを用いて下塗りを行います。
シーラーは塗料の密着性や耐久性を高め、表面を滑らかに整える効果が高いです。
また、塗装面の吸い込みを調整する効果もあるため、より美しい仕上がりにできます。
シーラーは外壁に吸い込まれる性質を持つことから、ひび割れを補修する効果は弱めです。

【傷みが激しい場合】フィラー

ひび割れや凸凹が目立つ場合は、フィラーが使用されます。
高い補修効果で表面を滑らかに整え、耐久性を向上させる効果が期待できます。
シーラーと比較して塗料の密着度は劣りますが、激しい傷みがあるケースでも対応可能です。
現在では豊富な種類のフィラーが市販されており、業者と相談しながら選択するのをおすすめします。

弾性塗料で外壁塗装する場合の仕上げ方法

弾性塗料で外壁塗装する際に考慮すべきなのが、仕上げ方法の選択です。
具体的には、3つの仕上げ方法が存在します。

・単層弾性塗料仕上げ
・複層弾性塗料仕上げ
・微弾性塗料仕上げ

弾性塗料は仕上げ方法によって、作業工程やメリット・デメリットが異なります。
3つの仕上げ方法をくわしく解説しますので、参考になれば幸いです。

単層弾性塗料仕上げ

単層弾性塗料仕上げは、下塗り1回、弾性塗料を用いた中塗り・上塗りを2~3回行う方法です。
弾性塗料を2回用いることで塗料の膜に厚みをもたせ、ヒビへの追従性を高めます。
単層弾性塗料仕上げの場合は、中塗りと上塗りに使用する弾性塗料は同じです。
材料費や工程を抑えられるメリットもあり、戸建て住宅でよく用いられる方法です。

複層弾性塗料仕上げ

複層弾性塗料仕上げは下塗り1回、中塗り2回、上塗り2〜3回の工程で仕上げます。
塗料の膜が厚くなるため、もっとも防水性の高い仕上げ方法です。
複層弾性塗料仕上げの場合、中塗りと上塗りに使用する塗料はそれぞれ異なります。
工程が多く時間もかかるため、費用はかさみやすいです。

微弾性塗料仕上げ

微弾性塗料仕上げは下塗りに微弾性フィラーを使用し、上塗りは1〜2回で仕上げる方法です。
微弾性フィラーを使用した下塗りは、塗料の膜に弾力性を与える効果があります。
下塗りを厚く塗ることで、塗料の膜の破れを回避しつつ性能を高められるのもメリットです。
微弾性フィラーにより厚みと伸縮性をもたせているため、上塗り塗料を自由に選びやすい仕上げ方法です。

外壁塗装で弾性塗料を使う際の注意点

弾性塗料の種類や外壁材によっては、とくに注意が必要なケースも存在します。
とくに外壁がサイディングの場合は、業者とよく相談してから選ぶようにしてください。
具体的な注意点について、くわしく解説します。

直貼り工法のサイディングには塗装しない方が良い

サイディングの施工方法が直貼り工法である場合は、弾性塗料の使用はおすすめできません。
直貼り工法は内部に湿気が溜まりやすく、透湿性の低い弾性塗料と相性が悪いためです。
湿気が溜まると塗料の膜に剥がれや膨れを起こし、外観を損ねてしまいます。
直貼り工法ではなく通気工法のサイディングであれば、通気層が存在するため弾性塗料も使用可能です。

微弾性塗料は数年で弾性がなくなる

微弾性塗料の弾性は数年程度に限る点も、施工前に知っておく必要があります。
弾性塗料には高弾性塗料と微弾性塗料があり、それぞれ伸び率は異なります。
微弾性塗料は硬さと柔軟性を兼ね備えていますが、弾性はなくなりやすいです。
より弾性を長持ちさせたい場合は、高弾性塗料を選択するのをおすすめします。

弾性塗料を使って外壁塗装したい場合はメリット・デメリットを把握した上で判断しよう

弾性塗料は、ひび割れや水の浸入対策に優れた効果を発揮します。
一方で、湿気の溜まりやすさや長持ちしにくいといった点がデメリットです。
また、弾性塗料は下塗りや仕上げ方法、業者の技術力が仕上がりに大きく影響する特徴もあります。
外壁塗装に弾性塗料を使用したい場合は、メリット・デメリットを把握した上で総合的に判断するのをおすすめします。

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