「コロニアルNEOってどんな屋根材?」
「コロニアルNEOの何が問題なのかが知りたい」
「住宅の屋根がコロニアルNEOだった場合、どうすれば良い?」
上記のように、コロニアルNEOや問題点について詳しく知りたい方は多いでしょう。
この記事では、コロニアルNEOに関する以下の内容をお伝えします。
・コロニアルNEOとは?
・コロニアルNEOが抱える問題
・住宅の屋根がコロニアルNEOか見分ける方法
・コロニアルNEOによく見られる劣化症状
・コロニアルNEOの劣化を放置すると起こり得るトラブル
・コロニアルNEOの補修方法
・コロニアルNEOの補修に火災保険が使えるケース
この記事を読むと、住宅の屋根がコロニアルNEOかどうかを見分けられるだけでなく、万が一、コロニアルNEOだった場合の対処方法も分かります。
ぜひ、最後まで目を通してみてください。
もくじ
コロニアルNEOとは?

コロニアルNEOは、アスベスト含有によって法規制を受けたクボタの屋根材「ニューコロニアル」の改良品として、2001年に発売されたアスベストが入っていない屋根材です。
販売元メーカーは株式会社クボタですが、株式会社クボタは松下電工と統合し、「ケイミュー株式会社」へと社名変更しています。
コロニアルNEOは、コロニアルNEOを改良した屋根材「コロニアルクァッド」が2008年に誕生するまでの間、販売されていました。
現在は、製造が中止されています。
コロニアルNEOの特徴は、ひび割れや欠けなどが生じやすく、非常に耐久性が低い
ことです。
コロニアルNEOが抱える問題

本章では、コロニアルNEOが抱える問題について解説します。
コロニアルNEOはとても脆く、塗装ができないなどの問題を抱えています。
それぞれの問題について、以下で詳しく見ていきましょう。
とても脆い
コロニアルNEOはとても脆い屋根材です。
コロニアルNEOにはアスベストが入っていないため、使用にあたって健康被害や大気汚染を気にする必要はありません。
しかしながら、とにかく強度が低いという問題点があります。
そのため、他のスレート屋根に比べると、早い段階でひび割れや欠けなどの劣化症状が生じやすいのです。
塗装ができない
コロニアルNEOは塗装しない方が良い屋根材です。
屋根材は、劣化の症状が酷すぎない場合には、塗装によってメンテナンスを行うケースが一般的です。
しかし、前述の通りコロニアルNEOは脆いため、塗装作業で人が屋根に上ることにより割れてしまうケースがあります。
また、屋根の塗装前には高圧洗浄を行いますが、コロニアルNEOの場合は高圧洗浄も屋根材への大きな負担になってしまいます。
住宅の屋根がコロニアルNEOか見分ける方法

本章では、住宅の屋根がコロニアルNEOか見分ける方法を解説します。
自分で見分ける方法と、業者に依頼して見分ける方法があります。
それぞれどのようにして見分けるのかを以下で詳しくお伝えします。
自分で見分ける方法
住宅の屋根がコロニアルNEOかどうかを自分で見分ける方法として、住宅を建設した時期を確認する方法があります。
コロニアルNEOは2001年から2008年まで製造、販売されていました。
住宅の建設時期を確認することで、コロニアルNEOの販売時期と重なっていないかどうか確認しましょう。
また、製品名やメーカー名、不燃材の認定番号である不燃番号を仕様書にて確認する方法もあります。
建築性能基準推進協会の「大臣認定の検索システム」に、不燃番号を入力すると、製品名を確認できます。
業者に依頼して見分ける方法
住宅の屋根がコロニアルNEOか見分ける方法として、業者に依頼する方法もあります。
屋根材に製造番号の刻印がないかどうか、業者に確認してもらいましょう。
また、屋根材の形状についても確認してもらうと良いでしょう。
コロニアルNEOの先端部分には凹凸があり、凹凸を作る切れ込み部分の角が斜めになっている点が特徴です。
屋根材の形状の見極めは高所での作業となるため、プロである業者に確認してもらうと安心です。
コロニアルNEOによく見られる劣化症状

本章では、コロニアルNEOによく見られる劣化症状について解説します。
具体的には、以下の劣化症状が挙げられます。
・不規則なひび割れが発生している
・反っている箇所がある
・ところどころ欠けている
・変色している箇所がある
それぞれの劣化症状について、以下で詳しく説明します。
不規則なひび割れが発生している
コロニアルNEOによく見られる劣化症状として、不規則なひび割れが発生している場合があります。
一般的なスレート屋根のひび割れと比較すると、コロニアルNEOのひび割れには規則性がない点が特徴です。
反っている箇所がある
コロニアルNEOによく見られる劣化症状として、屋根材の一部が反っている場合があります。
しかし、屋根材の反りはコロニアルNEO以外のスレート屋根でも起こるため、反りだけでコロニアルNEOと判断できるわけではありません。
ところどころ欠けている
コロニアルNEOによく見られる劣化症状として、ところどころ欠けている場合があります。
不規則なひび割れが進行することにより、欠けてしまうのです。
変色している箇所がある
コロニアルNEOによく見られる劣化症状として、屋根材の一部が変色している場合があります。
しかし、屋根の変色はコロニアルNEO以外のスレート屋根でも起こるため、変色だけでコロニアルNEOと判断できるわけではありません。
コロニアルNEOの劣化を放置すると起こり得るトラブル

本章では、コロニアルNEOの劣化を放置すると起こり得るトラブルについて解説します。
劣化した状態で放っておくと雨漏りをしたり、建物自体の耐久性が低くなったりする可能性があります。
それぞれのトラブルについて、詳しく見ていきましょう。
雨漏りする
コロニアルNEOの劣化を放置すると、雨漏りする恐れがあります。
コロニアルNEOは、ひび割れや欠けが発生しやすい屋根材です。
ひび割れ箇所や欠けている箇所をそのままにしておくと、そこから雨水が浸入しやすくなってしまいます。
建物自体の耐久性が低くなる
コロニアルNEOの劣化を放置すると、建物自体の耐久性が低くなる恐れがあります。
雨漏りが発生し、雨水が建物の構造まで達すると建物自体の耐久性が低くなってしまいます。
建物の耐久性が下がった状態でそのままにしておくと、さらなる不具合に繋がる恐れもあるため、早めの対処が大切です。
コロニアルNEOの補修方法

本章では、コロニアルNEOの補修方法について解説します。
コロニアルNEOを補修する方法は、重ね葺き工事と葺き替え工事の2種類があります。
それぞれの方法について、以下で詳しく説明します。
重ね葺き工事(カバー工法)
重ね葺き工事(カバー工法)は、既存のコロニアルNEOの上から、新たな屋根材を被せる工法です。
費用の相場は60万円~240万円です。
既存の屋根を剥がす工事を必要としないため、後述する葺き替え工事よりも費用を抑えやすくなります。
葺き替え工事
葺き替え工事は、既存のコロニアルNEOを撤去した上で新たな屋根材に交換する工法です。
コロニアルNEOの劣化状態が酷く、雨漏りなどが発生している場合には、葺き替え工事が適しているでしょう。
葺き替え工事の費用相場は70万円~250万円です。
コロニアルNEOの補修に火災保険が使えるケース

本章では、コロニアルNEOの補修に火災保険が使えるケースについて確認しましょう。
コロニアルNEOの破損の原因が自然災害のケースでは、火災保険が使える場合があります。
ただし、自然災害で被害を受けたと明確に証明できることが必要です。
経年劣化の場合には火災保険は下りないため注意しましょう。
また、申請の際は、被害を受けてから3年以内に申請する必要があります。
コロニアルNEOなどの破損しやすい屋根材は、最初から「保険適用外」と言われてしまうケースもあり、申請可能かどうかは保険会社によります。
中には「火災保険で直せる」などと説明し、まるで被害に遭ったかのように屋根材を壊してしまう悪質な業者もいるため、気を付けてください。
コロニアルNEOに補修が必要かは業者に確認してもらおう

コロニアルNEOは、2001年にクボタが発売開始したノンアスベストの屋根材です。
現在は販売されていないコロニアルNEOですが、該当時期に建てられた住宅では使用されている可能性もあります。
コロニアルNEOはとても脆い上、時間が経つとひび割れや反り、欠けなどの劣化症状が見られる屋根材です。
上記の劣化症状を放置すると、雨漏りなどのさらに大きなトラブルにつながる可能性があります。
しかしメンテナンスが必要な状態かどうか、自身で判断するのは難しいものです。
コロニアルNEOに補修が必要かは、プロの業者に確認してもらいましょう。