「カバー工法で使う屋根材って何があるの?」
「カバー工法で使う屋根材の費用や寿命が知りたい」
「自宅の屋根はどの屋根材でカバー工法するべき?」
上記のように、カバー工法で使用する屋根材選びにお悩みの方は多いでしょう。
この記事では、以下の内容についてお伝えします。
・カバー工法に向いている屋根材1:ガルバリウム鋼板
・カバー工法に向いている屋根材2:ジンカリウム鋼板
・カバー工法に向いている屋根材3:エスジーエル鋼板
・カバー工法に向いている屋根材4:アスファルトシングル
・【ケース別】カバー工法でおすすめの屋根材
この記事を読むと、自宅の屋根をどの屋根材でカバー工法すべきか、判断しやすくなるでしょう。
ぜひ最後まで目を通してみてください。
もくじ
屋根のカバー工法に向いている屋根材1:ガルバリウム鋼板

屋根のカバー工法に向いている屋根材に、ガルバリウム鋼板があります。
ガルバリウム鋼板とは、屋根材や外壁材などに広く使用されている金属素材です。
アルミニウム、亜鉛、シリコンを含む合金でコーティングされています。
ここでは、ガルバリウム鋼板に関する以下の情報をお伝えします。
・ガルバリウム鋼板を使うメリット
・ガルバリウム鋼板を使うデメリット
・ガルバリウム鋼板の耐用年数
・ガルバリウム鋼板の費用相場
それぞれについて、以下で詳しく説明します。
ガルバリウム鋼板を使うメリット
ガルバリウム鋼板を使うメリットは、錆びにくく耐用年数が長いことです。
ガルバリウム鋼板は、アルミニウムや亜鉛の働きによってトタンなど他の屋根材に比べて錆びにくい傾向があります。
また、ガルバリウム鋼板は軽量であることもメリットの1つです。
屋根が軽量であれば、建物全体の重さが軽くなり、地震の際に受ける力も小さくなるため、耐震性が高まります。
ガルバリウム鋼板を使うデメリット
ガルバリウム鋼板を使うデメリットは、外部からの衝撃に弱く、へこみやすいことです。
また、ガルバリウム鋼板は錆びにくい特徴を持っているものの全く錆びないわけではありません。
特に海沿いの住宅など塩害を受けやすい立地環境では、サビが発生しやすいため注意が必要です。
デザインの種類が限られており選択肢が少ないことも、ガルバリウム鋼板のデメリットの1つと言えるでしょう。
ガルバリウム鋼板の耐用年数
ガルバリウム鋼板の耐用年数は25~40年です。
ガルバリウム鋼板は、長期間使用していると腐食や劣化が進行する場合があります。
そのため、ガルバリウム鋼板を長持ちさせるためには定期的な補修が必要です。
ガルバリウム鋼板の費用相場
ガルバリウム鋼板でカバー工法を行う場合の費用相場は100万円~240万円です。
足場の設置費用や、屋根の設置費用などが含まれています。
葺き替え工事の場合は取り外した屋根材の処分費用なども発生しますが、カバー工法ではかかりません。
屋根のカバー工法に向いている屋根材2:ジンカリウム鋼板

屋根のカバー工法に向いている屋根材に、ジンカリウム鋼板があります。
ジンカリウム鋼板は、ガルバリウム鋼板と素材はほぼ同じですが、商標登録している企業が異なることから呼び名が違うものになります。
ここでは、ジンカリウム鋼板に関する以下の情報をお伝えします。
・ジンカリウム鋼板を使うメリット
・ジンカリウム鋼板を使うデメリット
・ジンカリウム鋼板の耐用年数
・ジンカリウム鋼板の費用相場
それぞれについて、以下で詳しく説明します。
ジンカリウム鋼板を使うメリット
ジンカリウム鋼板を使うメリットは、耐用年数の長さです。
ジンカリウム鋼板は石粒の付いた金属屋根と認識されることがあります。
石粒が付着していることによるメリットとして、サビや紫外線に強く耐久性が高いことがあります。
ジンカリウム鋼板は色褪せしにくいため、塗装による補修の必要もありません。
また、ガルバリウム鋼板と同様に軽量であることから耐震性も高い屋根材です。
ジンカリウム鋼板を使うデメリット
ジンカリウム鋼板を使うデメリットは、断熱性に劣ることです。
断熱材と一体型の屋根材が多い中、ジンカリウム鋼板の屋根材には断熱材と一体化したものが販売されていないためです。
ジンカリウム鋼板の場合は付着している石粒が断熱性を発揮しますが、断熱材を一緒に施工することで断熱性を高めることもできます。
ジンカリウム鋼板は海外製の屋根材のため、国内で施工できる業者が少ないことから費用が高い、といったデメリットもあります。
ジンカリウム鋼板の耐用年数
ジンカリウム鋼板の耐用年数は30~50年です。
ジンカリウム鋼板は紫外線やサビに強く傷が付きにくい特徴があり、耐用年数が比較的高いとされています。
また、ジンカリウム鋼板は表面のコーティングによって塩害に強いという特徴もあります。
しかし、全く錆びないわけではないため定期的なメンテナンスは必要です。
ジンカリウム鋼板の費用相場
ジンカリウム鋼板でカバー工法を行う場合の費用相場は70万円~160万円です。
ジンカリウム鋼板のカバー工法では、設置時のコストはかかるものの耐久性が良くメンテナンスの回数が少ないため、長期的に見た場合にコストは抑えやすいでしょう。
上記金額はあくまでも参考程度とし、詳しい金額は見積書を確認しましょう。
屋根のカバー工法に向いている屋根材3:エスジーエル鋼板

屋根のカバー工法に向いている屋根材に、エスジーエル鋼板があります。
エスジーエル鋼板にはマグネシウムが含まれており耐久性が高い点が特徴です。
ここでは、エスジーエル鋼板に関する以下の情報をお伝えします。
・エスジーエル鋼板を使うメリット
・エスジーエル鋼板を使うデメリット
・エスジーエル鋼板の耐用年数
・エスジーエル鋼板の費用相場
それぞれについて、以下で詳しく説明します。
エスジーエル鋼板を使うメリット
エスジーエル鋼板を使うメリットは錆びにくいことです。
ガルバリウム鋼板は亜鉛、アルミニウム、シリコンが含まれますが、エスジーエル鋼板にはマグネシウムも含まれています。
エスジーエル鋼板は、このマグネシウムの働きによって錆びにくい屋根材です。
そのため、沿岸部において塩害の影響を受けにくい点もメリットの1つです。
エスジーエル鋼板を使うデメリット
エスジーエル鋼板を使うデメリットは、コストがかかることです。
エスジーエル鋼板はサビに強く、ガルバリウム鋼板と比較しても耐久性が長い点が特徴です。
しかし、その分のコストがかかる点はデメリットと言えるでしょう。
エスジーエル鋼板を使用してカバー工法を行う場合の費用相場については後述します。
エスジーエル鋼板の耐用年数
エスジーエル鋼板の耐用年数は30年~50年です。
エスジーエル鋼板にはマグネシウムが含まれています。
このマグネシウムの働きにより、サビに強い屋根材です。
エスジーエル鋼板の費用相場
エスジーエル鋼板でカバー工法を行う場合の費用相場は120万円~200万円です。
優れた耐久性を持つエスジーエル鋼板ですが、その分コストはかかります。
上記の金額には、足場の設置や防水シートの設置などの費用が含まれます。
屋根の面積や状態によっても金額は異なるため、上記の金額はあくまでも参考程度と考えておきましょう。
屋根のカバー工法に向いている屋根材4:アスファルトシングル

屋根のカバー工法に向いている屋根材に、アスファルトシングルがあります。
アスファルトシングルとは、ガラス繊維などにアスファルトを浸透させ、石粒で表面をコーティングした屋根材です。
ここでは、アスファルトシングルに関する以下の情報をお伝えします。
・アスファルトシングルを使うメリット
・アスファルトシングルを使うデメリット
・アスファルトシングルの耐用年数
・アスファルトシングルの費用相場
それぞれについて、以下で詳しく説明します。
アスファルトシングルを使うメリット
アスファルトシングルを使うメリットとして、軽量で割れにくいほか、耐久性や防水性に優れている点が挙げられます。
また、金属を含まない素材であるためサビの心配がない点もメリットと言えるでしょう。
アスファルトシングルを使うデメリット
アスファルトシングルを使うデメリットは、軽量なため風に飛ばされやすいことです。
また、作業の難易度が高いため、施工できる業者を探しにくいこともデメリットの1つと言えるでしょう。
アスファルトシングルの耐用年数
アスファルトシングルの耐用年数は15~30年です。
耐用年数が比較的長い場合でも、使用状況や気候状況などにより劣化の進行具合は異なります。
また、劣化部分があった場合には早期に気付くことが重要です。
定期的にメンテナンスを行うことで、長持ちさせやすくなるでしょう。
アスファルトシングルの費用相場
アスファルトシングルでカバー工法を行う場合の費用相場は80万円~220万円です。
道路が狭く、資材の搬入がしにくい場合など、建物の立地環境によっても費用は変動します。
金額が気になる場合には見積書で確認しておくと安心です。
【ケース別】カバー工法でおすすめの屋根材

本章では、カバー工法でおすすめの屋根材をケース別に紹介します。
具体的には、以下の4つのケースに関してお伝えします。
・耐久性とコストパフォーマンスを重視する場合
・海風の影響を受けやすい立地の場合
・住宅の耐震性が気になる場合
・デザイン性を重視する場合
それぞれについて、以下で詳しく説明します。
耐久性とコストパフォーマンスを重視する場合
耐久性とコストパフォーマンスを重視したい場合は、ガルバリウム鋼板がおすすめです。
理由は、ガルバリウム鋼板は錆びにくく耐久性が高い屋根材だからです。
耐久性が高い屋根材はメンテナンスの回数が少なく済むため、コストパフォーマンスに優れていると言えます。
海風の影響を受けやすい立地の場合
海風の影響を受けやすい立地の場合は、ジンカリウム鋼板やエスジーエル鋼板がおすすめです。
沿岸部の住宅は、海水に含まれる塩分が金属に付着しやすく錆びやすい傾向にあります。
しかし、ジンカリウム鋼板やエスジーエル鋼板は塩害に強い特徴を持つため、海風の影響を受けやすい立地にあっても錆びにくいです。
住宅の耐震性が気になる場合
住宅の耐震性が気になる場合は、エスジーエル鋼板がおすすめです。
建物全体の重さが軽い場合は地震の際に受ける力も小さくなり、地震の影響を受けにくくなります。
エスジーエル鋼板は軽量なため、重い屋根材と比較すると耐震性に優れているのです。
デザイン性を重視する場合
デザイン性を重視する場合は、アスファルトシングルがおすすめです。
アスファルトシングルはカラーバリエーションが多いため、お洒落な印象に仕上がります。
カバー工法に使う屋根材が決められない場合はプロの業者に相談してみよう

カバー工法では、古い屋根材の上から新しい屋根材を重ねます。
使用する新しい屋根材として、以下の屋根材が適しています。
・ガルバリウム鋼板
・ジンカリウム鋼板
・エスジーエル鋼板
・アスファルトシングル
上記の屋根材にはそれぞれメリット、デメリットがあります。
コストパフォーマンスを重視したい、耐震性に優れた屋根材にしたいなど、希望に合った屋根材選びが大切です。
カバー工法に使う屋根材が決められない場合はプロの業者に相談してみましょう。