「アクリル塗料ってどんな塗料?」
「アクリル塗料で外壁塗装してもいいの?」
「アクリル塗料の費用や耐用年数が知りたい」
このように、アクリル塗料について詳しく知りたい方は多いでしょう。
この記事では、以下について解説します。
・アクリル塗料とはどんな塗料か
・アクリル塗料による外壁塗装はおすすめではない理由
・アクリル塗料の優れている点
・アクリル塗料で外壁塗装するのが向いているケース
・外壁以外でアクリル塗料で塗装するのが向いている箇所
・高機能な2つのアクリル塗料
この記事を読めば、アクリル塗料に関する疑問が解決し、アクリル塗料で外壁塗装する際に正しい知識で進められるでしょう。
ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
アクリル塗料とは?

本章では、アクリル塗料とはどのような塗料なのかを解説していきます。
アクリル塗料とは、アクリル樹脂を主な原料とした塗料です。
かつては、扱いやすく画期的な塗料であることや、他の塗料よりも安価であることから人気がありました。
しかし、最近では高性能な塗料や他の安価な塗料などの登場によって、需要が少なくなってきています。
アクリル塗料は、現在、外壁塗装や屋根塗装ではほとんど使用されていません。
アクリル塗料による外壁塗装はおすすめではない

アクリル塗料による外壁塗装はおすすめではありません。
理由は、以下のとおりです。
・長期的なコストパフォーマンスが低い
・劣化しやすい
・美観維持が難しい
それぞれについて、以下で詳しく説明します。
長期的なコストパフォーマンスが低い
長期的なコストパフォーマンスが低いため、アクリル塗料による外壁塗装はおすすめとは言えません。
アクリル塗料は、他の塗料に比べると費用が最も安くなります。
しかし、耐用年数が4~7年と非常に短いのです。
費用は安くても劣化が早いため、短いスパンで塗り直さなければなりません。
結果的に長期的なコストパフォーマンスが低くなってしまうため、アクリル塗料による外壁塗装はおすすめできないのです。
劣化しやすい
アクリル塗料は劣化しやすいため、外壁塗装におすすめとは言えません。
アクリル塗料は紫外線に弱く、早い段階で色あせしやすいのです。
また、アクリル塗料には可塑剤(かそざい)という、塗料に柔軟性を持たせるための成分が含まれています。
可塑剤が紫外線によって徐々に抜けていくため、ひび割れしやすいといったデメリットもあります。
さらに、アクリル塗料は透湿性のある塗料のため、湿気を内部に通しやすく劣化しやすい点も、外壁塗装での使用がおすすめできない理由の1つです。
美観維持が難しい
アクリル塗料は美観維持が難しいため、外壁塗装におすすめとは言えません。
前述したようにアクリル塗料が劣化しやすい点も、美観維持が難しい理由の1つです。
さらに、アクリル塗料は他の塗料より光沢を維持する力も弱いのです。
上記の理由から、アクリル塗料による外壁塗装はおすすめできません。
アクリル塗料の優れている点

本章では、アクリル塗料の優れている点について解説します。
前章でアクリル塗料は外壁塗装におすすめしないとお伝えしましたが、優れている点もあります。
たとえば、以下の点において優れていると言えるでしょう。
・費用が安い
・扱いやすい
・カラーバリエーションが多い
それぞれについて、順に説明していきます。
費用が安い
アクリル塗料の優れている点に、費用が安いことが挙げられます。
アクリル塗料の塗装費用相場は、1,300円~1,800円/平方メートルです。
この金額は、他の塗料と比べても最も安い金額です。
外壁塗装で、とにかくコストを抑えたい場合には大きなメリットとなるでしょう。
扱いやすい
アクリル塗料の優れている点に、扱いやすいことが挙げられます。
塗料は、1つの塗料缶の液体のみで塗装ができる1液型と、2つの異なる塗料缶の塗料を組み合わせて使用する2液型に分類されます。
アクリル塗料には1液型のタイプが多いため、塗料を希釈したり混ぜたりする必要がありません。
また、アクリル塗料には下塗りが不要なタイプもあります。
上記の理由から、素人でも扱いやすい点がポイントです。
カラーバリエーションが多い
アクリル塗料の優れている点に、カラーバリエーションが多いことが挙げられます。
発色の良いアクリル塗料は、さまざまなメーカーにおいて豊富なカラーバリエーションが用意されています。
塗料の種類によってはカラーバリエーションが少ないものもあるため、カラーバリエーションが多い点はアクリル塗料のメリットの1つでしょう。
アクリル塗料で外壁塗装するのが向いているケース

本章では、アクリル塗料での外壁塗装が向いているケースをご紹介します。
前述のとおり、基本的にはアクリル塗料で外壁塗装しない方が良いでしょう。
しかし、アクリル塗料での塗装が向いている以下のようなケースもあります。
・4〜7年以内に建て替えの予定がある場合
・塗料の寿命が短くても費用を抑えたい場合
・外壁の色を小まめに変えたい場合
それぞれについて、順に見ていきましょう。
4~7年以内に建て替えの予定がある場合
4〜7年以内に建て替えの予定がある場合、アクリル塗料で外壁塗装するのが向いているでしょう。
アクリル塗料の寿命は他の塗料よりも短いです。
そのため、建物自体の寿命が近付いていて4~7年以内に建て替える予定、という場合はアクリル塗料で塗装すれば費用を抑えやすくなるでしょう。
ただし、業者に相談の上で判断するようにしましょう。
塗料の寿命が短くても費用を抑えたい場合
塗料の寿命が短くても費用を抑えたい場合、アクリル塗料で外壁塗装するのが向いているでしょう。
前述のとおり、アクリル塗料は耐用年数が短い塗料です。
しかし、どうしても「今」費用を抑えたいといった場合には、他の塗料よりも安価なアクリル塗料で塗装するのはおすすめです。
ただし、外壁塗装は助成金が活用できたりローンを組めたりもします。
そのため上記も考慮した上で決めると良いでしょう。
外壁の色を小まめに変えたい場合
外壁の色を小まめに変えたい場合、アクリル塗料で外壁塗装するのが向いているでしょう。
多くの住宅では、一度外壁塗装を行ったらできるだけ長持ちさせたいものです。
しかし、経済的にも余裕があり、外壁の色を数年ごとに変えてさまざまな印象を楽しみたいという方もいらっしゃるかもしれません。
上記の場合は、耐用年数は短めでも価格の安いアクリル塗料がおすすめと言えるでしょう。
【外壁以外】アクリル塗料で塗装するのが向いている箇所

本章では、外壁以外にアクリル塗料で塗装するのが向いている箇所について解説します。
それは、室内や軒先の天井部分である軒天です。
それぞれ、なぜアクリル塗料での塗装が向いているのかを詳しく説明します。
室内
外壁以外にアクリル塗料で塗装するのが向いている場所は室内です。
アクリル塗料は乾燥時間が短く、匂いもきつくありません。
そのため、室内を塗装する場合にちょうど良い塗料なのです。
軒天
外壁以外にアクリル塗料で塗装するのが向いている場所は、軒先の天井部分である軒天です。
軒天は湿気の溜まりやすい箇所であるため、湿気を外に逃しやすい透湿性のあるアクリル塗料の使用は適していると言えるでしょう。
高機能なアクリル塗料もある

本章では、高機能なアクリル塗料についてもご紹介します。
近年では、アクリル塗料のデメリットと捉えられている耐用年数や耐候性の低さをカバーするような商品も出ています。
たとえば、ピュアアクリルやパーフェクトトップが該当します。
それぞれの商品について、以下で詳しく見ていきましょう。
ピュアアクリル
ピュアアクリルとは、オーストラリアにある塗料メーカーのアステックペイントが製造している塗料です。
不純物をできるだけ取り除いた塗料となっています。
名前にアクリルと付きますが、耐用年数はアクリル塗料よりも長い点が特徴です。
パーフェクトトップ
パーフェクトトップとは、日本ペイント株式会社の塗料です。
パーフェクトトップのベース素材はアクリルですが、耐用年数はアクリル塗料よりも長くなっています。
アクリル塗料で外壁塗装したい場合は業者に相談しよう

アクリル塗料は安価で扱いやすいため、これまで人気のある塗料でした。
しかし、アクリル塗料は耐用年数が短く、長期的な視点で見るとコストパフォーマンスも良くありません。
また、劣化しやすいことなどから、基本的には外壁塗装に向かない塗料となっています。
しかし、何らかの事情によりアクリル塗料を使いたいという場合や、高機能なアクリル塗料が気になる場合もあるでしょう。
室内の塗装や軒先の天井への塗装など、アクリル塗料での塗装が向いている箇所もあります。
塗装のプロによる正しい知識や判断の元であれば、失敗を避けやすいでしょう。
アクリル塗装で外壁塗装をしたい場合には、プロである業者に相談しながら決めましょう。